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「最高裁で「敷引き特約有効判決」のその後」

最高裁が3月24日に下した「敷引き特約有効の判決」は、オーナーに“朗報”となるのでしょうか。

「敷引き制度」「関西」限定か

「敷引き制度」は、主に関西圏(中部・九州の一部も)で利用されている制度です。しかも、近年は「礼金・敷金」が主流となっています。「敷引き」契約そのものが「無くなっていく」運命にあるので、今回の判決が「敷引き制度限定」なら、与える影響は小さい、でしょう。

「礼金敷金制度」にも関係するか

そうではなくて、最高裁の判決の主旨は、「原状回復費用負担の考え方」を示したもので、「礼金敷金」や「敷引き」などの「制度」を限定していない、としたら、礼金制度に置き換えて検討することに意味はあるでしょう。

そこで、最高裁の判決の主旨を整理してみました。次のようになります。
・自然損耗の補修費用は貸主が負担すべきである
・特約に、自然損耗の補修費用を借主に負担させることを書いて、借主も同意しているなら、その特約は有効である
・特約を有効とするには、借主が負担する自然損耗の補修費用の額は、通常想定される範囲内でなければならず、礼金や更新料などの一時金の有無などとも照らして高額過ぎてはならない
つまり、
①しっかりと記載した特約に借主から同意の署名をもらい、
②借主の補修費用の負担額は家賃の2~3ヶ月以内で、入居期間も考慮したものである
という「2原則」になるようです。
この原則に当てはまっているなら、今後はトラブルになることは少ないのではないでしょうか。

最高裁で争われた賃貸借契約の条件を「礼金敷金」に当てはめると、
礼金20万円・敷金20万円
となります。
礼金は返さず敷金は“故意過失”がなければ、全額を返す、という条件ですね。これなら「まったく」問題にならないし、裁判にもなりにくい、でしょう。

関東では「礼金ゼロ」が増えているという事情があります。
その場合、礼金ゼロ・敷金20万円・敷金償却10万円なら、問題はないのではないかと思います。
※敷金償却は敷引き金と同じです。
しかし、20万円の敷金を全額償却するのはトラブルの種を残すかもしれませんね。

“国土交通省のガイドライン”や“東京ルール”の考え方(自然損耗は原則貸主の負担)が、色々なカタチで普及しています。契約時に徴収する初期費用も少額となる傾向にあり、借主獲得のための「条件競争」も激しくなっています。つまり、賃貸募集の現場は、すでに「消費者寄り」になっています。
今回の判決を受けて、礼金や敷金償却を増やしても、消費者が借りてくれなければ元も子もない環境になっています。
そう考えると今回の判決には、オーナーに「朗報」をもたらすほどのインパクトはないのではないか、と思います

 

 

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