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空室対策の処方箋とは?

なかなか空室が埋まらないオーナーさんへのアンケート結果を見ると、
「任せている不動産業者が何も提案してくれない」という答えが上位にありました。多分その理由は、提案しても、一度断られると、それで諦めてしまう業者が多いことと、もうひとつ、「家賃を下げる」という提案しか「知らない」業者が多い、のではないかと思います。
空室を埋めるには、病気を治すのと同じで「処方箋」が必要です。その処方箋は「ひとつ」ではありません。病気を治す方法が、患者さんの状態によって異なるのと同じように、空室の処方箋は、オーナーさんの考え方によって「いくつも」あります。
もし、「お金をかけたり、面倒なことをやるのはイヤ。このままでいい・・・」というオーナーさんがいたら、「家賃を下げる」という処方箋は、ひとつの提案として仕方ありません。ただし、「家賃を下げるしか能がない」というのはどうでしょうか。
病状が悪化しているのに「飲み薬」しか与えない医者や、どんな病気でも、すぐに「手術」をしたがる医者がいたら、このような人を世間では「やぶ医者」と言うでしょう。では、「家賃を下げないで」空室を埋める処方箋には、どのようなものがあるのでしょうか。

たとえば、7万円で募集している部屋が「なかなか」決まらないので困っていたとします。そこで、家賃を5000円下げることを検討します。
もうひとつ、毎月の支払いが5000円分の借金をして、そのお金で、設備の追加やリフォームを実施することを検討したとします。(5年間の60回払いで金利2.5%なら約28万円が用意できます)
28万円あれば、水回り設備の入替えとか、壁紙の全面貼り換えとか、いろいろなことができますね。どちらも、オーナーさんの手元に残る「お金=キャッシュフロー」が同じなのは、ご理解いただけるでしょうか。でも、オーナーさんの資産価値は「全然」違ってしまいますね。
家賃を下げたら、資産価値が「それだけ」下がります。賃貸物件の価値は、その物件が「稼げる家賃」で決まるからです。
建物や設備に費用をかければ、資産価値は「その分」維持できます。手元に残るお金は同じでも資産価値に違いがでるのは、オーナーには大きいことです。

ここで大切なのは、28万円の費用をかけるとしても、「何にかけるべきか」の判断です。「エアコン」や「テレビ付きドアホン」や「浴室乾燥機」など、入居者の希望設備アンケートの上位に「必ず」並ぶ設備を追加する、とか。
「キッチン」や「トイレ」や「洗面」などの水回り部分で、特に「古さ」を感じさせるところを手直しする、とか。
ダイニングキッチンと和室を「LDK」に変更するとか。
あるいは、壁と天井のクロスを全面的に貼り換えるとか。
「どうするか?」の判断は、オーナーさんの物件の「間取り」や「タイプ」や「住んでいただくターゲット」によって異なります。提案する業者の「引き出し」が多いか少ないか、この提案によって分かります。

もちろん、28万円もかけないで「家賃を維持」して決められるかもしれません。
または、28万円かけたら「今より家賃を上げて」決められるかもしれません。

そしてオーナーとしては、
家賃を下げた場合と、
建物・設備にお金をかけた場合と、
このまま何もしないでいる場合と、
アドバイスを受けながら選択できることが望ましいのではないでしょうか。
そのような業者をパートナーにすることは、これからの賃貸経営に大きな力となるはずです。

お金をかけないとダメなのか?

さて、ここまでお読みいただいて、「結局、お金をかけるしか空室対策はないの?」という疑問を持たれたかもしれません。
もちろん「そんなことは」ありません。
実は、空室対策の中でも、特に重要な考え方として、「テナント・リテンション」というものがあります。テナントとは「借主さん」のことで、リテンションとは「長く住んでもらう」ことです。
つまり、借主さんの退去を、できるだけ抑止するために「行うこと」をいいます。
空いてしまった部屋を決めることは重要ですが、「空かせない」ことを考えるのは「もっと重要」です。
そのためにはどうするか?
たとえばオーナーさんは、温泉に行って、旅館に泊まることがあるでしょう。
「また来たいね」と思えるのは、どんな旅館でしょうか。
建物の外観や館内や室内が綺麗とか(決して新しいワケではありません)、スタッフのサービスが「行き届いて」いて気持ちがいいとか、「何回も来たい」と思わせる理由があるはずです。
賃貸住宅でも、「長く住んでみたい」と思っていただけるような理由を、少しでも提供できたらいいと思いませんか。
では、特別なことをやる必要があるか、というと、そうでもありません。
「気に入った旅館」は、きっと隅々まで、清掃が行き届いていると思います。古い建物でも、床や壁は磨かれていたと思います。
賃貸住宅でも、共用部分が「整理整頓」されていることは「長く住んでもらう」ための基本ですね。
旅館は毎日清掃していますが、賃貸住宅では週に一回でもいいでしょう。でも「月に一回の清掃」とか「気が付いたときにやる」というのはどうでしょうか。借主さんは「いつも汚れているな」と感じることでしょう。その想いは、「いつか機会があれば住み替えよう」という考えに発展するかもしれません。これを防ぐことは、空室対策として「とても」大事なことですね。

住めば住むほど得をする賃貸住宅とは

もうひとつ、借主が「長く住めば得をする」という仕組み、というのがあります。
たとえば、「エアコン」や「テレビ付きドアホン」の設置の話を書きましたが、あの設備は、空いた部屋を決めるためのものでした。でも、同じお金をかけるなら、「今、住んでいただいている」借主さんにかけた方が、「お金が活きる」のではないでしょうか。
そんな理由から、「2年以上住んでいただけたら〇〇の設備を設置して差し上げます」というのは「興味深い」アイディアだと思います。「4年目には畳を入れ替えます」とか「プロのルームクリーニングをします」とか。2年の更新の節目を、「住み替え」を考えるキッカケとするのではなく、「楽しみ」にしていただけたら、借主さんの居住期間が伸びるのに「役立つ」のではないでしょうか。

空室対策の処方箋は「ひとつ」ではありません。「家賃を下げることだけ」でもありません。オーナーさんの考え方によって選択肢は「たくさん」あります。
オーナーさんのご事情を確認して、提案してくれるパートナーがいれば、これからの賃貸経営に大きな力となるでしょう。

 

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