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お部屋探しの今昔物語

IT技術の進化で、賃貸のお部屋探しも変わりました。
今月はそんなお話しをしたいと思います。

 20年くらい前のお部屋探しは、現在はフリーペーパー(無料)になっている「賃貸住宅情報誌」が主流でした。
私たちは雑誌に帯情報を掲載するのに、手書きで原稿を書いていました。

掲載は原稿を書いてから約2週間後なので、お客様からお問い合わせがあっても、人気の物件はすでに決まっています。
そのとき営業スタッフは、「その物件は決まりましたが、他にも良い物件があるのでご来店下さい」と、来店を促します。
魅力的な物件を掲載しないと問い合わせが来ないので、すでに決まっていることが多くなります。
つまり、当時の住宅情報誌は「お客様から問い合わせの電話をもらう」ためのツールという意味合いが濃かったのですね。

例えば遠くに転勤することが決まった方は、近くの親戚から住宅情報誌を取り寄せたりしましたので、手元に雑誌が届いた時点では、私たちが原稿を書いてから20日近くが経っているという、なんとものんびりした時代でした。

 今のようにインターネットが無かった時代は、賃貸仲介業者が全ての情報を握っていたので、お部屋探しのお客様は住みたいエリアにある不動産業者に訪れて「お部屋を探してください」と依頼するのが一般的な方法でした。
賃貸仲介業者はお客様の希望をお聞きして、膨大な資料の中からなるべく希望に合う物件を探し出し、数件ご案内をします。後はお客様の反応を見ながら、気に入っていそうな物件をより強くお勧めすれば申し込みが頂けることも多かったのです。

当時は、自分の決めたい物件をうまくお客様に気に入ってもらい、申し込みをもらうことが出来る凄腕営業マンもたくさんいました。
お客様が自分の力で物件を探し出し、比較検討することが出来なかった時代だからこそ、営業マン個人の力量が発揮できる時代だったのです。

 ところがIT技術の進化に伴い、お部屋探しの方法は激変しました。
今は、「駅前の不動産屋さんにとりあえず来てみました」というお客様はほとんどいません。
皆さん、スマートフォンを使用して、徹底的に空室情報を調べています。
インターネットには沢山の写真が掲載されるようになり、動画まで見ることが出来ます。
写真の質も良くなり、水まわりなどの細かい部分もバッチリ見えますし、上手な人が撮影した空室案内の動画を見ると、その物件を実際に案内してもらったかのような満足感が得られます。
お客様はインターネットに掲載されている情報を見て、実際に見にいく物件をふるいにかけることが出来るようになりました。

 お部屋探しのためにお客様が不動産会社に訪問する件数も、昔と比べてかなり減っているというデータもあります。
昔は平均で5~6社の不動産会社を回ったものですが、現代は2社くらいしか回りません。
お客様は、不動産会社に訪問する前に、インターネットを使って徹底的に自分で物件の事を調べているのです。
自分の希望する条件の物件が多く出てくれば、お客様は条件をどんどん厳しくして調べなおします。

「エアコン付き」「2階以上」「駅にもっと近く」「もっと新しく」「もっと広く」と、ライバル物件があればあるほどお客様の要望も贅沢になります。
物件の情報は丸裸で、全て希望条件によって序列を付けられてしまいます。
募集する側にとって厳しい時代になったものです。

 しかし、こういう時代になったことを嘆いても仕方ありません。
この状況をオーナー様も大いに利用するべきだと思います。
まずはお部屋を魅力的にすれば、それがストレートにお客様に伝わります。
壁紙や収納や、入居者向けに施した細かな施策が、インターネットの画面から伝わります。
お部屋に込めたオーナー様の「想い」が、インターネットの画面から伝わるようになりました。

もうひとつの利点として、インターネットを使えば、今までよく分からなかったライバル物件のことを調べることが容易になりました。
ライバル物件の室内を見学することなんて、今まではなかなか出来ませんでしたが、今のインターネットには、ご丁寧に間取りの他、写真が何枚も掲載されているのですから。
そこで、ご自分の物件とライバル物件がどう違うのか、足りないところがあれば真似したり、良いところがあればそれをもっと強化していくこともできると思います。

 もしインターネットが苦手でしたら、息子さんや娘さんに頼んでみてはいかがでしょうか。
私たちに相談して下されば、喜んで一緒に調べるお手伝いをいたします。

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