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物件の総合力が求められている

オーナーが持っている「賃貸物件の秤(はかり)」が均衡を取り戻せば、
それだけで部屋が決まることもあるでしょう。
ターゲットがしっかり定まり(需要がある)、
ライバルとなる物件が少ない(供給が不足している)、
という状況なら「それだけでも」決まる可能性が高いです。

秤(はかり)の図はこちらです。
http://geonetwork.co.jp/downloads/images/120213.jpg

でも現実は、そんなに簡単ではありません。
少し設備を追加したり、お部屋のクロスを張り替えたからといって、
「たちどころに」決まるわけではありませんね。
同じレベルのライバルは、他にも多くありますから。
秤(はかり)の均衡がとれているのが「当たり前」のことであり、
スタートラインに立ったに過ぎないのです。

だから多くの場合は、秤(はかり)のバランスが戻っても、
それだけで部屋が決まるとは限らない。
つぎは「見せ方」と「貸し方」でライバルに差を付けなければなりません。
同じ商品でも「見せ方」で全然違いますよね。
あるいは「売り方」で売れ行きが桁違いに変わることがあります。

昔、携帯電話を「誰でも」持っている時代ではないとき・・・・・
電話機も月々の料金も高くて、なかなか手が出ない状態でした。
そんなとき「携帯電話ゼロ円」で売り出した(?)会社がありました。

驚きましたね。
4万円以上もしている機械を「タダ」で配るのですから・・・・
後で、そのビジネスモデルを我々は知ることになりますが、
当時は「それじゃ大赤字でしょ」と誰でも思ったわけです。
でも、機械を赤字で売っても、月々の通話料で全然元が取れるワケですね。
それで、携帯電話が一気に広がったように記憶しています。

これが「売り方」です。

4万円の「もの」を、せいぜい30%引きくらいで売り続けても
売れる料は「並み」程度です。
でも「タダ」で配ったら、その量は爆発的になります。
売り方ひとつで売れ行きが桁違いに違う、という好例ですよね。

ですから、あなたがオーナーに提案して、ひ せっかく秤(はかり)のバランスが戻った部屋ですから、
今度は「見せ方」と「貸し方」に工夫をすべきなのです。

まず、「見せ方」の代表選手はインターネットです。
インターネットでの「見せ方」にも工夫は色々あると思いますが
提案するのはシンプルに一つだけ・・・・
それは、
物件の個性を表現するために「20枚以上の写真」を掲載しましょう。
・・・・ということです。

簡単に「20枚」と書きましたが、
それこそ簡単に見過ごさないでください。
とても重要なポイントです。

現在インターネットでは、
数10万円の中古自動車でも、写真は10枚~20枚は掲載しています。
※「カーセンサー」等で確かめてください。
たとえ数千円の電気製品であっても、4~5枚の写真で紹介しています。

あなたが紹介するのは、月に数万円も払い続ける高額商品です。
その情報を売るのに、間取図とたった数枚の写真で足りるはずがないと思いませんか。

いますぐに「スーモ」で、あなたのエリアの賃貸物件を検索してみてください。
家賃が低額の物件から高額の物件まで確かめてください。
15枚以上の写真が掲載されている物件がどれだけありますか?

もし「ほとんど」だったら急がなければマズイです。
同じ枚数を掲載して、やっとエリアの中でスタートラインに立てます。
でも「数えるほど」しかなかったらチャンスでしょう。
こんな簡単に差が付く方法は、そんなに多くはありませんから。

でも、
「20枚もの写真って、いったい何を撮ったらいいの?」と言うかもしれません。
外観や部屋や設備を撮っても「たかが知れている」ワケですね。
意味のない写真を載せてもしょうがないし・・・・と思うかもしれませんね。

しかし考えてください。
その街を知らないお客様がインターネットを通じてPCの前で見ているのです。
その街に行ったこともないかもしれない。
そんなお客様なら、
物件の写真だけでなく、周りの環境も見たいと思いますよね。
だから、ターゲットに見てもらいたい個所は、
エントランスや室内はもちろんですが、
近くにある公園やコンビニやスーパーなどの周辺の施設、
周りの景色や駅前の写真まで、すべて掲載し尽くしましょう。
そうしたら、20枚でも足らないかもしれませんよ。

写真の枚数は本当に重要です。
同じエリアのライバルに差を付けてください。

つぎの「見せ方の工夫」は案内図面です。

この案内図面にも同じだけの写真や間取図を掲載しましょう。
となると、必然的にB4用紙1枚の紙面では入りきりませんよね。
2~3枚組の案内図になってしまうはずです。
一枚目が物件概要と外観と間取り図、
二枚目が物件の写真集、
三枚目は近隣の施設や公園や駅前の写真集・・・・とか。

そして、この案内図面を「客付け業者さん」に配ります。

近隣の主な客付け業者には図面を配布しているはずですが、
その図面は白黒ではなくカラーで配りましょう。
せっかく間取りや写真を苦労して「見やすく」作ったのに、
白黒では台無しですよね。

・・・・ということは、
送る方法は、FAXではなく、手渡しか郵送ということになりますね。

あなたも、FAXで送ってきた案内図面では「本気」にならないのではないでしょうか。
白黒だし、画像もさらに汚いし・・・・・
特に、客付け力のある業者には「手渡し」で配布すべきです。
そして、真剣にお客様に紹介してもらうようお願いしましょう。

客付け業者には本気で案内してもらうことが重要です。
同じ案内でも「当て物件」扱いをされてはたまりませんね。
それはなくても、「その他の物件の中の一つ」としてでなく、
常に「本命」として扱ってもらう必要があります。
そのためには、オーナーからのバックフィーを渡すことはもちろん、
担当者へ報償を出すことも検討してもいいのではないでしょうか。

ここで、空室対策をもうひとつの「観点」から見てみることにします。

それは、お客様に部屋を見ていただくため、
つまり、「案内の回数を増やすため」の手段と、
「案内後の申し込み率を上げるため」の手段を、別に考えることです。

今まで述べてきた、
インターネットネットや、案内図面や、客付け業者への協力依頼や、担当者報酬は、
すべて「案内を増やすため」の工夫でしたね。

それ以外にお客様に選んでいただいて、案内を増やす手段として、どんなものがあるでしょうか。
現場では、次のような方法が採用されています。
ひ ・初期費用がゼロ円で入居できる部屋
ホテルのように入居時にはお金を請求せず、
月末から翌月分の家賃等を請求するシステムです。
実際には、日割り家賃や、保険料、連帯保証料などが必要なはずです。
それらは「誰がいつ」負担するのか、というと、
足りない分は、フリーレント扱いでオーナーが負担する仕組みになっているのです。
ただ「フリーレント」と表現するより、「ゼロ円で入居」の方がインパクトがあります。
だから、この方法が採用されているのです

・月額100円で入居できる部屋
最初の月、あるいは翌月も、「家賃は100円です」といって貸します。
もちろん、そのあとは通常の家賃ですよ。
これもフリーレントの表現を変えたバージョンです。
ただ「フリーレント」と表現するよりインパクトがあります。
半年間は○円引き、とかいうバージョンもあります。

・クロスが選べる
部屋の一面や全面のクロスを、お客様が自由に選んで入居できるサービスです。
自分が選んだクロスなら長く住もうと思うので、テナント・リテンションとしても効果が期待できますね。
もっと徹底して「カスタマイズできる部屋」も登場しています。
つまり「改造オッケイ」の部屋です。

・家具付きの部屋
その家具はターゲットにもよりますが、モデルルーム用に設置したモノを
「そのまま使えますよ」というアピールも有効だと思います。
「どんな家具だろう」と誰でも思いますよね。

空室期間が長い物件は、どこかに原因があります。
その原因を改善するのが空室対策ですが、
そのためにはまず「案内されているか」どうかをチェックすべきです。
案内が少なければ決まるはずがありませんし、
案内が発生しないのは、何か原因があるのです。
その原因を改善して、まず案内を増やすことを考えるのです。

インターネットや業者さんの店頭で、
お客様に「見てみよう」と思っていただける工夫を最大限にしましょう。
そして、ライバル物件に負けないようにアピールさせましょう。

もうひとつの観点は、
案内後の申し込み率を高めるための手段を考えることです。

そのためには、部屋を「一目見て気に入って」いただく必要があるワケです。
まず基本ですが、部屋が汚れていたり「臭い」がするのは話になりません。
そこで、空いている部屋の日常管理が重要になります。
空室は、いつ案内があっても最適な状態に保っておくべきですね。
定期的(7日~10日ごと)に空室を巡回して、空気の入れ替えと簡単な掃除をしましょう。
埃(ほこり)や臭いを防ぎ、「なんとなく薄汚れている感」を取り除きましょう。

3点セットとして、
・玄関マット、スリッパ、消臭剤
・照明器具
・カーテン
は必須アイテムです。

さらに家具をセットしてモデルルームのように演出します。
これらは空室対策として、もはや当たり前になっていますね。

お客様のために、現場に色々なグッズを置いている業者さんも増えています。

・間取図と巻き尺
お客様にサイズを測って記入していただきます。
その行為は、お客様に本気で住む気を起こさせるでしょう。

・周辺マップ
物件を中心において、生活に必要な施設をマップ上に落としたものです。
このマップは、どこの業者さんでもお客様に一番好評だそうです。

・オーナーからの挨拶ひ  さりげなくオーナーの「ウエルカム」の気持ちを伝えます。

ひ これも「基本中の基本」ですが、外観・エントランスと通路の日頃の整備は重要ですね。
部屋が整っていても「そこが」乱れていたらダメでしょう。
お客様は外観を見て、通路を歩いて部屋に向かう途中にも目を配っています。
部屋に行く着くまでの過程が乱れていたら
部屋を見る前に「ここはやめよう」と決めています。
いくら室内を準備しても台無しになります。

空室対策は、ひとつの設備を追加するとか、入居条件を変えるとか、
そのような単発の処方箋だけでは難しくなってきています。
物件全体での総合力が求められるのです。

ひ さて、もうひとつ空室対策で大事なことがあります。
それは、
「対策を進めるための社内体制づくり」です。

続きは次回といたしましょう。

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