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オーナー座談会「繁忙期への対応について」

司会 2015年の春を迎えました。「繁忙期」と言われる時期ですが、皆さんは、どのように準備されていますか。

E 30戸のうち空室が3部屋ありますが、遅くとも3月までには埋めたい、と考えています。

司会 そのためには何をするのですか?

E 家賃は下げたくないので、管理会社の提案通りに、エアコン等の設備と内装に手を加えました。

司会 それで決まりそうですか?

E 良くなりました。これなら決まるのではないかと思っています。

F 僕も、いくつか空室を抱えているので、繁忙期のうちに満室にします。築年数の古い方は、基本は家賃の値下げで、もうひとつの築15年は、Eさんと同じで、少し手を加えて「物件力」を上げようと計画しています。

S とにかく繁忙期は、多くの入居希望者が来ますから、この時期に満室にしたいですよね。繁忙期は「お客様が来る」のではない?

A 実は・・・・、繁忙期とは、多くのお客様が「来る」のではなく、ただ「動くだけ」というのが正確だと思います。

S 「来る」のではなく「動くだけ」。どう違うのですか?

A  仮に、私の街に賃貸物件が1000あるとします。そんなに少なくありませんが、分かりやすくするために、そう仮定してください。1000戸のうち、入居しているのは800の借主で、200戸が空室です。これが、全国の賃貸の状況ですよね。

M 平均の空室率が20%ですか。キビシイですね。

A 繁忙期とは、ここに200の借主が現れて、1000戸がすべて満室になるワケではありません。たとえて言うなら、
100の借主が退去して他所(よそ)に移り住み、新たに100の借主が現れて、
300の空室の中から、自分が暮らす部屋を選ぶだけです。800の中の100が入れ替わるだけで、総数は変わりませんから、
空室は200のままです。繁忙期に日本の世帯数が、突然に増えるワケではありませんから(笑)。その「動き」が、新入生や新入社員や転勤などによって、繁忙期に「多く起こる」というだけのことです。

M なるほど。「300の空室に対して
100の借主」というのは、キビシイ生存競争ですね。

A ですから、EさんやFさんのように、設備や内装などで「物件力」を上げておくのは正しいのですが、「動く」ということは、我々の部屋の入居者さんも同じように動く可能性があるので、気を付けなければなりませんよね。

E 僕らのように空室を抱えているオーナーにとっては、この「大量移動」のときに部屋を埋めるチャンスではあるけれど、入居中の借主の「移動」はできるだけ阻止しなければならない、ということですね。

F それと、「300の空室に対して100のお客様」という、キビシイ戦いを理解したうえで、備えなければなりませんね。

E さっきは「自信がある」みたいに言いましたが、もう一度 物件力について検討し直した方がいいかな(笑)

S 移動・・・・つまり、入居者の「退室を阻止する」と言うけど、そんなこと出来るのですか?

M まず借主さんに「4月までに引越しをする予定があるか」を聞くことは出来ますよね。我々の借主さんに「動かれる」のは避けたいですが、すでに予定されているなら早めに知っておきたいです。そのうえで、引っ越しの理由によっては、引越しを思い留まってもらえないか、交渉したいです。
多少の賃料交渉や、新しい設備の設置などのサービスは覚悟しているので。

「活きたお金」の使い方とは?

A どうせ空いたら、設備や内装にお金をかけるのだから、同じかけるなら、今の借主さんにかけた方が「活きたお金」になりますね。

M まあ、思い留まってもらえるのが無理としても、早めに「キビシイ戦い」の準備ができます。

E やはり、日頃の行いが大事ですね。僕らは、空いた部屋に対して、家賃を下げないために、エアコンや内装に手を加える、とか言っていますけど、それは、いま住んでくれている借主さんに、先に使うべきお金だったと思いました。そうすれば、そもそも「動かれる」のを防げたかもしれない。

F うーん。理屈は分かるけど、借主に頼まれていないのに、入居中の部屋にお金をかけるというのは、現実的でない気がする。

M でも、例えば3月に退去する借主さんがいたら、退去した後は、おそらく家賃を下げるか、グレードアップ工事をして家賃を維持するか、どちらかですよね。

F そうなりますね。まさに僕もEさんも、そうして繁忙期を迎えようとしていますから。

M と言うことは、3月に退去する借主さんは、そのとき「高すぎる家賃」を負担していたことになりませんか。手をかけなければ、同じ家賃では、次の借主さんが決まらない、と判断したのですから。

F うーん。でも、それは契約なのだから仕方がないと思います。

A たしかに契約だから仕方ないですけど、借主の退室を阻止するにはどうするか?というSさんの問いかけに対しては、ひとつの有効な考え方かもしれませんね。
入居時の「貸室の価値」を、なるべく下げないように維持すべきでしょう。

F 具体的にはどのように?

A 一定期間ごとに(2年とか)、設備の追加や取り替えをしたり、ルームクリーニングや畳の交換をしてあげるとか。

F うーん・・・・・・。

M まあ、簡単でないのは分かりますけど、結局はAさんが言った通りですよね。空室にお金をかけるか、入居中の部屋にお金をかけるか、どちらが「活きたお金か」という「問いかけ」だと思います。

F 答えは、各々で出すしかないですね。

A 経営者ですからね(笑)

司会 さて結論ですが、あらためてEさん、繁忙期に何を準備しますか?

E 今の3つの空室を、家賃を下げない方法で、何とか埋めます。キビシイ戦いが分かったので、もう一度、手を加える内容について管理会社と相談します。そして満室になったら、一部屋ずつ順番に、入居いただいている部屋を「良くして」いきます。3室分の収入が増えたのですから、その半分くらいを使っても大丈夫でしょう。
そのお金は損金処理できるのですから。

F Eさんは理想家ですね(笑)。

M でもそれが実現できれば、退去のたびに、特別なグレードアップ工事をする必要はないですね。「貸室の価値」が家賃と大きく離れていないのですから。

司会 みなさん。有難うございました。

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