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管理物件の高齢化社会とは?

管理物件を増やすときに、
築20年以上の建物に「リニューアル提案」をするのは
とても良い方法だと思っています。

その理由は、
築年数の経過した物件のオーナーは「空室で困っている」からです。
「困っている人が多い」ということは、
そこに大きなニーズがある、ということです。

築年数が新しければ、誰でも高い入居率で運営できます。
でも、築年数が20年を超えてくると、
あなたのようなプロの経験と知識が必要です。

もうひとつの理由は、
この築20年を超える物件が「これから増えてくる」のです。
つまりマーケットが広がってきます。

ひとつの要因は、平成4年に実施された「生産緑地法」の改正です。
三大都市圏の市街化区域内の農地に
宅地並みの固定資産税が課税されたので、
税金が数倍にもなった地主さんたちが、
アパートや賃貸マンションの建築に群がりました。
銀行やハウスメーカーも煽ったので、
この年から供給が増えました。
それらの物件が、そろそろ築20年を迎えようとしています。

この「マーケットが広がってくる」ということは
賃貸管理を事業としている者にとっては、とても大きな「現実」です。
指をくわえて眺めているのは「勿体ない」とは思いませんか?

僕は、「管理物件の平均築年数」というものに注目をしています。

もし500戸の管理物件があって、
このまま何もせずに過ごしていくと、
平均築年数が年々高くなっていきます。
これを僕は「管理物件の高齢化社会」と呼んでいます。

もしあなたの管理物件の平均築年数が20年を超えたら
賃貸管理の業務は大変なことになりますよ。
部屋は決まらない、
修繕は増える、
入居者のトラブルも増える、
しかし管理料は減っていく、
という「とんでもない」事態になりますね。

一度、わが社の管理物件の平均築年数を計算してみてください。

この「高齢化社会」を避けるためにはどうしたら良いですか?、
定期的に築浅物件を管理物件に「仲間入り」させる必要がありますね。
新築物件を増やせれば一番いいのですが・・・・

そこで、築20年を過ぎた管理物件はリニューアルをしていただきましょう。
管理物件の「若返り作戦」です。
リニューアル後は築年数の半分で計算して・・・・
つまり築20年でも10年と計算しても「文句はない」と思います。

それから、
築20年を過ぎた物件のオーナーにリニューアルを実施していただいて、
新しく管理をさせていただく・・・・。
このようにして、平均築年数の高齢化を避ける、というのはいかがでしょうか。

それでは、リニューアル企画立案の実務です。

初めに、
リニューアル企画で目指す物件タイプを決めます。
その部屋を探しているターゲットとなる入居者を想定します。

たとえば、
ペットの飼える、広めの、女性向きのマンション・・・・
共に働いている、子供のいない、カップル向きのマンション・・・・
ネットのヘビーユーザーで、料理もする、若い社会人・・・・
などなど。

ターゲットを「どこまで絞りきる」か、
そこは考えなければなりませんが、
需要と供給の実態が把握できていれば、
思い切った「絞り込み」も可能になりますね。

もちろん、
この作業は対象となる物件の、
専有面積、立地、現在の間取・設備、構造などの制約を受けます。
新築ではないので既存物件の制約があるのは当然です。
これらの制約の中で、
マーケットに不足している物件タイプを想定するのです。

つづいて、
ターゲットが「その物件タイプ」に払える家賃を想定します。

2LDKを1LDKに間取変更するとき、
カップルから単身者にターゲットが変わるので
「払える家賃」が下がるときもありますので注意してください。

そして、
その「払える家賃」によって、リニューアル総予算の上限が決まります。
たとえば、
「払える家賃」の24ヶ月分を上限とする場合・・・・
想定家賃が8万円なら、一部屋のリニューアルの上限は200万円ほどと計算します。
満室になれば2年で元がとれる、という予算設定です。

もちろん24ヶ月分を超えてはいけない、ということではありませんが、
回収期間が長くなるなら、それを裏付けるシミュレーションが必要ですね。
つまり、多年度にわたる投資分析をオーナーは見たいでしょう。

ひ そしていよいよ、
設定した予算の範囲内で企画案を考えます。

まずは間取です。
「既存の間取」という制約の中で、
部屋の広さ、収納力、水回り設備の使い勝手 等の観点で検討しましょう。
もちろん、ターゲットとしたお客様の「望むもの」を最優先に考えます。
比較的安価でインパクトが大きいのは「壁クロスと照明器具」です。
ターゲットに的を絞って、ある程度は「思い切った」ものを採用してみましょう。

次に重要度が高いのは設備です。
築年数が経っていますから、単に取り換えるものと
新規に付け加えた方が良いもの、があります。
入居者アンケートなどを見れば
・備え付けエアコン
・バストイレ別
・追いだき機能付き風呂
・独立洗面台
・ガスコンロキッチン
などが、「絶対に欲しい設備」リストの上位に並びます。

予算によっては「取り換え」ではなく、
ユニットバスやキッチンセットなど、
カッティングシート等の「部分的な補修」で対応できるものもあります。
こちらも、ターゲットが求める設備が最優先となります。

セキュリティは設備の中に入りますが、
どのターゲットに対しても重要なインパクトがあります。
特にニーズが多いのは
・ディンプルキーなどのピッキング対策のカギ
・TVモニター付きインターフォン です。
このふたつは、
ひとり暮らしの男性も女性も、
ふたり~ファミリーの世帯も、等しくニーズの上位に挙げています。

リニューアルの際には無視してはならないポイントです。

外溝・外観・デザインもお客様にとっては重要です。
予算の都合でなかなか手が回らない部分でもあります。
でも、予算がないからと言って「手を付けない」のはダメですよね。
お客様は内見のときに、外溝や外観を見た瞬間に、
住むか住まないかの70%程度を決めている、という意見もあるぐらいです。
部屋に多額の手間と費用をかけたのに、
外溝・外観が「何もなし」というのはアンバランスですね。

部屋のリニューアル予算が募集賃料の24ヶ月以内で収まっているなら
外溝・外観は別予算という計算でもいいと思います。

どうしても予算が足らないときは、
名称プレートや郵便ポストや植栽を変えるなどの簡単な企画でも効果があります。
実際に、植栽やゲートに工夫しただけで、大きな効果をもたらして例があります。
外壁はそのままで部分的にタイルを貼るとか、
正面の「よく見える」ところだけ塗装するとか、
そこはアイデアの「出しどころ」です。

さて、
このような企画はリフォーム業者さんと連携しながら検討することになります。
リフォーム業者さんも、
あなたから継続的にリニューアルの仕事が提供されるとなれば、
真剣に取り組んでくれるのではないでしょうか。
そのような業者さんを見つけましょう。

あらゆる方向から見て「これで行こう」という企画がまとまったら
オーナーへのプレゼンテーションです。
間取図や外観のビフォーアフター、
設備の写真一覧など、
オーナーさんに分かりやすいものを作成してください。

この資料はリフォーム業者さんも作ってくるでしょをうが、
素人のオーナーの目線で見直すことが重要です。

実は重要なのは、リニューアルを実施したときのシミュレーションです。

どんなにリニューアル案が素晴らしく、
間取図や設備写真集などのプレゼン資料が「よくできて」いても、
シミュレーションが貧弱だと「説得力」に欠けてしまいます。

次回は「リニューアル企画のシミュレーション」の作り方です。

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