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わたしの「家賃」はいくらですか?

今回のテーマは「家賃査定」です。

売買の現場で「売却価格の査定」をするとき、担当者は真剣に査定しますよね。
「東京カンテイ」などの有料サービスを使うケースもあるくらいです。
つまり、売却の委任を取るときは「査定が命」でしょう。
査定が正確にできるようになれば「一人前だ」、なんて言われることもあると思います。

では、賃貸の現場ではどうでしょうか。
家賃の査定は、「エイッヤッ」と決めているのではないですか?
つまり、「軽く見ている」のが実態ですよね。

でも、プロパティマネジメントにとっては「家賃査定」は重要な仕事です。

その理由は、
1.家賃査定が「物件の価値」を決めるから
2.オーナーの収益の確保に、「正確な家賃査定」は必須だから
3.「入居者ニーズ」を知らなかったら「正確な家賃査定」は出来ないから
4.新しく管理(募集も)を請け負うときも「まず家賃査定」から入るから
5.「空室対策の提案」に、正確な家賃査定スキルは必須だから
などが挙げられると思います。
特に3.について検証していきましょう。
(今回も、長ったらしく「面倒くさい」メルマガになりそうです)

※まず「正確な家賃査定」の定義ですが、
・募集期間が2~3ヶ月以内で決まる家賃であること。
・「もっと高くても貸せたのに」という「機会損失」のない家賃であること。
ということにしましょう。

※そして、「家賃査定の2原則」も確認しておきましょう。
・家賃はお客様が決める
・決して賃貸業者が決めるのではない

では、お客様は「何をもって」物件を決めているのでしょうか。
「どんな理由で」その家賃に納得しているのでしょうか。

よく言われる、「立地」と「間取」と「築年数」の3要素だけでしょうか。
そんな単純ではなさそうですね。

ここで質問です。

2DKのアパートにエアコンを新設したら、
家賃はどれだけ増やせますか?

同じ棟内に、
2部屋+DK(6畳)と2部屋+LDK(12畳)のタイプの物件がある場合、
家賃の差はいくらですか?

(先を読まないで答えを出してください)

通常は、なんとなく感覚的に判断していると思います。
「何でそうなるの?」とオーナーに聞かれたときに、
「なるほどね。」という納得が得られるように説明できますか?

「c21.住環境研究会」と(株)リクルートが、
「入居者ニーズと意識調査」を3年ごとに実施しています。
(c21となってますが「センチュリー21」とは無関係です)

その「2009年度版」が手元にあります。
「備え付けのエアコンに貴方が家賃として払っても良いと思う額は?」
という質問に対して、「ふたり~ファミリー全体」の回答では、
「3,336円」となっています。
つまり、エアコンを付けると3,000円程度の家賃を増やせることになります。

これはアンケートの結果ですが、皆さんの現場感覚ではどうですか?
エアコンを付けて3000円アップは可能でしょうか?
皆さんで話し合ってみてください。
これは大切なミーティング議題だと思います。

※もしエアコンを付けて「家賃据え置き」で決まるなら、元々の家賃が高かったのです。

DKとLDKの家賃の差額については、どうでしょう。

家賃査定には「坪単価」という発想があると思います。
例えば、坪単価5000円として計算してみると、
DKとLDKの広さの差は6畳=3坪ですから。
5000円×3坪 で15000円の差と査定できます。
2DKは12坪なので6万円の募集家賃。
2LDKは15坪なので7.5万円の募集家賃 というわけです。

でも、実際にこの条件で募集していたら、
2LDKはすぐに決まっても、2DKは残ってしまいませんか?

坪単価での査定はちょっと乱暴だと思います。
コンパクトで効率のいい間取も、
通路スペースが多く使いにくい間取も、
面積が同じなら査定も一緒になってしまいます。

このように、
正確な家賃を査定するためには「入居者のニーズ」を知ることが大切です。
入居者が好む「条件」が整っている物件ほど、
家賃査定のポイントが高くあってしかるべきです。

では、「入居者がどんな部分を評価しているか」、
その項目の中から重要なものを抜粋してみます。

【建物】
構造・物件タイプ
築年数
外観・デザイン
駐車場・駐輪場

【間取・面積】
DKまたはLDKの広さ
居室の広さ
収納スペース
バストイレ・独立洗面台・洗濯機置場

【設備】
エアコン
追炊き付き風呂
セキュリティー(オートロック・玄関鍵・防犯カメラ等)
インターネット対応

【立地・環境】
日当たり・方位
駅からの所要時間
利便施設(買い物施設・学校・病院等)
嫌悪施設(線路・通行量の多い道路・お墓・斎場等)

【その他】
物件名
ペット飼育

こんなところではないでしょうか。

これらの項目を「家賃査定」にどうやって活かすのか?
ヒントがあります。

CPMの授業のとき、
「プロパティマネジャーの家賃査定」として紹介された方法があります。
一口で言えば「類似物件との比較評価法」です。

まず類似物件を選びます。
査定したい物件と、タイプが似ていて、適正な家賃で運営されていることが条件です。
次に、査定物件と類似物件を比較して、
評価項目ごとに5段階で「プラス」「マイナス」の評価をしていきます。
最後に合計された「評価ポイント」で類似物件の家賃を調整して、査定物件の家賃を決めるのです。
(文章では分かりにくい、ですよね)

そのとき「評価項目」として使うのが、
ズラッと並べた【建物】以下の各項目と考えてくたせさい。

今回も、ずいぶん理想的なことを掲げました。
高邁な理論を展開しても、現場で使えない物は「無意味」だと思っています。
ですから現場では、この考えを咀嚼して「出来る範囲」の正確家賃査定を行えるようにしてください。

東京カンテイさんでも、家賃査定システムを提供するように準備しているようです。

いずれにしても「家賃査定」は重要です。
その割に「軽んじて」こられたと思います。

前回メルマガの「エリアのデータ」も同じですが、
このような「科学的なデータ」に裏打ちされて提案は、
オーナーからの評価を高めてくれるはずです。

頑張りましょう。

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