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メンテナンス費用を上手にコントロールする

賃貸経営の目的のひとつは「収益をあげる」ことです。
そのための第一歩は「物件力を高める」ことでしょう。それによって賃料を高く設定することができます。
これを「あるべき賃料収入」といいます。

つぎは、「空室や値引きや未回収によるロスを防ぐこと」です。
それによって実際に多くの家賃を手に入れることができます。これを「実際の賃料収入」といいます。

三番目は「運営費を効率よくコントロールすること」です。運営費とは、税金や保険料や水道光熱費など、賃貸経営をする上では欠かせない必要経費です。運営費はただ節約するのではなく、「使うべきは使い、節約すべきは節約する」ことが大切です。これを「運営費のコントロール」といいます。以上を算出式で表してみました。

あるべき賃料収入-空室などのロス=実際の賃料収入
実際の賃料収入-運営費=純利益(収益) ←これを増やす!

運営費の中で一番多くを占めるのはメンテナンス費用です。
メンテナンス費用を効率よくコントロールすることができれば収益確保につながる、ということになります。そこで今回はメンテナンス費用に対する考え方のお話です。

 

①退去時のリフォーム費用

メンテナンス費用の一番目は「退去時のリフォーム費用」ですが、これは「原状回復リフォーム」だけではありません。
それとは別に「古さを取り除くリフォーム」と「差別化のリフォーム」があります。

原状回復リフォームだけではクロスや畳や襖などは新しくなりますが、それ以外の部分は放置されたままなので、徐々に古くなってしまいます。
気が付くと年数の経過とともに“何となく築古感”を漂わせて、内見したお客様が微妙に感じたりするのです。
ですから退去時には「原状回復」と「古さ除去」のリフォームをセットで行う必要があります。

そして築10年など、ある程度の年数を経たら「差別化リフォーム」も合わせて行うべきでしょう。
差別化リフォームとは、間取の変更や設備の入れ替えのように多額の費用をかけるばかりではありません。
これらの退去時リフォームは、物件力を保ち「あるべき賃料収入」を維持することにつながるように考えるべきです。
効率よくコントロールすることが重要です。

 

②日常清掃費用

メンテナンス費用の二番目は「日常清掃費用」です。
日常清掃がしっかりと行われていれば、物件の外回りやエントランス、通路、廊下がいつも綺麗に清掃され整頓されているので、入居者が長く住んでくれることにつながります。
また、入居希望者が内見のために訪れた時の印象も良いので、入居してくれる可能性も高まるでしょう。
あまり費用をかけすぎては運営費がかさんで収益を圧迫しますが、清掃せずにゴミや埃が放置された状態では空室が長引いてしまいます。ここでも運営費のコントロールが必要です。

 

③自主点検と法定点検費用

メンテナンス費用の三番目は「自主点検と法定点検費用」です。
受水槽、浄化槽、防火設備、電気設備などの点検です。経費節約の観点からは、なるべく支出は避けたいところですが、法律で定められた義務なのです。
それによって敷地や建物内での不慮の事故を防ぐことができます。万一の事故が起きても、オーナーの損害賠償リスクも減らすことができます。

 

④建物・設備の定期メンテナンス

メンテナンス費用の四番目は「建物・設備の定期メンテナンス」です。
室内と同様に建物と設備も経年によって古くなります。たとえば、屋根や外壁や雨樋、ベランダ、階段・廊下など。室内の給湯器、エアコン、浴室、キッチン、洗面、トイレなどの各設備です。
「何年経ったら修理が必要」ということが判っているので、問題が発生する前に定期的にメンテナンスすることが大切です。
これを「予防メンテナンス」といいます。
放置しておくとトラブルが起こり余分な費用を負担することになります。このような「緊急メンテナンス」はなるべく避けたいですね。

定期メンテナンス費用は、最初の10年間はほとんどかからず、半分以上は20年後から発生するという厄介な性質があります。
そのために資金を蓄えておく必要があるのです。中長期の修繕計画があれば予算が立てられるので準備することができます。
このメンテナンスは「物件の価値を維持」するためのものなので、これによってグレードアップを目的とはしていません。

 

以上の4つのメンテナンス費用は、賃貸経営をする上では手を抜かない方がいいのです。ただし、かける費用は上手にコントロールする必要があります。

 

⑤グレードアップのための工事

メンテナンス費用の最後の五番目は「グレードアップのための工事」です。“リニューアル工事”ともいいます。
この工事は必須というワケではありません。
たとえば木造のアパートが築20年から25年を迎えたとき、マンションなら30年を超えた頃。大規模なリニューアル工事をするかどうかは、オーナーの賃貸経営の目的や考え方によります。
古くなった分は家賃の値下げで対応する考え方もありますし、取り壊して次の有効活用をにつなげることもできます。

前述の4つのメンテナンスをしっかりと行っていれば「物件力」は保たれているので、大きな家賃の値下がりや、多くの空室に悩むことはないでしょう。
もちろん地域の賃貸需要やライバル物件に左右されることはありますが・・・。

一方でリニューアル工事を行うと、物件の寿命が延びて、あるべき賃料が上がり空室などのロスを下げることはできるでしょう。
しかし金利負担は増えるので、手元に残るキャッシュフローが増えるか減るかは計画次第です。
「やるかやらないか」は緻密にシミュレーションして判断すべきですね。

 

このように考えてみると賃貸経営の収益とは、メンテナンス費用を「どのように効率的にコントロールするか」で左右されることが判ります。
ただ支出を渋って運営費を下げるのも、メンテナンスにやみくもにお金をかけるのも上手な方法とはいえません。やはり、上手くコントロールすることです。

 

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