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オーナー座談会 「賃貸住宅の防犯対策」

司会 今回は、『防犯対策』について、皆さんの意見をお聞きしたいと思います。
もし賃貸物件内に泥棒が入ったら退去者が続出して、賃貸経営が成り立たなく可能性もありますから大切な問題です。
皆さんは、どのような『防犯対策』を実行していらっしゃいますか。

G 防犯の三種の神器と言えば、「オートロック」「ディンプルキー」「防犯カメラ」ですね。分譲マンションの広告でも「防犯性が高い」として紹介されていますよね。

H ところが実際の防犯性はあまり期待できない、という話を聞いたことがあります。

Y ええっ。これらの器具を付けても意味がない、ということですか?

H 意味がない、ということではありません。それぞれに防犯効果があるのは確かなのですが、「この設備があるから安心できる」ということではないし盲点もあるようです。

A 僕も新聞記事で、「オートロックマンションを専門に荒らす泥棒」という記事を読んだことがありますよ。だからHさんが言われることが何となく分かります。

D 我々の賃貸物件の防犯対策というのは考え方が2つあると思います。ひとつは「宣伝文句」としての防犯。もうひとつは、入居者の安全を守るための「本当の防犯」です。

G 2つとも同じなのではないですか?

D オートロックが付いているというのは、宣伝文句として効果が高いと思います。特に女性の一人暮らしマンションなら、オートロック付は絶対条件で探す人が多いでしょう。

Y 僕も大学生の娘が賃貸に住む時にオートロックを条件に探しましたよ。

D 一般的な認識としてはその通りですよね。だから防犯設備としてオートロックは必要だと思います。だけどAさんが言われたように「オートロックは泥棒に狙われいる」という情報があるのも事実です。

Y なぜ、オートロックが狙われるのですか?

A 記事によりますと、プロの泥棒ならオートロックを破ることは簡単なのだそうです。多くはセンサーに反応してドアが開くシステムですから、扉の下から長めの紙などを差込むとか、いくつかの方法で開かせることは難しくないようです。
さらに泥棒にとって都合がいいのは、配送や集金の人がマンション内に入ってこないので、人と行き会うことが少ないので、安心して仕事ができる、ということです。 そしてもうひとつ、オートロックマンションの住人は鍵の施錠に無頓着になりやすい、のだそうです。

Y なるほど安心してしまうわけですね・・・・。それなら、やっぱりオートロックは不要なのではないでしょうか。

D でも、入居者は「オートロック付きマンション」を条件に探すのです。だから「宣伝文句」としての防犯対策なのです。ただ、私たち賃貸オーナーとしては「本当の防犯」を目指した対策を講じないと、司会者が言われた通り、ひとたび泥棒に入られると退去者が続出、ということになりかねません。

A ひとつ付け足させていただきますが、オートロックは「宣伝文句」だけではなく、防犯としての効果もあり、それは小さくはありませんよね。プロの泥棒にとっては簡単に入れるかもしれませんが、多くの素人にとっては抑止効果は高いです。やはり不特定多数の人が自由に出入りできるのは不安ですから。

D その通りですね。つまりオートロックに安心することなく、各戸の戸締りをしっかり行い、皆が高い防犯意識を持つことが大切だと思います。

Y ディンプルキーも安心できませんか。

G 玄関錠については少し詳しいのですが、基本は「ワンドアツーロック」以上ですね。つまり2つ以上の錠前を付けることです。それも同じタイプの機器をつけても一つの手口を2回行うだけになるので、違うタイプの機器による「ツーロック」が効果的です。
例えば、シリンダー錠と電子錠といった方式です。泥棒が見たときに「嫌だな~」と思わせることが大事です。

G 面倒だし費用がかかりそうですね。

D 費用はかかりますが、「宣伝文句」と「本当の防犯」を兼ね備えていますから、費用対効果はあるのでしないでしょうか。

A 不動産管理会社の担当者が言ってましたが、案内した時に、いまの話のような「ツーロック」等の効果的な設備があると、セールスポイントを強調できるので説得しやすいそうですよ。

G 泥棒の行動や手口を考えると、進入口は扉とガラス窓に限られるそうです。それなので玄関扉の次はガラス窓ですね。
防犯ガラスは高額な上に震災時などには内部からの非難が困難になり防災上問題があります。防犯フィルムなどの適度な強度で守ることが最善だと思います。
この場合、飛散防止効果や紫外線対策も同時に行えるので、セールスポイントも増えると思います。

A そしてもう一つ大切なことは、これらの防犯対策を講じていることを告知することですよね。「侵入防止対策済み」のステッカーを内側から貼り付けるとか。
そうすれば泥棒が犯罪行為に及ぶ前に未然に防ぐことができますよ。

司会 防犯カメラはどうでしょうか。

A エントランスやエレベーター前などに設置してあり、「防犯カメラ作動中」と表示してあると抑止効果は高いと思いますね。費用を下げるために、本物とダミーを混ぜて設置してもいいと思います。

Y 最近はカメラの性能も良くなって、画像も鮮明になっているようですし。

G 犯罪者の中には、防犯カメラの画像が公開されて諦めて自首した者もありましたね。

司会 Dさん、いかがですか。

D 確かに防犯カメラは「宣伝文句」としての効果はありますし、「本当の防犯」にも役立つと思います。
ただ、実際に犯行のあった共同住宅のビデオを見てみると、犯人は何もなかったかのように行動しているのが写っています。中には帽子をかぶったり、カメラから顔をそらしている者もいますが、まったく顔を隠さない者も少なくありません。
これは犯人が外国人窃盗団であった場合、ヒットエンドランで母国に帰ることができるので、顔が特定されることを、さほど問題にしていないからだと思います。
外国人窃盗団は特殊な例ですが、「防犯カメラ」の設置が犯行を諦める程度の抑止効果があるか、というと疑問です。

A オートロックと同じように、プロの泥棒にとっては絶対的な抑止効果にはならないということですか。必要ではあるが、要(かなめ)は各戸での防犯対策が一番確実ということですね。

D 「宣伝文句」としては抜群。
「本当の防犯」としては、過信するな、と言うことですね。
ただし、エレベーター内で行われる、婦女子に対しての悪戯行為を行う犯罪者に対しては抑止効果があります。彼らの多くが「気弱な人間」である場合が多いため、1階エレベーター付近にモニターを設置してエレベーター内画像を映し出すようにしておくと、自分の犯行を第三者に見られる可能性を感じて犯行を諦めるなど、防犯の効果が得られます。
駐車場に止めてある車に対して悪戯などを行う犯行は、怨恨によるものが多く、防犯カメラの存在を目立たせてより強調するような設置をすることで抑止効果がでるようです。

司会 泥棒から見て、「この共同住宅は防犯意識が高いぞ」と感じるのは、どんなところなのでしょうか。そう感じさせれば抑止できるわけですよね。

A プロは行き当たりばったりの犯行はしないので、必ず下見に訪れていると思います。その時に「手強いぞ」と思わせればいいですね。

H 一言でいえば、家主と入居者の防犯意識が高いことが大切だと思います。こんな事例は少ないでしょうが、例えば犯行前に下見に来たときに、我々の意識が高ければ、不審な人がいれば、「このマンションにご用ですか?」と声掛けができます。声をかけられた泥棒は顔を見られてますから、犯行には及びにくいと思います。

Y エントランスが汚れていたり、郵便ポストが乱雑になっていたり、 ゴミ置き場が乱れているのも良くない、と言いますね。入居者がルールを守らずにバラバラで暮らしているのが見え見えですから、防犯意識が高いわけがないと思われます。

G 我々家主が防犯意識を高めるのは当然としても、入居者にどうやって伝えたらいいでしょう。

D オーソドックスで地道な方法ですが、掲示板、ポスティング、訪問して伝える、等の方法を続けていくことが基本ですよね。
不動産会社さんにも契約時に、「防犯の心得」のようなものを説明してもらうといいですね。
G やはり重要なのは我々家主の防犯意識ですね。
建物内で盗難事件が発生するということは、盗難に遭った入居者の被害も大きいですが、さらに我々はより多くの被害を被るという認識が大事ですね。そして、それを防ぐために手間と費用を投資する覚悟が必要です。

A それは「宣伝文句」になるので空室対策につながります。
それだけで満足せずに、入居者と一緒になって「本当に防犯に強い共同住宅」にしていくことが大切ですね。

 

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