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オーナーへの空室対策提案 ~「退去を防ぐ」のも空室対策のひとつ~

空室対策は「空いた部屋をどう埋めるか」だけでなく「いかに退去を防いで稼働率を高く維持するか」に重点をおくべきです。
いくら埋めても出ていく人が多くては、稼働率は高くなりません。そのために「住めば住むほど得をする賃貸住宅」を作り上げることです。

普通の商売なら、何度も買ってくれる「リピート客」を増やそうとします。
ポイントが貯まる制度などを取り入れて、常連客を大切にしています。
毎月賃料を払い続ける借主さんは「もっとも確実なリピート客」です。
このリピート客を大切にしなければなりません。

入居したばかりの借主より、1年暮らしてくれた借主の方が得をする。
1年暮らした借主より、5年暮らしてくれた借主のほうが「より得をする」のが「リピート客を大切にする」という考え方でしょう。

しかし、現実は長く住んでる借主の方が「高い家賃を負担している」ことが多くはないでしょうか。
もしそうなら、得をするどころか「損してる」ことになり、その事に借主が気付けば、いずれ退去してしまいます。
この問題を解決しないと「高い稼働率を維持する空室対策」は実現できません。

和室のある貸室に、6年や8年も暮らしている借主に対して、畳の表替えを「一度もしてあげない」というのは、賃貸経営では珍しくありません。
あるいは、「エアコンなし」で4年間暮らした借主の隣の部屋を、次は「エアコンつき」で同じ家賃で募集することがあります。
4年間、毎月家賃を払い続けてくれたお客様が「エアコンなし」で暮らしているのに、今月から入居した借主は同じ家賃で「エアコンつき」というのは不公平ですが、これも賃貸経営では珍しくありません。
この「賃貸経営の常識」は、少しでも暮らしやすい賃貸住宅を求めている借主には通用しないでしょう。

空室を早く決めるために「人気の設備に投資する」というのは普通の考えですが、一方で「お客様が暮らしている部屋への投資を優先すべき」という考え方もあります。
つまり「新規客」も大事だか、それよりも「既存客」を大切にする、ということです。
既存客(借主)に退去されてしまえば、必ず空室による損失が発生し、募集のための費用負担も増え、場合によっては家賃が下がり、設備追加などの投資をしなければならないからです。
一方で、入居中の部屋へ人気設備を追加してあげれば、借主に喜ばれ家賃も下がらず、空室損失もありません。どちらが「上手なお金の使い方」と言えるでしょうか。

借主の不満の芽を摘む

貸室を退去する理由が、
・転勤等の事情で他の地域に移る
・家族や収入が増えて広い間取に住み替える
・マイホームを購入する、などの事情ならば防ぎようがありません。

一方で、現在の居住空間に不満を持っていて、それが理由で退去するなら、これは何とか防ぎたいものです。
では借主はどんな不満で退去を思い付くのでしょう。

他の入居者の方が条件がいい

10年前は40インチのテレビを40万円で購入しましたが、今なら10万円を切っています。
これに不満を言う人はいません。分譲マンションでも、3000万円で購入したものが、中古になって2000万円で売り出されたりしています。
買った人はガッカリはしますが文句は言いません。

しかし、賃料を払い続ける賃貸住宅の借主は事情が違います。
確かに、数年前は納得して契約して、その契約はまだ残っているかもしれませんが、いま、自分が「損をしている」と知れば不満を覚えて、それがやがて退去につながるでしょう。
オーナーにとっては、どう考えても損失です。

この借主の「不満の芽を摘む」ためのアイデアとして、数年ごとのタイミングで家賃を下げるか、設備の交換か追加をしてあげるか、別のサービス(室内清掃など)を提供する、などが考えられます。
どの方法が効率がよいか、真剣に検討すべきです。
もし実施するなら、借主が不満を表明する前に知らせた方がいいですね。
しかし、家賃を下げる方法は「出来るだけ」避けることをお勧めします。

ルールを守らない入居者がいる

賃貸住宅は、様々な他人(ひと)が同じ棟内で暮らしますので、借主からのクレームがゼロにはなりません。
共同生活に向かない借主の退去を止めることも出来ません。
しかし、他の借主の迷惑行為にクレームも言わず、静かに退去していく善良な借主も確実にいます。
こういう方には長く暮らしてもらいたいと思います。
度を越した迷惑行為を繰り返す借主は、たとえお客様と言えども注意すること、場合によっては退去をお願いすることも必要になります。
善良な借主を守らなければなりません。

不便や不安を感じている

「駅から遠い」とか「望む施設が近くにない」という、立地や環境への不満は仕方がありません。
あなたに打つ手はないでしょう。でも、解決できる不満や不安もあります。
たとえば「防犯面に不安を感じる」という想いを抱いている借主。女性の方に多い感性ですが、これが、あなたの管理物件の弱点かもしれません。
たとえ、入居者がすべて男性だとしても、その彼女や母親が不安を感じて退去を勧めるケースもあるでしょう。
この弱点を補えば、それが「強み」になります。
防犯面に限らず、浴室乾燥やインターネット無料などの設備で、弱点を強みに補える方法もありますから、検討の余地があるのではないでしょうか。
もちろん、費用対効果を考えることと、借主の「不満・不安」を正確に知ることが大切なのは言うまでもありません。

施設内が汚れ乱れている

共用部分が乱れている施設に、「いつまでも暮らしたい」と考える入居者はいないでしょう。
チャンスがあれば「いつかは出ていきたい」と思っているはずです。
オーナー自ら清掃していただくのがベストですが、体調や時間の問題もあるでしょう。
オーナーにコスト負担していただき、あなたが日常清掃を請け負うべきです。
結果的に空室が減って収入増につながるはずです。

もっと良い条件の賃貸住宅がある

何かモノを買うときは、支払う料金とモノの価値が「見合っているか」検討するはずですが、賃貸住宅も同じです。
家賃と物件の価値が「合っているかどうか」を、借主は時折り考えるでしょう。
入居した時は「家賃と価値は見合っている」と思って契約したはずですが、2年経てば「その分だけ」価値が下がるのが賃貸住宅の宿命です。
あなたが管理している貸室と同じ条件で、もっと価値のある貸室が地域に現れているかもしれません。
物件を定期的に再査定、再評価することが大切ですし、そのために、正確に評価してくれる専門家が必要です。

今回は「稼働率を高く維持するために退去を防ぐ」をテーマに考えてみました。
退去を防ぐためには、退去につながる「不満」を知って、その「芽を摘む」ことが大切なことは、ご同意をいただけると思います。
もちろん、借主の「不満」のすべてに対応することは出来ませんし「かけられない費用」もあるでしょう。
その中で「取捨選択」を判断するのが賃貸管理の難しさであり、また楽しさだと思います。
ぜひ、オーナー様にアドバイスして「良い賃貸経営」のサポートをし続けてください。

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