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テナントリテンションを知っていますか?

「ねえ、あなた。このアパート、再来月に更新ですって」

「もう2年も経ったんだね。また余計にお金がかかるけど、家賃の1ヶ月分くらい必要だっけ?」

「1ヶ月じゃ済まないわよ。更新料の他に、更新手数料とか、
保険とか、連帯保証料金とか、何だかんだ2ヶ月分以上が必要よ」

「それじゃ、今月分も含めると3ヶ月分が必要ってことじゃない。」

「・・・・・・ねえ、これを機会に引っ越しを考えない?
駅前の不動産屋さんのウインドを覗いたら、礼金も敷金もゼロで住める、
このアパートより新しいお部屋が載ってたわよ」

「そうだな・・・・。どうせ金がかかるなら、思い切って引っ越しを検討するか。
このアパートも古くなってきたし・・・・」

これは、ある夫婦の会話です。
実際に聞いてたわけではありませんが、こんな会話が交わされていることは、
容易に想像できると思います。
つまり、更新の通知が転居の「キッカケ=理由」になっているのですね。

※自動更新の地域は該当しない例ですが・・・

「テナントリテンション」をご存じですか?

直訳すると、テナント=借主、リテンション=維持(確保)する、ということになります。
つまりは、借主さんになるべく永く住んでいただくための、あらゆる行為のことです。
辞書で調べると、もともと企業の優秀な人材を維持する=リテンション、
みたいに使われているようです。

さて、オーナー様と不動産会社は、
借主を「維持・確保」した方がいいのでしょうか。
それとも、どんどん入れ替わってくれた方がいいのでしょうか。

うまく入れ替わってくれれば、オーナー様も礼金が入るし、
不動産会社も仲介手数料を稼げる機会が増えることになります。

昔、マクドナルドに代表されるファーストフード店は、
客に店に長居(ながい=同じ所に長くいること)されたくないので、
椅子をプラスチック製にしている、と学んだことがあります。
当時のファーストフードは、お客様の回転数を重んじていたのですね。

同じような考えが、30年くらい前にワンルームアパートを企画したときにもありました。

「出来れば2年ごとに出て行ってもらいたい」

そうすればオーナー様様は、礼金2ヶ月の増収になるし
(当時は礼金2ヶ月敷金2ヶ月が当たり前でした)、

当社も仲介手数料が増える、という発想です。
だから、6畳に満たない部屋に3点ユニットという間取りを、ある意味、戦略的に作ったものです。

さて、その発想が現代も通用するでしょうか。

ごく一部の地域では通用するかもしれませんが、ほとんどの地域では、
借主の退去がオーナー様様にもたらすものは、

・募集賃料を今までより下げなければならない。
・次の借主が、すぐには決まらない(空室期間が長い)。
・募集のための費用を負担しなければならない(広告費など)。

という三重苦にあえぐことになります。

だから現在では、借主には、なるべく永く住んでもらいたい、という発想が大切になっています。

マクドナルドの椅子が、少しは座り心地がよくなったように

空室対策の中で、「この考えが」一番大切な考えだと思っています。

つまり、バスタブにお湯を満たすのに、蛇口からお湯を出すより、
排水口に栓をして、お湯が抜けるのを防げ、ということです。

いくら一所懸命にお湯を入れても、底から抜けていては満タンになりませんね。

なので、「テナントリテンション」は、賃貸管理業者にとって最も大切なノウハウ、
あるいはスキル、ということになるはずです。

社内の賃貸管理のシステムの中に、
「テナントリテンション」の考えが染みついている必要があるのです。

・クレーム処理も
・督促業務も
・メンテナンスも
・もちろん更新処理も  です。

いかがでしょう。
こんな観点から、賃貸管理を考えているでしょうか。

これは、賃貸管理から脱却して「プロパティマネジメント」を目指すときの、
大切な第一歩だと思います。

では、具体的な「テナントリテンション」について、
次回から一緒に考えていきましょう。

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