今回は、
オーナーセミナーを告知して、参加を促すための、
セミナー告知パンフレットについて解説します。
A4サイズで一枚のイメージです。
オーナーセミナーに限らず、
何かのイベントの集客のために、
チラシやパンフレットを作ることが多いと思います。
その時に、犯しやすい重大ミスがあります。
それは、
お客様が「見てくれる」という前提で作成してしまうことです。
これは、
折り込みチラシでも、
雑誌広告でも、
インターネットのサイトを作るときにも共通する、大きな間違いです。
私たちがターゲットとしているお客様は、
毎日、多くの情報にさらされています。
インターネットや、SNSの浸透によって、
その傾向は、毎日、高まっています。
いまやお客様は、
多くの情報から、どのように逃れるか、を無意識に考えています。
よほど、自分が興味のある情報でない限り、
まずは遮断することを試みるのです。
たとえば、オーナーセミナーの告知で、
こんなタイトルが大きく書かれていることはないでしょうか。
第○回、オーナーセミナーを開催します。
特に、回数が20回50回と数を重ねていると、
それが権威とばかりに大きく書きたくなる気持ちは理解できます。
しかし、
最初からセミナーに参加する気のない人にとって、
そのセミナーが何回行われたかなど、
まったく関係がありませんし、興味もありません。
このタイトルを見た途端に、ゴミ箱に直行させる可能性が大です。
セミナータイトルは、
こちら側の書きたいコトを書くのではなく、
相手が、読まずには いられないコトを書くのですが、
この間違いを犯している例が多いのではないかと思います。
このように、
セミナーに興味はなく、
参加することを検討してもいない相手に対する告知バンフは、
まず、見てもらう、ことを最初の目的とします。
目をとめてもらう、ことが大事なのです。
そのために、タイトルを作るのです。
では、サンプルとしてお勧めする、
セミナーの告知パンフレットの概要を解説いたします。
図のように告知バンフには、
これらの項目が順序よく並んでいる必要があります。
順に説明していきましょう。
1番目はヘッドラインと書いてありますが、
いわゆるキャッチコピーです。
大家さんの目に一番最初に飛び込んでくるモノであり、
これに目を止めてもらえなければその先は読んではもらえません。
これが一番重要で、
すべて読んでもらえる結果の70%を決めると言っても
言い過ぎではありません。
ヘッドラインは、まず、
注意を引く、ことを考えます。
文字の書体やサイズと色も含めて、注意を引くことを心がけます。
今回のセミナーテーマのターゲットである大家さんの、
日頃の感情に訴えることができると、
大きく注意を引くことができます。
感情とは、たとえば「不安」や「願望」です。
賃貸経営をしていると、
恐怖や、
好奇心や、
怒りや、
驚きや、
羨望や、
プライドや、
コンプレックス、
などという、様々な感情に支配されています。
大家さんに限らず誰でも、このような感情を持っています。
これらの問題から、
「どうすればよいか」と、無意識であっても考えています。
もし、これらの感情に訴えるコピーを目にすれば、
誰でも注意を引かれるはずです。
そのためには、
ターゲット大家さんを絞り込むことがポイントです。
特定の大家さんに意味のあることを伝えるのです。
これは自分のために言っているのか、
と思わせるのです。
大多数の大家さんに共通するテーマでは、
注意を引くコピーは生まれないでしょう。
興味をかき立てる、
というのも重要なポイントです。
相続税の増税や、
消費税の税額アップや、
民法の大改正、といったニュース性の高いテーマは、
興味をかき立てるヘッドラインが作りやすいです。
そして「大きな約束をする」というのも大事なポイントです。
このセミナーに参加することで、
大家さんが得られるメリットはいくつもあると思いますが、
その中で、一番大きなメリットを取り上げて、
大家さんに約束をするのです。
このセミナーに参加したら満室になる、とか、
築古の不良物件が人気物件に生まれ変わる、というような、
大きな約束を、ヘッドラインの中でするのです。
そして数字を使うのもポイントです。
これは具体性を演出することになります。
○○のための3つの重要なポイント。
絶対に欠かせない5つの秘策。
間違いだらけの7つの提案。
なぜか、数字を使うことで、信憑性が増すのです。
2番目はリードと呼ばれる部分です。
これは説明文になります。
大家さんはヘッドラインで興味を引かれると、
続いてリードを読み進めてくれます。
ヘッドラインで訴えたことや約束したことを、
この部分で簡潔に説明します。
ここでも途中で興味が失われるとすぐに離脱されます。
この手のモノを読む人は、相当に気が短い、と考えてください。
このリードを書くときに留意するポイントは、
読み手の感情に訴える、
効果を約束する、
イメージさせる、
なぜ効果があるのか、理由を明かす、
それを証明する、
などです。
このセミナーに参加することで、
大家さんが得られるメリットはいくつもあると書きましたが、
そのメリットを並べて理由を書くことで、
読み進めてもらえるリードを書くことができます。
3番目はブレットと呼ばれる部分です。
ブレットとは箇条書きのことです。
このセミナーが大家さんと交わす約束の箇条書きです。
約束とは「メリットを与える」ことです。
ヘッドラインではもっとも大きな約束を書き、
リードではそれ以外の約束を理由と共に書きましたが、
ブレットはそれを箇条書きにして、
分かりやすく 見やすく シンプルにまとめるのです。
もし、セミナーが与えるメリットがあまり思いつかない時は、
こんなテクニックもあります。
それは「特徴と利点の違い」を利用するテクニックです。
特徴とは、
このセミナーで特に訴えたい内容のことです。
どんなセミナーにも特に訴えたい内容があるはずです。
それがなかったら単なる世間話になってしまいます。
利点とは、その特徴が相手にもたらすメリットのことです。
特徴の裏返しがメリットなのです。
なので、もしメリットがあまり思い浮かばないときは、
このセミナーで語る内容の特徴を並べてみてください。
これなら難しくないはずです。
次にその特徴が相手に与えるメリットを、
ひとつひとつ、挙げてみてください。
たくさんのメリットの箇条書きが出来上がると思います。
これがブレットです。
この箇条書きという表現はシンプルに相手に伝わります。
4番目は、信頼の証明です。
このセミナーが なぜ これらのメリットを約束できるのか、
その理由や証明できるモノがあれば ここに掲載してください。
たとえば、講師の実績です。
もし今回の講師が弁護士や税理士さんなら信頼の証明になります。
本を出しているなら なお 強い証明になります。
会社のスタッフが講師を務める場合も、
なぜ彼が 今回のテーマで話ができるのか、
その理由の中に証明になるコトがあるのではないでしょうか。
そして、
過去のセミナーに参加していただいた大家さんの声も、
証明のひとつになります。
セミナーのあとにアンケートをとるようにして、
その中にセミナー参加者に感想を書いていただくのです。
その一部を掲載させていただくのも証明になります。
5番目は、セミナーの概要です。
日時や場所などを告知します。
通常はこの概要をもっとも目立つところに配置したりしますが、
これは余ったスペースに載せる程度で十分です。
セミナーに興味のない人に日時や場所を伝えても意味がありません。
セミナーに興味を持っていただいたら、
一所懸命に日時と場所を探しますから、
載っていればよい、という程度でよいのです。
6番目は、お名前などを記入していただくスペースです。
基本はFAXによる申し込み用紙という体裁ですが、
電話での申し込みやメールでの申し込みなど、
大家さんの都合に合わせていただけるように、
複数の方法を用意してください。
ここは、お名前やご住所を書いていただくところなので、
ある程度のスペースを確保した方がよいです。
たまに豆粒のような文字しか書けない申込書がありますが、
ここをスペースの犠牲にしないようにしてください。
以上が、セミナーの告知用パンフレットに掲載すべき項目になります。
これらをバランスよく配置してください。
では、仮定のセミナーの告知パンフを作ってみようと思います。
今回は以下のようなセミナーを開催することを検討している、とします。
参加していただきたい大家さんは、
・築15年以上の賃貸物件所有
・年齢45歳~65歳
・一般媒介を数社に依頼して自主管理している
・地元出身
・税金対策よりも収益目的で経営している
と想定しています。
この大家さんが抱えている感情は、
空室問題が解決しないことから、
怒り・苛立ち・不安・願望 などではないか、と想定しています。
そこでテーマは、
「家賃の値下げ」「高額リフォーム」の前にやるべき“5つの原則”
としました。
その5つの原則は、以下の通りです。
1.正しく賃料査定されていない
2.借主から選ばれる入居条件になっていない
3.100%の営業活動が行われていない
4.インターネットで選ばれる“差別化”が行われていない
5.営業スタッフから本気で紹介されていない
では、ヘッドラインを3つほど考えて、挙げてみます。
これで「空室の不安」から完全解放!
不動産会社に要求したい5つの秘訣
空室に苛立つオーナー様へ!?
「家賃の値下げ」「高額リフォーム」の前に要求すべき
“5つの超原則”とは
「家賃の値下げ」「高額リフォーム」だけではない!
その前に不動産会社に要求すべき「5つの秘策」
不安とか苛立ちという感情を表すキーワードを使っています。
数字も活用しています。
今回は3番目のヘッドラインを使ってみることにします。
つぎに、このヘッドラインを、リードにつなげます。
長引く空室に「不安」や「怒り」を感じてるオーナー様もいらっしゃるでしょう。
「なぜ決まらないのか!」「不動産会社は本気で募集してるのか!」と。
実は多くの募集現場で「空室対策の原理原則」が行われていません。
それは「超」が付くほどの原則なのに何故か「ないがしろ」にされているのです。
オーナー様の物件は大丈夫でしょうか?
このセミナーで「5つの原則」を知り不動産会社に要求していただければ
「不安」や「怒り」から解放されることをお約束いたします。
次は、ブレットです。
このセミナーに出ることで得られるメリットを箇条書きにします。
・無意味な「家賃の値下げ」による収入損失を防ぐことができます。
・お客様に選ばれる「武器」を持つことができます。
・部屋を探す すべてのお客様に物件を知っていただけます。
・隣の物件との差別化が簡単にできるようになります。
・多くの営業スタッフを味方にすることができます。
先に挙げた5つの原則がこのセミナーの内容の特徴ですが、
その裏返し(利点)がブレットになっています。
そして信頼の証明として、今回の講師と会社の実績を紹介します。
講師・〇〇 〇太郎
今回の講師は賃貸仲介の現場で3年間トップ成績を収めている賃貸課課長が務めさせていただきます
当社のご依頼いただいた物件の、今年度の平均稼働率は96.2%です。
さらに、参加者様の声も掲載します。
〇〇市 Aオーナー様
この内容で作成した、告知バンフの見本はこちらです。
最後に告知パンフレットの届け方について解説します。
基本は毎月のダイレクトメールの中に同封することです。
しかし可能であれば、
訪問して大家さんに届けるのがベストです。
このパンフレットを作成する過程で、
今回のセミナーのセールスポイントはよく理解できているはずです。
それを直接 大家さんに語ってセミナーに誘ってください。
余談ですが、
セミナーを開催することで、
見込み大家さんを3回は訪問できます。
まず、開催の1ヶ月以上前にセミナーの告知をします。
つぎに開催まで1ヶ月を切ったところで、
具体的に、お誘いに訪問します。
3回目はセミナーの報告と、
次回のセミナーへの、軽いお誘いをします。
見込み大家さんを訪問しても話題に困るようならば、
セミナー開催は、恰好の訪問理由になります。