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床屋に行くのも命がけ

あなたが出張中に「床屋さん」に行くことになった、と思ってください。
時間が余ったし、髪が伸びていることが気になるからです。
もちろん、初めていく「床屋さん」です。

あなたが案内された椅子に座っていると、
「よろしくお願いします・・・」と挨拶して、後ろに青年が立ちました。
鏡越しに見ると歳は20代前半のようです。
しかも、心なしか、緊張した面持ちに見えます。

あなたは「よろしく」と言いながら、ちょっと聞いてみたくなりました。
「なんか、緊張してない?」
すると彼は、
「ええ、僕・・・・生きた人間の頭を刈るの、初めてなんですよ」
(エエっ!死んだ人間の頭は刈ったことがあるのかい!)
と心の中で思わず突っ込みを入れますが、
練習用の人形で刈ったことはあるけれど・・・・という話ですよね。
つまり今日が「本番のデビュー戦」なんだな・・・と、あなたは理解します。

あなたは平静を装って「ああそう。今日がデビュー戦なんだ」と言います。
でも心の中では、しまったな、と思っています。
ま、しかし、誰でも人生でデビューはあるワケだし、ここは彼の門出のために犠牲になろう。
「髪の毛はまた生えてくるしな」と自分に言い聞かせます。

でも、彼の態度がどうしても気になるので、再び質問します。
「でもあれでしょ。ちゃんと学校行ったし、国家試験も取ってるよね。
掃除やシャンプーやカットの練習を何ヶ月も積み重ねて、
今日、マスターからゴーサインが出たんだよね」

彼は少し考えてから、申し訳なさそうに、
「いえ、ハサミを持つのも今日が初めてなんです」
よく見ると、ハサミを持つ手がガタガタと震えていました。

「冗談じゃないよ!」
と、あなたは店を飛び出すでしょう。
そんな「床屋さん」はあり得ません。
映画の『スウィーニー・トッド』ではあるまいし・・・。
ではもうひとつ、
あなたが知らない街で賃貸アパートを探しているとします。
そして、駅前の不動産会社に飛び込みました。

あなたが案内されたカウンターに座っていると
「よろしくお願いします・・・」と挨拶して、青年が前に座りました。
よく見ると、歳は20代前半のようです。
しかも、心なしか、緊張した面持ちに見えます。

あなたは「よろしく」と言いながら、ちょっと聞いてみたくなりました。
「なんか、緊張してない?」
すると彼は、
「ええ、僕・・・・生きた人間にお部屋を紹介するの、初めてなんですよ」

これは冗談です。

「ええ、僕・・・・入社して3ヶ月で・・・まだ慣れていなくて」

「ああそう。デビューしたての新人さんなんだね。
それじゃ頑張って、いいお部屋を紹介してくださいね」
まあ、別に問題はないな、とあなたは思います。
部屋を紹介するのに、それほどの経験差もないだろうし・・・。

でも、彼の態度がどうしても気になるので、再び質問します。
「でもあれでしょ。ちゃんと道は知ってるでしょう。
僕は初めて住む街だから、道を教えて欲しいし」
「いや、まだ3ヶ月なんで、道はあまり知らないのです・・・」
(冗談でしょう、と思いつつ)
「あ、でも、スーパーとかコンビニとか、
この街の施設についても知りたいんだけど」
「いや、まだ3ヶ月なんで・・・・」
「でも、お部屋の事はたくさん知ってるんだよね」
「まだ3ヶ月なんで・・・」

「冗談じゃないよ」と
あなたは店を飛び出す。(ま、店は飛び出さないだろうけど)

 

ハサミを持つ手が、緊張で震える「床屋さん」はあり得ませんね。
でも、道も、街の施設も、
下手すると物件の事も知らない「賃貸仲介スタッフさん」は、あり得るのです。

お客さんは、「どちらもお断り」です。
道を知らない人に、カウンターの中に座っていてほしくない、と思っています。
僕は仕事柄、入社して3ヶ月くらいの新人とよく会います。
「どう、仕事覚えた?」
「いやー、まだ道がよく分からなくて」

入社して3ヶ月たって「道を知らない」と平然と言われると、
思わず「延髄(えんずい)蹴り」を食らわしたくなります。
(そんな技、僕は持っていませんけど)
「この3ヶ月、何をやっていた?」と聞きたくなりませんか?

あなたの会社の新人で、このようなことはありませんよね。
僕は、賃貸仲介の新人向け研修で、
「道は1ヶ月で覚えてください」と言います。
そのために最大限の努力をせよ・・・と。
その気になれば、1ヶ月で道は覚えられます。
ただし、
「会社は、あなたが道を覚えるためだけに時間はくれないし、車も使わせないよ。」
と付け足します。
当然ですよね。それだけのために給料を払ってくれる会社はありません。
仕事をこなしながら、工夫して、「1ヶ月で道を覚える」ことを目標に行動しなさい。

そのためにどんな工夫があるか・・・を、
いくつか提案しています。
『ネットに掲載する物件の写真は「すべて自分が撮ります」と手を挙げなさい』

ひとりで現場に行って、外観や室内の写真を撮ることは、
道と物件を覚えるのに、とても役に立ちますね。
午前中で5件とか10件とか、時間とセットで目標を立てます。
『地域の施設の写真を、あなたがすべて撮りなさい』

ネットからの反響を増やすために、周辺環境の情報を掲載することも重要です。
スーパー、コンビニ以外にも、学校とか幼稚園とか、公園や駅前の写真なども。
これらの写真を撮影すると、道と地域の施設を覚えるのに、とても役に立ちますね。
『管理物件の募集中の部屋を、掃除して回りなさい』

募集中の部屋は、定期的に掃除してますよね。(やってますよね?)
これを「すべて自分がやります」と手を挙げるのです。
ダラダラやったのでは困るので、「一部屋30分」とか時間を決めます。
報告書を兼ねたチェックリストも用意します。
報告書の冒頭に「この部屋のセールスポイントを3つ述べよ」と設問しておきます。
「部屋の見かた」が真剣になります。
『自分専用の地図を作りなさい』

住宅地図を50%くらいに縮小して張り合わせた「自分専用の地図」を持ち、
地域を回って得た情報を、すべて書き込んでいくのです。
人は、何かに書いた方が記憶に残りますから。
『カーナビを使うのをやめなさい』

上記の各作業をするときは、カーナビに頼らないことです。
カーナビに頼ると道を覚えませんよね。
最近のタクシードライバーの多くも、カーナビに頼っているようです。
昔は、東京のど真ん中から、
神奈川でも、埼玉でも、千葉でも、
どこを指定しても、「はいよ。〇〇経由で行くね」と返事をしてくれたものです。
そういうプロのタクシードライバーが減りました。
(ガラは良くなりましたけど)
『休日は「わが街」で過ごしなさい』

もしかしたら、自分が紹介する街で「暮らしていない」新人も多いでしょう。
それは仕方ないことです。
でも、街のプロになるまでは、休日は「その街」で過ごすべきです。
その街のカフェでお茶を飲み、
その街の本屋で本を探し、
その街のスーパーで食品を買う。
「街を知っているプロ」になるためには、当然の行動だし投資だと思います。

 

あらゆる意味で「街を知っていること」は、
リーシング担当にも、
プロパティマネジメント担当にとっても、
大前提なのです。

あなたのところの新人は、
1ヶ月で「道の達人」に、
3ヶ月で「街を知ってる達人」に仕上っているでしょうか。

 

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