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これからは安全を売る時代
警察庁の「平成14年の犯罪情勢」によると、住宅を対象とした侵入盗事件の認知件数は98年には12万3863件だったものが02年には18万9336件へと増加している。賃貸マンションやアパートの管理会社では、ピッキング被害が多発した2,3年前に一斉に対策された鍵に交換しているところが多い。また新築物件には初めから対応できるものを取り付けているようだ。しかし、ピッキング被害が減少しても、カム送り、サムタン回しなど次々と手口が変わり、イタチごっこになっているのが現状だ。
しかし、最新設備への更新に積極的なオーナーや管理会社は少数派、依然として対策が施されていない物件も多いのが現状だ。ある管理会社の社長は「祉会問題になっているような鍵を住宅の設備として使用するのは問題。オーナー・管理会社の責任として、開錠されにくいとされている鍵をつける責任がある。また、契約時にはどんな鍵が付いているのか、現在の鍵の管理状況はどうなっているかも説明する義務がある」。住宅設備のひとつである鍵に社会的に見て欠陥があれば、入居者の信頼は得られないとオーナー・管理会社の意識改革を促す。
ただ、管理会社が防犯を強化しようとしても、オーナーの理解をどう得るのかという問題もある。現段階ではオーナーの防犯に対する意識は低いという。新築時には受け入れられるが、築年数がたった物件に関しては、鍵支換に伴う費用を嫌うオーナーが少なくない。「対策をしていかないと入居率がさがることを説明する」「外壁を直す機会に併せて提案する」「オーナーを集めて講演会をすることで意識を高める」など、各社とも様々な工夫でオーナーの理解を得るのに懸命だ。
ピッキング、カム送りなど、玄関からの侵入が話題になるが、実際の侵入経路としては窓ガラスを壊して入るケースがほとんど。被害を防ぐには設備だけでなく、入居者の意識が伴わないと効果がないのも事実である。「窓にはシャッターをつけている。外出するときに閉めることで被害を防ぐことができる」(S管理)。「入居者に広報紙を配り、現状や防犯グッズの紹介をするなど呼びかける」(H社)といった対策を取る管理会社もある。
「これからは、安全を売る(買う)時代になるだろう」と東急ハンズなどで、防犯グッズが売れているのも事実。
「借り手市場の今、防犯対策されていない物件は選択外になっていく可能性が高い。安全対策イコール空室対策という視点で、オーナーにピッキング対策や防犯対策を求めるのも、これからは必要ではないか」とある業者は話す。
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