2003年問題


  六本木ヒルズがオープンしました。TVCMも流れていますし、ニュースも各局が派手に取り上げていますのでご存じのことと思います。なんと3日間で100万人近くの人が訪れたそうです。
 ところで東京都区内で2003年問題として取り上げられているテナントビルの供給ラッシュをどう思われますか?
 六本木ヒルズの後も、汐留や品川で大規模なテナントビルの完成が本年度中に控えています。そのあおりを受けて、都内のテナントビルの空室が心配されているわけです。

「ま、大きなテナントビルのことだから、自分の所有している賃貸マンションには関係ないよ」「東京の山手線内の出来事だから・・・・」
そんな風にのんびり構えていいのでしょうか?
 有名なたとえ話で「風が吹くと桶やが儲かる」というのがありますが、「都会に大型テナントビルが増えると地方の賃貸マンションに空室が増える」ことはないでしょうか。週刊住宅の昨年8年20日付け記事にこんなくだりがあります。

とくに、都心部でファミリー向け賃貸住宅が不足している。そこで自民党などは大量供給にともない今後見込まれるオフィス需要の減少にも対応しようと、都心の既存オフィスビルの住宅転用を促進しようという考えを打ち出している。すでにオフィス転用のファミリー向け公共賃貸に対しては国も助成を開始した。


つまり、テナントビルの供給ラッシュで空室が増えたオフィスが、国の助成を受けてファミリー向け賃貸マンションに転用される可能性がある、ということです。分譲マンションに入居者を奪われたファミリー賃貸マンションですが、今度は都内のオフィスビル供給過剰のあおりを受けるかもしれません。
競争相手が増えてますます厳しくなりますが、だからこそ今から手を打っておくべきではないでしょうか。

 入居率を維持するにはなんと言っても退室を防ぐことですね。つまり、いま住んでいただいている入居者を大切にすることです。平均入居期間が永くなるような努力をしてはいかがでしょうか。永く住んでもらうには住みやすい環境にすることが大事ですが、住みやすい環境とはどういうものか。例えばエントランスや共用部分、ゴミ置き場などはいつも綺麗であってほしいものです。外壁や設備も耐用年数が過ぎたままでは環境が悪化します。

 また契約更新の時が住み替えを考えるひとつの節目となりますが、そのときに徴収している更新料で入居期間に応じて畳を替えて上げたりウォシュレット・エアコン・その他の設備類を追加してあげたらどうでしょうか。
いま、あらゆる企業はリピーターを大切にしています。そのために、何回も足を運んでいただけるお客様にサービスを厚くするのです。
賃貸経営でも、更新を多く重ねてくれる入居者に対して、よりサービスを付加して大切にすることが、永く住んでいただくための基本精神ではないでしょうか。
2003年問題が単なる杞憂に終わってくれれば良いのですが・・・・。



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