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【オーナーセミナーの勧め③】セミナー開催と管理受託への流れ

今回の記事では、
実際にオーナーセミナーを開催するときの
留意点について解説いたします。

オーナーセミナーには、その都度に目的があります。

大家さんからの信頼を高めて「貸し」をつくる。
必要な知識やマインドを伝える。
管理受託や媒介依頼につなげる。

などの目的です。

この目的が達成できるように当日の段取りを組むことです。

何度も申し上げていますが、
セミナーを開催することが目的にならないようにしてください。

セミナーが終わったときに、
「あー、終わった・・・・」と安堵するのではなく、

今回の目的が達成できたか・・・・
というチェックをしていただきたいのです。

まずは会場です。

オーナーセミナーというと、
何十人も収容できる会場を用意しなければならない、
と思うかもしれませんが、

それは間違いです。

管理大家さんを招待するセミナーと、
管理を増やすための新規の大家さん向けのセミナーを、
同じようにイメージしているのだと思います。

これはしっかりと別けて行うべきです。
目的がぜんぜん違うからです。

管理大家さんを招待するセミナーの目的は、
大家さんに感謝の想いを伝えることです。

なので、そこそこの会場で、
おもてなしの精神でお迎えする必要があります。

講師も税理士や弁護士の先生でよいですし、
帰りに手土産を用意するのもよいと思います。
人数もそれなりの数を集めたいでしょう。

取り引きのない新規の大家さん向けのセミナーの目的は、
ズバリ、

管理を増やすことです。

その手前の、
真剣に管理の話を聞いていただく時間を作ることです。

ここに管理大家さんが一緒になると、
管理大家さんへの接待が優先されてしまうので、
目的が達成しにくくなります。

そして、何十人も集めてしまうと、
ひとりの大家さんへの対応が薄くなってしまいます。

なので新規大家さん向けセミナーは、
5人か3人くらいが適正人数です。
そんな多くの方を、集める必要はないのです。

「もし、10人も集まったらどうする?」
と心配する必要はありません。
それなら2回に別けて行えばよいですし、

そもそも取り引きのない大家さんですから10人も集めるのは大変です。

ということで、会場は事務所の中で大丈夫です。
お客様に座っていただくカウンターでもよいくらいです。

契約するためのスペースがあるならそちらでもよいです。
わざわざ借りる必要はありません。

そしてセミナーを聞いていただくのですから、
集中できる環境、であることです
カウンターを使う場合は集中していただくために、
お店を閉めた時間帯となるでしょう。

大家さんは不動産会社のセミナーと言えば、
何かを売り込まれるのではないかと警戒しますから、
「参加しやすい場所」であることが第一です。

開催する時間は、

お呼びしたい大家さんごとの適正時間帯を知ることが大事です。

農家の方と、お勤めの方では、都合のよい曜日も時間も異なります。
同じ大家さんでも、地主さんと投資家さんでも違います。

サラリーマン投資家さんに、
参加しやすいセミナー日時を聞いたことがあります。

サラリーマンですから土日や祭日がよいのかと思ったら、
「日曜にセミナーに行くと言うと家族に怒られるのです」
と仰っていました。

やはりご当人に聞くのが一番ですので、
試行錯誤しながら開催して、
適正な曜日と時間を決めていくのがよいと思います。

そのために平日の夕方や土日の昼間など、
テストしてみる必要があります。

同じテーマのセミナーを平日と土日で時間を変えて、
2回開催するのもよいと思います。

開催する側の人員は講師ひとりでもオッケイです。
お迎え役や司会役などを用意する必要もありません。

どうせ開催するなら毎月やるくらいの頻度にしたいので、
大げさなイベントにする必要はないのです。

事務所でやるのですからもし参加者がゼロでも、
「今回は残念ながら集まらなかったね」
という程度でよいのです。

担当者さんが一人で行うくらいの気軽さで開催してください。

用意するモノは、

・水かお茶のペットボトル。
・メモ用紙と筆記用具。
・パワポのレジメ。

などになります。

そして、セミナーの最初に、
ご参加いただいた大家さんの簡単な紹介をさせていただきます。

時間割は、

セミナーで、60分~90分。
質疑応答で、30分くらいがちょうどよいです。
セミナーの開始前に時間割と終了予定を伝えましょう。

可能ならば終わった後にお茶会や懇談会をやって、
セミナーの感想や賃貸経営のことなど、
お話しできる時間を作りたいです。

大げさな飲食を提供すると遠慮と同時に警戒されてしまうので、
簡単なお茶とお菓子で、
気軽に参加していただける工夫をしたいところです。

ある管理会社の方は、
台湾に行ったときに購入した茶器とウーロン茶葉で、
台湾で習ってきたお茶の入れ方を披露しながら、
少し高級なお茶を振る舞っていました。

大家さんも珍しがって楽しんでいたようです。

珍しいお菓子がたまたま手に入ったとか、
何か参加する理由を作ってさしあげると、
参加していただけるのでは と思います。
ぜひ、工夫してみてください。

セミナー前にアンケートを書いていただくのもお勧めです。

その目的はセミナーで話すことに問題意識を持っていただくことです。

このアンケートは、
すべてが「いいえ」になるように工夫された設問がよいです。

前回のセミナー告知パンフの作り方を解説した記事で、
あるセミナーのテーマを事例として取り上げました。
以下の5つの原則を伝える、というテーマでした。

1.正しく賃料査定されていないこと。
2.借主から選ばれる募集条件になっていないこと。
3.100%の営業活動が行われていないこと。
4.インターネットで選ばれる“差別化”が行われていないこと。
5.営業スタッフから本気で紹介されていないこと。

これからの話を真剣に聞いていただくために、
大家さんには問題意識を持っていただきたいです。

そのためのアンケートには、以下のような設問を用意します。

・賃料はライバル物件の募集条件を調査して決めていますか?

・入居時に必要な費用や賃料発生時期などの入居条件を、
 お客様目線で、しっかりと検討して決定していますか?

・空室を早く決めるためには人気ポータルサイト掲載、
 レインズ登録、近隣の全ての仲介会社への情報公開、
 モデルルーム等の部屋の準備、などが必須の昨今ですが、
 オーナー様の物件は100%実施されていますか?

・ご自身の募集中物件をインターネットで
 定期的にチェックされていますか?

・ご自身の募集中物件の写真が何枚掲載されているか、
 ご存じですか?

・オーナー様のお部屋の募集情報が、
 近隣の全ての不動産業者に公開されているかご存じですか?

・オーナー様のお部屋を近隣不動産会社の営業スタッフが、
 先で紹介していると思いますか?

これらの質問には、ほとんどの大家さんが「いいえ」と答えると思います。

答えながら「これではいけないな」という、
問題意識を沸き上がらせて、
セミナーを聞く準備をしていただきたいのです。

そして、
セミナーを始める前に必ず言っておくべきことがあります。

まず「売り込みはしない」という約束です。
大家さんに安心していただき警戒心を解いていただくのです。

もちろん、本当に売り込みはしないのです。
会社のパンフレットや管理メニューすらも配らない方がよいです。

それでは管理受託につながらないではないか、
と思うかもしれませんが、
そもそも、この場で管理を任せると言い出す大家さんはいません。

このあとの個別相談や後日の訪問で、
真剣に管理の話を聞いていただくことが目的ですから、
中途半端に鎧を見せる必要はないのです。

出来れば、
年間のセミナースケジュールを見ていただいて、
計画的にしっかりと実施していることをアピールしたいです。

よくある、行き会ったりばったりのイベントではない、
ということを分かっていただきたいのです。

セミナー開催の目的も披露しておきましょう。

大家さんは、なぜ無料でセミナーをやるのか、
本当は売り込みが目的だろう、と思っています。

もちろん最後は管理させていただくのが目的ですが、
それは最終的なことですし、
すべての大家さんから管理を受託できるとは思っていません。

その前に、
地域の大家さんの賃貸経営が上手くいくように寄与したい、
という目的がありますから、それを披露しておきましょう。

講演の進め方は、

パワポとかホワイトボードを使いながら、
一方通行にならないようにしてください。

「どう思われますか?」とか、
「〇〇についてご質問はありますか?」、
あるいは、「〇〇様は、いかがでしょうか?」、
と名指しで質問するなど講義には変化をつけるとよいです。

特に人前で話すのに慣れていないスタッフが講師をするときは、
ところどころで変化をつけることで、
話している本人も緊張を解くことができます。

最後に重要なポイントがあります。それは、

セカンドオピニオンを勧める、

ということです。

セミナーの流れで、

だから当社の賃貸管理が良いのです、

と結論づけると、ここでもろに鎧が見えてしまいます。

それが、言いたかったことか、と見破られてしまいます。

いろいろな現状の問題点を指摘した上で、
もしその問題点に不安や疑問を憶えたなら、
地元の管理会社として、

大家さんに納得のいく賃貸管理を選択してほしい。
賃貸管理はどこも同じではないことを告げたい。
現在の募集や管理状況を第三者にチェックさせることを勧めたい。

ということを訴えたいのです。

それが、医療でよく使われるセカンドオピニオンです。

すぐに現在の業者を断って当社に乗り換えてください、
という主張ではなく、

一度、第三者の専門家に現状の募集や管理状況を、
チェックさせてはどうですか? という提案です。

これなら売り込みにはなりませんし、
大家さんにとってもハードルが低いはずです。

セカンドオピニオンで何をチェックするのか、というと、

たとえば募集は、

インターネットの掲載状況を調べて、

ポータルサイトへの掲載、
写真枚数、写真の質のレベルをABCで判定、
掲載コメントの内容、
などのスコアをつけます。

募集情報の公開状況として、

ファクトリーシートの配布、レインズ登録、アットビービーへの掲載
などをチェックします。

募集条件の適性度として、

賃料設定や必要な入居費用の総額などの入居条件を、
ライバル物件と比較した表を作ります。

管理状況は現地でチェックします。

・募集看板等が適切に設置されているか、
・共用部分の清掃状態はどうか、
・ゴミ置き場、駐輪、郵便受け、植栽の状況はどうか、
・空室の管理状況は適切か、

などです。

そして大家さんが契約している管理メニューもチェックします。

保証会社、収支報告、更新方法、日常清掃、巡回点検、法定点検、
などの内容です。

いかがでしょうか。

もし、あなたの管理大家さんが、
あなたに任せている募集や管理業務について、
他の管理会社に以上のような項目をチェックさせたら、

と想像してみてください。

それが公正中立なレポートだとして、
いったいどんなスコアがつくのでしょうか。

ちょっと怖いですよね。

なので、セカンドオピニオンのチェックシートが完成したら、
一番最初に自社の募集や管理状況を
チェックしてみてはいかがでしょうか。

満点がとれない場合でも改善点が明確になることでしょう。

では、セミナー運営のまとめをしておきます。

セミナーには個々に目的があり、そのためのテーマがあり、
そして、求める結果があります。

今回のセミナーの目的が大家さんからの信頼を高めることなら、

相続対策や民法改正などのテーマが合っています。

そして求める結果は、
セミナーが終わったあとに、
その場で「とても役に立った」と感想を言ってもらうこと、
だったりします。

目的が、管理や媒介を取得することなら、

テーマとして空室対策やリノベーション事例や、
業界の裏事情などが適切です。

そして結果として、
問題を解決する手段があることを理解していただき、
セカンドオピニオンから個別相談に持ち込ませていただくことを、
求めるのです。

オーナーセミナーは、
会社の方針として決まったから行うものではありません。

大家さんとの信頼関係を築く、
管理や媒介をご依頼いただく、
という明確な目的があります。

それを見失わないように計画して実施してください。

そして成功したパッケージをいくつも作り上げてください。

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