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年内に手を打ちたい“空室対策”

今年も12月となり、多くの入居希望者が動く賃貸繁忙期も目の前です。いま空いている部屋、これから空く予定の部屋は、この期間に埋めなければなりません。
そして、その準備は来年になってからでは遅い場合もあり、年内から始めておくべきなのです。
物件や地域によっても“打つ手”は違いますが、いくつかの事例の中からヒントを見つけ出してください。

家具等を設置する

何も置いてないガランとした部屋は味気ないものです。その部屋を見て「住みたい!」と思っていただく為には、あらかじめ主要な家具をセットしておくと効果的でしょう。
分譲マンションのモデルルームや、住宅展示場の室内を見ていただければ分かりますが、売っているのは家なのに、料金に含まれない家具類が必ず設置されています。その理由は、家具類が物件の価値を高めるからですね。
モデルルームに家具類がなかったら、かなり売れ行きが違うのではないでしょうか。
賃貸の場合はモデルルームほどの高価な家具は置けないかも知れませんが、その部屋のグレード・賃料に合ったものを、なるべく安くセンス良く選べば良いと思います。
特に学生や若い独身層向けの部屋には、カーテンとテーブルと照明器具があるだけで、印象がぜんぜん違います。彼らは、これから家具を揃えるかもしれないので、「希望するなら家具付きで貸します」という戦術も使えます。
その場合は賃料の1ヶ月以内で揃えることがミソです。
明るめのカラーを使えば、部屋全体も明るく見えます。特に陽当たりや階数の関係で暗い部屋は、カーテンの色や照明器具で欠点を補うことができます。

初期費用で借りやすくする

賃料等の募集条件の決定は慎重にならざるを得ません。2年から4年くらい住んでもらえるとしたら、1000円2000円の違いでも、積もれば大きな差になります。少しでも高く貸したいが、借りて貰えなければ元も子もないし。賃料条件の設定には頭を悩ましますね。
先月の記事で、「実質賃料表示制度」というものを紹介いたしましたが覚えておられますか?
4年間で徴収する礼金、更新料、賃料、共益費を足して48ヶ月で割り、入居者の実質的な月額負担額を表す、というものです。
賃料7万円、共益費2,000円の賃貸住宅の場合、礼金2ヶ月・更新料1ヶ月の条件だと4年間での平均月額支払い額は77,833円となります。
入居者はこれが「高いか、安いか」を判断すればよいので、「礼金がゼロとか、更新料が取られるから」という目先の条件にとらわれないで済む、というアイディアです。
募集の賃料条件を決めるときに、オーナーもこの方法を採用してはどうでしょうか。つまり、月額の賃料がいくらほしい、という狭い範囲で見ないで、2年とか4年の間の総収入を月数で割った実質月額収入で判断しよう、という考えです。
そうすると、収入の大元になる賃料を下げるより、礼金などの一時金を下げたり、家具の設置に1ヶ月分の費用をかけたり、フリーレントという家賃のサービスを条件として付ける方が、総収入への影響が少ないというケースが多いのが分かると思います。
入居を検討しているお客様は、初期費用の負担額が多いか少ないかで判断します。
なので、賃料等の募集条件を決定するときの判断材料のひとつとして加えていただければと思います。

特徴のある設備を追加する

築年数が経過した物件は設備的にお客様のニーズに応えられないので苦戦をします。そこで費用をかけて設備の追加工事もやむを得ない、となるのですが、その場合は物件の入居者層に合わせた、特徴のある設備にしましょう。
ひとつのヒントとして、下記のようなアンケートがあります。
入居者に「絶対条件」として考える設備は何か、と問うたものです。その結果は、

<単身者の場合>
1位 ブロードバンド対応
「安いインターネット料金」「利用者無料」を呼び水にして入居者を獲得する物件が増えているといいます。2年連続の1位です。
2位 地上デジタル放送
対応済みが当たり前と考えている入居者が多く、引っ越しを機にテレビを買い替えたのに映らない、などのトラブルが増えているそうです。前年の5位から急上昇です。
3位 TVモニター付きインターホン
単身者、特に女性にニーズが高い設備。ドアを開けなくても相手を確認できる安心感は大きいです。中古物件の空室対策として後付けされることが多い設備で、オーナー側の費用対効果が高い防犯設備といえます。そのあとの順位は、
4位 オートロック
5位 シャンプードレッサー
となっています。

<ファミリーの場合>
1位 追い炊き機能
ファミリー物件では圧倒的な1位です。築10年を超えるファミリー物件には、この設備が付いていないものが多く見られますが、世帯規模にかかわらず絶対条件になりつつあるようです。
2位 地上デジタル放送
2011年のデジタル放送移行に向けて「地デジ対応していますか」は、必ず聞かれる項目になりつつあります。
3位 ブロードバンド対応
家に仕事を持ち帰りパソコンを使用したい社会人にとって必須項目のようです。そのあとの順位は、
4位 洗浄機能付き便座
5位 TVモニター付きインターホン
となっています。これらは「あったらいいな」ではなく、「絶対必要」とされていることに ご注目ください。
独身やファミリーによっても、男女や年齢によっても、必要な設備は異なりますので、物件の客層に合った特徴のある設備を選んでください。

外観に一工夫

出掛けるときと帰ってくるとき、入居者が毎日見るのが建物の外観です。
「いい建物だな」と感じるのと、「いつか引っ越したい」と思い続けるのとでは大きな違いです。その気持ちは物件を案内されたお客様も同じでしょう。
費用はかけなくても手間さえかければ、外観をよくする工夫があるはずです。
樹木や草花を植えて手入れをよくしたり、スポットライトひとつでも感じが変わります。冬にはイルミネーションを少し付けるだけでもお洒落な感じになるでしょう。

条件を緩和する

借主を募集するときには必ず入居条件を設定します。どんな人でも関係なく入居を許可すると、家賃の滞納や近隣とのトラブルに繋がりますから、条件があるのは賃貸経営として当然です。
しかし、条件によっては緩和することが可能か考えましょう、というのが、ここでの提案です。
建物も古くなってきたし、設備も現在のニーズに遅れているし、間取も和室中心で好まれない等、条件が悪いのは承知だが、さりとて費用はかけたくない、という事情もあると思います。
だからといって、賃料の値下げだけで対応していたらキリがありません。
そこで、今まで“不可”としていた条件の中で緩和できるものはないでしょうか。
例えばペットの飼育を条件付きでOKとする。
外国籍の方もOKとする。
※日本では外国籍の入居希望者を、「外国籍だから」という理由で断ってはいけないのですが、現実には敬遠する大家さんも多いのが実情のようです。
あるいは、
高年齢の方も条件付きでOKとする。
失職中であっても、条件が整えばOKとする。
などです。
これらの例は、トラブルや賃料滞納が起きる可能性が高いのでハードルを設けていたのですが、契約条件等の工夫でリスクを軽くして(ゼロには出来ませんが)、空室対策を優先する、という考え方です。
契約条件の工夫のひとつとして定期借家契約を活用する方法があります。
定期借家契約とは、ご存じのように定めた契約期間がきたら必ず終了するという契約制度です。
2000年に生まれましたが、賃貸住宅市場では活用されることが少ないのが現状です。
入居条件を緩和して、賃貸経営上のリスクが増大しそうなケースで、この定期借家制度の活用によって そのリスクを軽減します。
具体的な方法は、最初の契約期間を1年程度の短期に設定します。
契約期間が短いと借主が難色を示しますから、「再契約を前提」という条件を説明します。短期契約の場合には家賃保証会社の利用を免除することで入居者の理解を得ることも考えられます。
つまり1年間を問題なく経過すれば、貸主の不安は減り借主への信用が確立しますから、そこから先は2年ごとに再契約を繰り返せばよいのです。契約期間は3年ごとにしても、それは自由です。
言わば、最初にお試し期間を設けて様子を見ると、という方法です。
最初の期間で契約上の約束が守られない場合は「再契約に応じない」という条件を明確に説明しておけば、最悪1年間の我慢で退去を迫ることができます。

いくつかのヒントを紹介させていただきましたが、来春の繁忙期に優良なお客様とめぐり会えるように、今から打てる手は講じておきましょう。

 

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