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【賃貸管理トラブル】ある督促の想い出

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僕が管理会社の店長をしていた頃のことです

 

ある日、
若者が部屋を借りに来ました。

勤めてから日も浅いし、
連帯保証人は200キロ離れた隣県で
看板製作業を営む叔父さんだったので
僕は入居審査で落とすことにしました。

何となく話し方や態度が気にかかったのです。

 

すると彼は
「なんとか貸してほしい」とスタッフに頼み込みました。

「叔父さんは自宅ですか?」
「賃貸マンションです」
「何か不動産を所有していますか?」
「看板制作の工場は自分の所有と言ってました」

ちょっと考えて

「では、工場の謄本を持ってきてください」
と条件をつけました。

1Kマンションを借りるのに
工場の謄本は持ってこないだろう
と高を括(くく)って帰したのですが、

一週間後に彼は謄本を持ってきました。

 

たしかに工場の謄本で
所有者は叔父さんで
抵当権は何もついていません。

 

「これなら最悪は家賃を払うだろう」

と軽い判断をしてしまい、
彼の入居審査を通すことにしました。

 

この軽い判断のお陰て、
後々まで語り継がれる督促劇が
幕を開けました。

彼の名前はA君としておきましょう。

 

 

A君は見かけよりも根性があり、
入居した翌日から滞納を始めました。

 

最初は「A君は案外とルーズですね」
と余裕だったスタッフも
電話しても訪問しても連絡のとれないまま
あっという間に半月が経ったので
保証人の叔父さんに電話をかけました。

 

電話に保証人の叔父さんは出ず
代わりに録音された女性の声で
「お客様の都合でこの電話は・・・」
というセリフを繰り返していました。

 

驚いてA君の職場に電話すると
「すでに退職しました」とのこと。

 

「おいおいおい」と
急に店内が慌ただしくなりました。

 

その晩から僕も特別督促チームに加わって
夜訪を繰り返しましたがA君はいません。

というか、
ベランダから見ても中は真っ暗だし
チャイムを押しても出てこないので
「きっといないのだろう」と思っただけで
中で息を潜めていたのかもしれません。

 

そして、
これから現場で色々とあるのですが、

それも結構おもしろい話なのですが、

長くなるので端折らせていただくと

結局A君は3ヶ月分の滞納を残して
夜逃げ同然で部屋を後にしました。

 

審査を通してあげた僕への挨拶もありません。

 

文書と訪問の両面作戦で攻め立てたので
これ以上は籠城できないと判断したのでしょう。

 

それから
契約解除の内容証明を出して
(当然に戻ってきますが)

同じ文面を紙に書いて玄関に貼り
日付入りの写真を撮って証拠を残して

「家財道具らしきモノ」を
大家さんの倉庫に預かっていただいて

部屋を明け渡してもらいました。

 

 

ちなみにこれは「自力救済」と言って
現代では絶対に「やってはいけない」行動です。

 

というか、昭和60年代の頃も
法律は変わっていないので
「やってはイケナイ行動」でした。

 

正しくは明け渡し訴訟をして
判決をとってから強制執行するべきですが、

当時の僕らはリスクを秤(はかり)にかけて
「大丈夫だろう」と考えて実行してしまいました。

いまなら当時の僕に
厳重注意をしたいと思います。

 

みなさんは
絶対に真似をしないでください。

 

 

とにかく、それで部屋は空いたので
次の入居者をすくに決めて
大家さんの家賃収入は正常に戻りました。

 

あとは
相変わらず電話に音声の流れる叔父さんへの
請求だけが残りました。

 

さて、どんな方法で督促をするか、
と考えたのですが、

実は以前から「やってみたい督促手段」
がありました。

それは「支払い命令」という方法です。

※現在は法律が変わって「支払督促」といいます。

 

この督促手段を本で読んだことがあって
「一度、やってみたい」と思っていたのです。

 

法的手続きのひとつなのですが、
裁判に訴えるのではなく、

簡易裁判所から督促状を送ってもらう
シンプルな方法です。

でも、相手が督促状を受け取って
2週間が経過すると「判決と同様の効力がある」
という優れた方法です。

裁判を起こさないで
督促状を送ってもらうだけで

相手が黙っていれば判決と同じ効力

というのはスゴイですよね。

しかも内容証明郵便での督促よりも
裁判所から送られてくる督促状ですから
迫力も違います。

 

そこで民事訴訟法の本を片手に
支払い命令督促の用紙を作成して

 

保証人の住む住所を管轄する簡易裁判所に
郵送で送りました。

電話もつながらないので
マンションに住んでいるか不安でしたが

なんと、

その督促状が「届いた」と通知がありました。

本人がサインして郵便を受け取ったのです。

けっこう真面目な人みたいです。

 

ここで相手が「意義の申し立て」を
裁判所に対して行うと

通常の裁判に移行してしまうのですが、

「そうなったら、それでも構わない」
ということで、

大家さんも隣の県までドライブして
原告席に立つことを承知してくれていました。

 

そして何もないまま2週間が過ぎて
「保証した滞納家賃を支払え」という
判決が確定です。

 

しかし
たとえ判決を得ても相手は支払わないので、

つぎに「仮執行宣言申し立て」の書類を
もう一度簡易裁判所に送って
相手に送付してもらいます。

これが届いて2週間が立てば
いよいよ差し押さえの強制執行ができます。

抵当権の付いてない工場の所有者ですから
そうなれば覚悟を決めて支払うだろう
と考えていました。

 

しかし、

その書類は受理されませんでした。

受理されないと
2週間のカウントダウンが始まらないのです。

これが「支払い命令」の大きな欠点ですね。

 

「仮執行宣言申し立て」をもう一度送りましたが
すでにマンションには住んでいないのか
受理されませんでした。

 

さて、次はどうするか。
次の手を考えるのが楽しいのです。

 

 

ここまで来たら
絶対に諦めたくない、と思って

 

車を2~3時間とばして隣県の
保証人の住むマンションに行きましたが

郵便がたくさん貯まっている状態で
「もはや住んでいない様子」です。

 

たまたま隣の奥さんが出てきたので様子を聞いたら

もう1ヶ月くらい姿を見ていない
とのことでした。

 

つぎに「頼みの綱」だった
看板製作の工場を見に行きましたが、

 

工場とは言いがたい建物で

「たしかに、看板は作れるかもしれないな」

という程度の代物でした。

 

法務局出張所にも寄って閲覧したところ

なんと保証人は土地は所有して折らず
借地権上に立つ建物だったのです。

万事休すですね。

 

 

「これはダメかも」
と半分は心が折れそうでしたが

ついでなので簡易裁判所によって
相談してみることにしました。

 

 

事情を説明すると書記官という方が

「分かりました
本人が不在の証明を出してくれたら
“公示送達扱い”としましょう」

と言ってくれたのです。

「公示送達」とは、

本人に書類が渡らなくても
一定期間、裁判所に掲示することで
本人に届いたという効果を生じさせる方法です。

つまり「仮執行宣言申し立て」が
届いた、という扱いをしてくださる、
と仰るのです。

神様みたいな書記官ですね。

 

「不在の証明とは何ですか?」

「ご近所の証言をとって
保証人がいつ頃から居ないという
文をまとめてください」

 

これなら簡単なのでマンションに戻り
3件を訪問して証言としてまとめ
簡易裁判所に届けました。

 

これで晴れて

借地権上に立つ建物らしき構築物を
強制執行による競売に処すことが
可能となりました。

 

そして実際に
その手続きを進めました。

 

「こんな建物を競売で落とす人は
おらんだろーなー」

と思いましたが
最後までやらないと仕事は終わりません。

 

そして、
そろそろ終戦宣言を出そうと思っていたところ

恐ろしい電話の音が「チン」と鳴りました。

某県の金融業者さんから
「新井さんと言う人はおるかい」
と電話がかかってきました。

僕は金利の高い方たちから
お金を借りた覚えはないのですが、

怖々と電話に出てみると

「Bさん(保証人の叔父さん)の建物を
競売にかけたのはアンタかい」

と言われて

なにも悪いことをしていないのに
思わず謝ってしまいそうになりました。

 

話を聞いてみると

Bさんは金融業者さんからお金を借りて
なかば「身柄を拘束」されているらしい
ということ。

金融業者が看板工場の土地所有者に
借地権を買い取る話をもちかけて
合意する寸前だったこと。

そこに埼玉の不動産会社が
差し押さえをしてきて驚いたこと。

などが判明しました。

「おたく、やり手だね」と褒められましたが

高利の金融業者さんから褒められても
なぜか嬉しくはありませんでした。

 

その後、
この金融業者さんに行って
滞納保証額と僕の交通費も足して
すべてのお金を払ってもらい

一件落着となりました。

 

事務所に行くのは勇気がいりましたけどね。

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