外国人入居者、契約ルールの確率を



 グローバル化の進展は、着実に不動産業界にも外国人入居者の増加という形で影響を及ぼしている。国内で正式に登録している外国人数は、150万人〜160万人で全人口の約1.2%相当だ。しかし、言葉の問題や保証人不在、更新料への無理解など文化の違いによるギャップが依然存在する。今後とも増加はしても減少することは考えにくい、外国人との関わりをまとめた。

 現時点で外国人の入居者に対応している賃貸管理住宅のオーナー、管理会社は、全体数から見る限りほんの一握りと表現していい状況だろう。外国人入居者に関する日本賃貸住宅管理協会のアンケート調査によると、受け入れにくい理由の第一は日本人の保証人が不在、という回答だった。続いて家主が敬遠する、連絡先不明と続き、トラブルが起きた時の対処法が明確でない点に不安を感じている様子がうかがえる。

 確かに、日本人に対しても保証人の不在は入居契約に結び付きにくいという現状では、身元が明確にならない外国人を受け入れる賃貸住宅は少ないだろう。しかし、身元がしっかりしていても「受け入れたことがない」という理由で断るオーナーも多々いる。
 外国人入居の問題点を、実績のある業者に聞くと、言葉、習慣の違いが影響するという。意志の疎通が不満足だと、日本人同士なら一言ですむ内容がトラブルに発展しかねない。また「更新料をなぜ払うのか、質の高い入居者が継続入居するならば、次年度は割引してもいいのでは」とか、「契約者が部屋をどのように使おうと自由のはず。だから知人と共同で生活する」などという習慣の違いも見逃せない。

とはいえ、これらの問題の多くは入居時に契約さえしっかりしておけば大部分は解消できる。受け入れ側が居住条件を鮮明にし契約という概念を前面に打ち出しておけば回避しやすいようだ。

 また、言葉の問題も中国や韓国を本国とする入居希望者は、日本語をマスターしている比率が高いという。外国人のなかに占める両国の割合は80%以上と多いため、懸念するほどではないという。とはいえ、急に異言語を話す入居者が来たら戸惑わざるを得ないだろう。そこで、来店受け付けカードを中国語や韓国語、英語などで作成しておき、同カードを活用しようとする研究も進んでいる。

 一方、経済格差が障壁となっている場合もある。例えば、海外からの留学生と日本の学生がイメージしている家賃相場を比較すると、希望する家賃で15000円〜30000円の違いがある。自ずと物件も限られてしまう。外国人に積極的に対応しようとしても、賃貸管理会社にとっては、低賃料の外国人専門の物件管理では経営が成り立ちにくい、ということになる。賃貸物件は、空室率が徐々にだが高まりつつある。管理会社は、空室のまま置くよりは、日本人と比較して手間が掛かる外国人でも入居したほうが経営に寄与するという状況になりつつある。

そこで“きちんとした受入れ態勢”を整えることで少しでもリスク低減するという取り組みが重要になるだろう。大都市圏を中心に優良外国人入居者との共生が賃貸住宅にとって避けがたい時代とも言えそうだ。