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オーナー座談会 「定期借家契約を考える」

司会 定期借家契約は2003年3月から施行された制度ですが、居住用の賃貸借契約においては浸透していません。
本日は、オーナーさんの立場で、この制度をどのように考えていらっしゃるか、あるいは、どのように活用されているかをお聞きしたいと思います。

A この制度を使ったことは一度もありません。業者さんからも勧められませんし。

S 僕も同じです。契約書類などが面倒になると聞いたこともあります。

D そうですね。定期借家にすると「部屋が決まりにくい」とも聞きましたし。

F 僕たちは「期間限定」で貸す必要なないので、手間が増えるし部屋も決まりにくいなら、わざわざ採用する必要はない、ということですかね。

G 同じく・・・・です。

司会 皆さん、定期借家には否定的なのですね・・・。

A 否定的というよりも、メリットが分からないです。デメリットはあるみたいですしね。

H あの・・・ちょっといいでしょうか。僕は、築12年28室のマンションと、築22年の木造アパートを所有していますが、10年前から、すべて定期借家契約にしています。

S すべて定期借家ですか。10年前から!?

D 部屋が決まりにくくはないですか?特に木造の方は・・・

H 「部屋が決まりにくい」というのは、ほとんどが誤解だと思います。ただ、皆が誤解しているので、そこを解いていかなければなりませんけど。

司会 どういう意味ですか?

H なぜ、決まりにくいか、というと、一定期間しか住むことが出来ない部屋よりも、好きなだけ住むことのできる物件の方が、借主が選ぶだろうから、という理由なんです。

D つまり、定期借家だと選ばれない、ということですよね。

H そうです。でも、Fさんも言っていたように僕たちは「期間限定」ではなく、ずぅーっと住んでもらいたいわけですから、たとえ定期借家でも長く住めるんです。
そのことを借主さんに分かってもらえば問題はありませんよ。

A 定期借家なのに長く住める・・・・・・・? でも「定期」というくらいだから契約期間は「定期」でしょ。ワケが分からなくなっちゃったけど(笑)

H 僕の場合は2年契約で、その後は「再契約」を繰り返していきます。皆さんが行っている「更新」と同じような感覚ですね。

G 僕は関西なので自動更新です。

H あ、そうですね。関東や京都、滋賀県以外は更新をやらないので、その場合は、2年ごとに契約手続きの手間が増えるのは確かです。

S ちょっと待ってください。整理させてもらいますけど、2年ごとに契約するなら、定期借家にする必要はないのでは? 僕たちがいつも行っている「普通借家契約」で更新すればいいのではないですか?

H そこが違うのです。更新だと、僕たち大家は拒絶することができないんですよ。借家法の「法定更新」や「正当事由制度」があるので、普通借家で契約すると、大家側からの契約解除はほとんど認められないでしょ。

A 確かに・・・・。

S でも、賃貸経営をしていく上で、僕たちが更新を拒絶したいことなんてありますか? 転勤で自宅を貸すなら分かりますけど。

D いやSさん、ありますよ。僕はルールを守らないで騒音を出す借主に、出て行ってもらうのに苦労したことがあります。出て行ってもらわないと、まともに暮らしてる借主さんが退去してしまうので。

A そんな悪質なケースでも、契約解除や更新拒絶しようと思ったら、相当の証拠と証言を用意しないと裁判所も認めてくれないんですよね。確かに・・・

S でも定期借家なら?

H 定期借家なら、再契約に応じなければいいんです。そのようなルールを守らない場合は「再契約を拒否する」と契約書に書いてありますから。

D 定期借家制度には「法定更新」や「正当事由制度」はありませんからね。

H だから、まともに暮らしてくれる借主さんにとっては、「ルール破り」が排除されていく定期借家の方が「住みやすい物件」という理屈になるのです。

司会 その借主さんの誤解を解けばいい、ということですか?

H そうです。その前に、貸主側と業者さん側も、同じ認識に立たないと始まりませんけどね。

A ああ・・・、借主さんだけでなく、皆が誤解しているんですね。

S 契約書類が面倒になるのは?

H 確かに、そうだと思います。僕たち貸主側からも説明書が必要になっていますし、Gさんのように「合意更新」をやらない地域は、2年ごとの契約という手間が「まるごと」増えることになりますね。

S 僕たちがもらっている更新料は?

D 「再契約料」と名前を変えるわけですね。

H ええ、その通りです。木造アパートの方は戴いていませんけど。

司会 そうすると、定期借家のメリットは、1.不良入居者を合法的に退去させることができる。

2.として、借主さんも、ルールを破る人が出ていくので、快適に暮らせる物件になる。 ということでしょうか。

H もうひとつ。木造の方は

築22年なので、7~8年後には建て替えが必要かもしれない。だから、「〇年以降は再契約を保証しない」と謳ってあります。

司会 そうすれば立退き料の負担がない、ということですね。それは大きいですね。

そしてデメリットは、契約書類等の手間が増える、ということですか。

H はい。それに周囲の誤解を解くのにエネルギーが必要、ということですかね(笑)

司会 皆さんはどう思われましたか?

A いいと思いますが・・・大きなエネルギーが必要ですね。

D 借主に正確に理解してもらうところが「鍵」ですね。

司会 有難うございました。

 

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