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これからの賃貸需要は?

Q.所有している土地にアパート建築を計画しています。
建てるからには40年~50年は維持したいと考えています。
でも人口の多い大都市ではないので、将来に需要があるのかということと、ある調査で日本の人口は50年後に30%以上も減少する、と聞いたのが不安です。
これからの賃貸需要はどうなのでしょうか?

A.とても難しいご質問ですね。
新築される方だけでなく、既存の賃貸オーナーにも興味のある話題だと思います。

まず、大都市だから将来の賃貸需要は堅調で、地方は需要がなくなるのでは?という見通しは正しいでしょうか。
私は、大都市でも需要はあり、地方でも需要はあると思います。
ただ、大都市の需要は大きく、地方の需要は小さい、という数字の規模が違うだけです。
どちらにも需要はあり、これからもあり続けます。(大工場の閉鎖とか大学の移転などが重なるような事情があれば考慮は必要ですが)
だから、需要のある範囲で供給されるなら「借り手がいなくなる」と考える必要はないと思います。

地方都市の賃貸需要とは、法人や工場がある、学校がある、大都市のベッドタウンという要素がある、住む街として人気がある、などの理由で起こります。
土地を所有されている場所が「どちら」かは分かりませんが、その需要が大都市よりパイが小さいだけで「なくなる」のではありません。
賃貸住宅は、一時のブームによって需要が起こるのではなく、その地域で「必ず必要とされ続けるもの」です。
その事情は大都市も地方も変わらないはずです。

一方で、築年数が30年~50年を迎えて、取り壊される賃貸住宅が多くあります。
その取り壊される建物分の新築需要はあるはずですね。
もちろん、需要と供給のバランスについて慎重な検討が必要なのは言うまでもありません。

もうひとつは「50年で人口が30%以上も減少する」という問題です。
インターネットで調べると、「国立社会保障・人口問題研究所」というところが、「日本の将来推計人口」という数字を平成24年1月に発表していて閲覧することができます。
それによると、2010年から2060年までの50年間に、日本の人口は1億2800万人から8670万人に減少する、とされています。
その数は4132万人、率にすると32%の減少です。実に人口の約3分の1が、今後の50年で消えると想定しているのです。
(予想は低位、中位、高位とあり、中位の数値を採用しました)

ご質問では、50年の間に賃貸需要が3分の2になってしまうのではないか、ということを不安に思われているのですね。
これも「見方」を変える必要があります。

ご存じの通り、賃貸経営にとっての需要とは「人口」ではなく「世帯数」です。
同研究所では、2010年から2030年の20年で人口は約9%減少するが、世帯数の減少は約3%にとどまる、と発表しています。
人口ほど世帯数は減らないのです。その理由としては、「晩婚化」が進んだり「生涯独身」が増えることによる「独身世帯」の増加です。
もうひとつは「高齢の独身世帯」の増加です。
2060年には「日本人の40%が65歳以上」「世帯の3分の1は65歳以上の一人暮らし」というような怖い推計が発表されていますので、独身世帯の内訳が、現在とはガラリと変わりそうです。
「50年で30%減!」という数字だけに不安を覚えるのは正しくないのです。

Q.でも、空室率は年を追うごとに悪化していますよね。

A.仰る通りです。
人口ほどは減らないと言っても、賃貸需要としての「世帯数」が減少している間違いありませんので、「建てるとしても何を建てるか」は慎重な判断が必要です。
賃貸経営も以前より競争は厳しくなっていますから、創意と工夫を怠っては「負け組」となってしまいます。

地方は大都市と比べてパイが小さいですから、需要は確かに「ある」としても、供給を大幅に超えさせてはいけません。
建築を勧める営業担当の「いい話」ばかりでなく、「地域の需要と供給」、「これからの借主のニーズ」などのデータを要求した上で、相手の主張をしっかり聞いてからご決断ください。

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