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オーナー座談会「増税された相続税への対処は?」

司会 今年(平成27年)から相続税が増税になりました。

A 相続税の増税は大きく2つですよね。「基礎控除の引き上げ」と「2億円超に対する税率アップと控除額の変更」です。

M 今までは、納税者が全国平均で4%程度だったのが、この改正で6%に増えると言われています。これは平均だから都心部はもっと高くなるでしょう。

Т 逆に、土地の評価が高くない地方での影響は、それほどでもないかもしれません。

司会 何か対策は打たれていますか。

A 対策とは言えないのですが、80歳になる親父に「財産明細書」をしっかり作っておいてほしい、と頼みました。

D 財産明細書とは何ですか?

M 相続財産がどれくらいあるのか把握しておかないと、手の打ちようがないですからね。言わば“財産の棚卸し”ですね。

Т たしかに、財産の明細書があれば相続税額の目安も分かりますし、誰にどう分けるかも考えやすいですね。その仕分けを、残された子供に任せられたら“争い”の元になってしまいます(笑)。

Y 具体的に明細書はどう作るのですか?

A 税理士さんにアドバイスされたのは、土地や建物や現預金などは分かりやすいのですが、株券や骨とう品類や会員権や貸付金など、本人でないと把握しにくいものもあるので明確にしておくことがひとつ。
さらに、これらの「プラスの財産」とは別に「マイナス財産」もある、というのです。

Y マイナスの財産とは?

A 借入金や税金の未払い金などですね。

D そうか、借金などの負債も一緒に引き継がなければならないのですね。

A さらに3つめの「みなし財産」というのもあると指摘されました。それは死亡保険金や死亡退職金などのことです。これらがすべてが合計されたのが相続財産となるワケですね。

Y たしかにこれは、ご本人でないと分かりにくいですね。亡くなったあとに家族で集計するのは大変でしょう。

A もうひとつ税理士さんに指摘されたのが、プラス財産の中に不良資産がないか、ということです。

D ん?どういうことですか?

M 空き家になっている家とか山林とか、管理されていない別荘とかですよね。売ることは難しいのに、固定資産税や維持管理費はしっかり嵩(かさ)んでいく財産です。

D それはマイナス資産なのでは?

M いえ、不良資産でも財産評価されて相続税が課せられますから、プラス資産ですね。

Т 空室だらけで修繕費が莫大にかかるようなアパートも不良資産ですね。

Y そういう不良資産は、財産明細書に加えるだけでなく整理しておくべきですね。

A 僕の家には昔からの懸念材料として底地(貸宅地)があります。親父が土地を兄弟で共有している問題もあり頭が痛い。

Т Aさん大変ですね。僕の友人の親父さんも、親戚が経営している会社に数千万円の貸付金があると言っていました。
貸付金はプラス財産なので相続税計算の対象になりますよね。返済してくれればいいけど、相続のあとに貸し倒れになったら大変です。
税金を払ったのに財産は紙切れになる。

Y プラス財産の中にも、相続後に難しい課題の残る財産があるのですね。

D 「もめ事の火種」ですね。

自宅を手放さなければならない!?

司会 今回の改正で評価額が高い地域に自宅を所有している人は、それだけで基礎控除額を超えてしまい、納税のために自宅を手放すケースもありそうです。

Y 相続で自宅を売るなんて大変ですね。

A そのようなケースを考慮したのか分かりませんが、「小規模宅地等の特例」が、今回の改正で条件緩和されましたね。

Y どんな点が緩和されたのですか?

A この特例は、一家の主が亡くなっても、家族の住居を維持したり、事業が継続できるように、最低限必要な部分の評価額を引き下げるもので、自宅と事業用の敷地の評価が80%も減額になるというものです。

M 5000万円の評価の敷地が特例を使うと1000万円になりますね。それなら税金を払わないで済むかもしれませんね。

A 緩和された条件は、居住に使われていた宅地面積が240㎡から330㎡に拡大され、住居用宅地と事業用宅地の上限面積を両方とも利用可能になりました。具体的には330㎡+400㎡で最大730㎡まで80%減額できます。

Т その他にも、二世帯住宅が完全分離型の外階段でも適用できるようになり、親が介護施設に入院中でも適用可となったようです。でも、これらの詳細は専門の税理士さんに相談した方がいいですね。

司会 この改正は増税だけでなく、自宅や事業用の敷地に対しては、評価を減額できるうに条件を緩和している部分もあるということですね。
相続は課税額への対策も重要ですが、「プラス財産の中の不良資産」があると、財産を引き継ぐ者への影響が大きいですね。
とても大きなテーマだと思います。有難うございました。

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