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44人が敷金の返還を要求
10月22日、退去時に原状回復に充てる費用として不当に敷金を差し引かれた、として40人以上の入居者グループが一斉に提訴した。それぞれ民法や消費者契約法にのっとり、敷金の違法性について指摘してきたのだ。さらに、これはまだ第1弾にすぎず、現在準備中のものも多いという。提訴に至るまでの経緯をリポートする。
今回の一斉提訴は、大阪弁護士会に所属する弁護士が敷金の精算について調べたことから始まった。この弁護士が「消費者に不利な契約は無効」としている消費者契約法が賃貸借契約においても適用されるということに気が付いたのである。
これに基づき、今年の7月に弁護士、司法書士により構成された「敷金問題研究会」では9月上旬に「敷金返せ110番」という電話相談を開催した。すると1日で250件の問い合わせがあり、さらにその後も50件ほど相談の電話を受けた結果、300件を超える案件が集まった。そこで、集団提訴することにしたのだという。10月22日に発表されたのがそのうち提訴のための準備が整っていた42件だ。
大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県の合計12地裁・簡裁において合計44人が一斉に提訴し、総額で1750万円の支払いを求めた。彼らは5年以内に退去していた人々で、退去時にリフォーム費用として最低10万円から最高で162万円を敷金から差し引かれたり、追加請求されたケースだという。
今回の裁判の原告は賃貸住宅の元入居者。彼らはそれぞれ退去時に原状回復やリフォームのために不当に高い金額を敷金から徴収されたと考えている。訴える際に「敷金問題研究会」の弁護士を代理人に立てているケースもある。
一方、訴えられているのは契約のもう一方の当事者であるオーナーだ。訴えはそれぞれ「民法」「消費者契約法」「特定優良賃貸住宅の供絵の促進に関する法律施行規則」「住宅金融公庫法施行規則」などの法律に基づいている。
また、半数を超える提訴が住宅金融公庫や住宅供給公社が関与している物件でのトラフルだ。残りの事例についても準備が整い次第、提訴していくという。また、今回、関西の敷引き制度については触れていないが、今後は敷引きについても提訴を検討するという。
国民生活センター(東京都港区)によると、敷金精算についての相談は年間約1万件あるという。そのうち、7割強が敷金精算額への不満、2割強が敷金以上にリフォーム代がかかっていることについてだという。賃貸住宅に関する質問はほとんどがこの問題だという。
「相談してくる人のほとんどが原状回復のガイドラインについて知らないというのが現状です。こちらではガイドラインの説明と少額訴訟のことをお話ししています」
今回の提訴が大きく報道されて、入居者側の敷金に関する知識や関心が増していくことが考えられる。経営する側としても、現状の認識と対策を真剣に考えていく必要があるのではないだろうか。
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