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空室対策の一手 「借主の不満の芽を摘む」

毎月ひとつずつ、空室対策の考え方を紹介していくコーナーです。前回は「住めば住むほど得をする賃貸住宅」を考えました。今回は「借主の不満の芽を摘む」方法を考えましょう。

究極の空室対策は「退去させないこと」。借主の退去理由には、・転勤等の事情で他の地域に移る ・家族や収入が増えて広い間取りに住み替える ・マイホームを購入する、などの理由が考えられますが、これらは防ぎようがありません。一方で、現在の居住空間に不満を持っていて、それが理由で退去する借主もいますが、その場合は、「退去を防げる」可能性が残っています。どんな不満で退去を思い付くのでしょう。

他の入居者の方が条件がいい

同じ施設内で同じ間取なのに賃料が安い、とか、賃料は変わらないのに設備(エアコンなど)に差がある。新しく入居した人の方が、前から入居している人より条件が良いということは、賃貸住宅では「よく」あることです。これは前回に取り上げたテーマですね。10年前に40インチのテレビを購入した人は40万円くらい払っていますが、今なら10万円を切ります。でも、これに不満を言う人はいません。分譲マンションでも、3000万円で購入したものが、中古になって2000万円で売り出されたりしています。買った人はガッカリはしますが文句は言いません。しかし、賃料を払い続ける賃貸住宅は事情が違います。確かに、数年前は納得して契約したかもしれないし、その契約はまだ残っているかもしれませんが、いま、自分が「損をしている」と知れば不満を覚えるでしょう。これが退去につながるかもしれません。オーナーにとって確実なことは、この借主が退去すれば、賃料を下げるか、設備を追加しなければなりません。そして、空室で賃料の入らない期間が発生して、募集に伴う費用も出ていきます。どう考えても損失です。
この借主の「不満の芽を摘む」ためには、更新のタイミングで家賃を下げるか、設備の交換か追加をするか、別のサービス(室内清掃など)を提供することでしょう。借主が不満を表明する前に予告した方がいいですね。できるなら、家賃を下げるのは避けたいところです。

ルールを守らない入居者がいる

賃貸住宅は、様々な他人(ひと)が同じ棟内で暮らしますので、入居者からのクレームがゼロにはなりません。共同生活に向かない方の退去を止めることも出来ません。しかし中には、クレームを言わずに静かに退去していく善良な借主もいるかもしれません。こういう方には長く暮らしてもらいたいと思います。度を越した迷惑行為を繰り返す入居者は、たとえお客様と言えども注意すること、場合によっては退去をお願いすることも必要になります。善良な借主を守らなければなりません。

不便や不安を感じている

「駅から遠い」とか「望む施設が近くにない」という、立地や環境への不満は仕方がありません。オーナーに打つ手はないでしょう。でも、解決できる不満や不安もあります。たとえば「防犯面に不安を感じる」という想いを抱いている借主。女性の方に多い感性ですが、これが、オーナーの施設の弱点かもしれません。たとえ、入居者がすべて男性だとしても、その彼女や母親が不安を感じて退去を勧めるケースもあるでしょう。この弱点を補えば、それが「強み」になります。防犯面に限らず、エアコンやTVドアホンなどの設備で、弱点を強みに補えるなら検討してもよいのではないでしょうか。もちろん、費用対効果を考えることと、借主の「不満・不安」を正確に知ることが大切なのは言うまでもありません。

施設内が汚れ乱れている

共用部分が乱れている施設に、「いつまでも暮らしたい」と考える入居者はいないでしょう。チャンスがあれば「いつかは出ていきたい」と思っているはずです。

もっと良い条件の賃貸住宅がある

何かモノを買うときは、支払う料金とモノの価値が「見合っているか」検討するはずですね。賃貸住宅も同じです。家賃と物件の価値が「合っているかどうか」を、借主は時折り考えるでしょう。入居した時は「家賃と価値は見合っている」と判断したはずですが、2年経てば価値が下がることが多いのが賃貸住宅です。オーナーとしては、ご自分の物件を定期的に再査定、再評価することが大切ですし、そのために、ライバルとなる物件には目を配る必要があります。

退去につながる「不満」を知って、その「芽を摘む」ことを考えてみましたが、借主の「不満」のすべてに対応することは出来ません。中には「賃料以上の過大要求」もあります。経営者として「かけられない費用」もあるでしょう。ただ、解決できたかもしれない「不満」による退去もあったかもしれません。その頻度が少なくないとしたら、「空室対策の一手」として考えるべきなのではないでしょうか。

 

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