今回は“万一”に備えた「保険の検討」をテーマに、
今一度、見直すきっかけとしていただければと思います。
ご自身の賃貸物件、地震保険は検討されたことがありますか?
近年の自然災害の増加に伴い、「備え」の重要性が高まっています。
万が一の被災時、オーナーとしてどこまで対応できるか。
その備えの一つが保険です。
【今、あらためて地震保険が注目される理由】
ご承知のとおり、日本は世界有数の地震多発国。
加えて近年は、
都市部や地方問わず、生活圏を直撃する地震が続いています。
たとえば、2024年元旦に発生した能登半島地震では、
石川県内の住宅被害は6万棟を超えました(石川県調べ)。
地震保険から支払われた保険金は、
1,800億円以上に上るとされています(損害保険料率算出機構)。
こうした数字を見ると、
地震保険が「現実に使われている」保険であることが実感できます。
【地震保険、加入率は意外と低い?】
2022年度時点での住宅全体の地震保険加入率は
約66.6%(損害保険料率算出機構)。
しかしこれは住宅ローン契約者を含む数字で、
賃貸物件を所有するオーナー様の加入率はさらに低いと考えられます。
「加入していたつもりだったけれど、実は火災保険のみだった」
「古い契約内容で、地震特約がついていなかった」
そんなケースも珍しくありません。
【保険を検討するべき3つの理由】
①「自然災害は自己責任」の時代へ
地震による建物倒壊や火災では、
公的支援だけではカバーしきれないこともあります。
全壊認定を受けた場合でも、
被災者生活再建支援制度の上限は最大300万円。
対して、建物の修復費用は1000万円以上になるケースもあります。
結果、オーナー様が自費で対応するケースも少なくありません。
② 入居者・家族への責任
建物が被災すれば、入居者の生活にも大きな影響が出ます。
「仮住まいが見つからない」「荷物を取り出せない」
「退去精算が進まない」など、
入居者トラブルにつながることも。
地震保険によって建物再建の目処が立てば、
オーナーとしての責任を果たす道が開けます。
③ 保険料は意外と手頃
地震保険は火災保険の付帯として加入する形式で、
保険料は地域・構造によって異なります。
たとえば、鉄筋コンクリート造の物件なら、
年間1万円以下で加入できるケースもあります。
また、築年数や建物構造によって割引制度もあるため、
一度見積もりを取ってみると、
意外なメリットが見つかるかもしれません。
【実際に支払われた例も】
たとえば、2016年の熊本地震では、
地震保険の支払総額は3,832億円(損保協会発表)にも上りました。
これは、保険金がしっかりと支払われた証でもあり、
保険の有効性を示すデータと言えるでしょう。
もちろん、築年数や建物構造によって保険料は異なりますが、
万が一の「倒壊」や「住めなくなる状況」への備えとしては、
決して高すぎる出費ではありません。
【確認したいポイント】
・現在加入している火災保険に地震特約が付いているか
・保険金額(補償額)や補償対象の範囲
・建物の構造や築年数に応じた適正なプランか
【管理会社と連携しながら】
災害発生後、物件の状況をいち早く把握し、
保険会社への連絡・調査・申請といった対応が必要です。
その際、信頼できる管理会社がいれば、
迅速かつ的確な対応が可能になります。
「そもそも、今の保険は何をどこまで補償してくれるのか?」
「古い契約のままになっていないか?」
そんな疑問があれば、
まずは保険内容を一度確認してみることをおすすめします。
地震保険は「入るかどうか迷うもの」ではなく、
オーナーとしてのリスク対策のひとつ。
まずは今ご加入の保険内容を確認し、
「いざという時」に備えておきましょう。