着工戸数伸ばす賃貸住宅



 建築着工統計によると、貸家だけはコンスタントに戸数を伸ばしている。家賃相場も、ここにきて上昇傾向にある。ただ、借り手市場であることは変わらない。市場には空室は多く、経営が不安定な物件も多いのは事実。満室で、空待ちという物件は、設備が整った新築、立地条件のよいもの、入居条件のよいものなどに限られている。ユーザーニーズにマッチしていない賃貸住宅のオーナーは、何らかの解決策を講じる必要があるだろう。

8ヶ月連続で前年比増

 住宅市場全体が縮小傾向にあるなかにあって、賃貸住宅だけは増加が続いている。
 国土交通省の建築着工統計調査報告によると、2月の新設住宅着工戸数は、持家が15カ月連続して減少しているものの、貸家が8カ月連続して増え、分譲住宅も2カ月連続増となったため、8万5775戸と前年同月比で2カ月連続して増加した。

 このように、貸家だけは2月も2万9394戸と前年同月比で7.1%増えており、とくに民間資金によるものは2万3180戸と同10.2%増え、13カ月連続して増加している。平成13年4月から14年2月までの累計は41万1803戸となり、貸家だけは確実に増えている。

新築増が家賃を底上げ

 このように、貸家が増えている要因は、ひとつは大手のハウスメーカーが賃貸住宅の受注に力を入れていること。そして、もうひとつは、今年1月1日時点の公示地価が92年以来11年連続して下落し続け、地価の下落が一向に衰えず、しかも住宅建築費も値下がり傾向にあるなかで、家賃水準だけは横ばいで推移しているため、土地所有者は賃貸住宅経営を資産運用手段として重視していることである。

 最近の家賃相場の動向をみていこう。住宅新報社は毎年2回、全国のアパート家賃相場を調査しているが、直近の2月の調査によると、首都圏では1LDK、2DKとも昨年8月の前回調査時点に比べ上昇に転じているという。両タイプがそろって前回比で上昇したのは99年2月調査以来3年ぶりだが、昨年、貸家の住宅着工戸数が前年比で増加していることからも分かるように、新築が増えていることが家賃相場の底上げにつながっているようだ。