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スタッフの営業力アップ アプローチ編

【管理を増やすために欠かせない14の講座】の9日目を書きましたが、
せっかくなので、これもシェアさせていただきたいと思います。

「営業力アップ」の講座は3つのステップで進めていきます。
「アプローチ」と、
「プレゼンテーション」と、
「クロージング」です。

その中でも、本日の「アプローチ」が一番重要です。

これが上手くいけば「プレゼンテーション」はスムーズに進みます。
「クロージング」は不要になることも多いです。
案内した時に、お客様は「決めている」状態になっているのです。

さて、
営業とは「お客様に商品を説明すること」と勘違いしている人が多いですね。
僕のコンサルタントの現場でも、
お客様と会ってから5分くらいで、物件の説明を始める営業スタッフが多くいます。

この営業スタッフは、「アプローチ」を無視しているのです。
だから「決まらない」のですね。
あなたや、あなたのスタッフは、そんなことはありませんよね?

では本題に入りましょう。
「アプローチ」もまた、3つのステップで成り立っています。
これは、ひとつひとつが土台になって積み重なっています。
下の土台がしっかりしていないと、上の方で崩れてしまう・・・・
そんな関係です。

ひとつめは「最初のあいさつ」

ふたつめは「信頼関係づくり」

みっつめは「お客様の情報収集」 です。

ひとつめの、「最初のあいさつ」から説明しましょう。

人は、会った時の第一印象で大きく左右されるのは、ご存知ですね。
最初は「見た目9割」、とか言われます。
この第一印象を悪くすると、挽回するのが大変です。
「その日のうちに即決」、が前提の賃貸仲介では致命傷となります。
だから、最初の「出会いの1分間」で決まると言っても「大げさ」ではありません。

ここを「ないがしろ」にしている営業スタッフが多いです。

僕は研修で、この「出会いの大切さ」を新人に教えるのですが、
僕の言う「挨拶のときの3つの基本要素」の説明を始めると、

「いつも言われてる」

「もう聞き飽きた」

「また、その話か・・・・・」
という反応が返ってきます。

下手をすると小学校から言われ続けてる「はなし」ですから・・・
気を付けないと「軽く」流されてしまうので、口を酸っぱくして言います。

でもこれは、大切なことだから「言われ続ける」ているのです。
「耳タコ」かもしれませんが、真剣に耳を傾けてください。
その「3つの基本」とは、

「清潔感」があって「元気に明るく」そして「礼儀正しく振る舞う」ことです。

・・・・・・・・・・・・やっぱり「なぁーんだ」と思いましたか?

余談ですが、数か月前にある「営業本」に巡り会いました。
著者は「加賀田 晃」と言う方で「営業の神様」と言われている人です。
生涯の決定率が「99%」という、ほとんど「会ったら売る」という達人です。
※興味のある方はサンマーク出版で探してください。IPADでもダウンロードできます。

この本を読んでいて、飛び上がるように嬉しかったページがありました。
このアプローチのときの考え方が、ぼくと一緒だったのです。
加賀田先生は、「売れるか売れないかは、アプローチで50%が決まる」と書いています。
そしてアプローチで大事なのは、「清潔感、明るさ、元気、礼儀正しさ」と書いています。
まったく同じでした。
すごく、嬉しかったですね。

僕が「清潔感、元気で明るく、礼儀正しく」を重要視するのは、
若いころに営業を教えてもらった部長さんの影響です。
当時は鬼軍曹と思ってしましたが、この3つを徹底的に仕込まれました。
笑顔と、声の出し方と、お辞儀の練習を何度もやらされました。

アパート提案で地主さんを飛び込み訪問していたのですが、
大きな声で「おはよーございます!」と言って、「ビシッ」とお辞儀をして入ると、
とても良い印象を与えることが出来ていることを実感できました。
不思議なもので、そう実感できると「上手くいきそう」と自信が湧いてくるのです。

「当たり前」と言われる、このような基本を、出来ている人が少ないのです。
だから、最初の第一印象で、「なんか清々しいな、この人は」と思ってもらえるのです。

騙されたと思って、やってみてください。
お客様の反応を見ていれば分かりますよ。

「清潔感」については、もうお分かりですね。
基本は、紺のスーツ、白いワイシャツ、黒い靴。
ベルトも名刺入れも黒です。
髪の毛、髭、爪の先・・・・・・
特に爪の先は、物件資料を指さすので、スゴク目立ちます。
時計も目立ちます。
テーマは「清々しさ」です。

「元気に明るく」は、笑顔と発声です。
笑顔は鏡の前で練習すれば「できる」ようになれます。
声は、毎朝、発声練習しないと出てきません。
朝礼で「接客七大用語」を大きな声で唱和したり、
「あっえっいっうっえっおっあっおっ」なんて声を出したりしていますが、
あれは意味があるのです。
ただ、もう少したくさん声を出した方がいいです。

「礼儀正しく」の基本はお辞儀です。
「ビシッ」と頭を下げて2秒くらい静止してください。

研修でロープレをたくさんやりますが、
この3拍子が揃った人は、100人中1人か2人くらい・・・
そんな印象です。

第一印象をクリアしたら、
ふたつめは「信頼関係づくり」です。

お客様は、あなたに対して、最初は警戒感や不信感を抱いているものです。
営業と見れば「売り込まれまい」と、無意識でも身構えています。
いまの世の中は、ネットでもテレビでも、油断すると「売り込まれて」しまいますから
知らず知らずに用心しています。
まして、一生のうちに何度も行くことのない不動産屋ですからね。
その警戒感が解けないうちに営業的な行為に「ハバンバン」と出ると、お客様は殻にこもります。
無意識に、ガードを上げるのです。

まず最初は、

「この人は誠実そうだ」

「強引に売り込むタイプではない」

「知識も豊富にある」

という印象を与えたいのです。

さて、どのようにしたら「そのような」印象が与えることができるのか?
これは、分かりやすく言うと「好感をもたれること」です。
あなたを「好き」になってもらうことです。
そう考えれば分かりやすいです。
そして大原則・・・・

「人は、自分を好きになってくれる人を好きになる」

お客様から嫌われたければ簡単ですね。
「なんだ、この客は・・・・やな奴」と思えばいいです。
態度に明確に出さなくても、相手もあなたを同じように思いますから・・・

僕も「あまり好きでない」不動産会社の社長さんがいますが、
相手も100%、僕のことを好きではないですよ。
会合で会ったとしても、目も合わせませんから・・・・・・(笑)

人は自分と似ているひとに親近感を覚えますね。
僕は映画をよく見ますが(休みの日だと2~3本。平日の夜も週に1~2本)、
映画好きな人とだったら何時間でもお喋りしたいです。
だから、お客様と共通の話題を探すのは「人間関係つくり」に有効です。

人は「褒められる」のも嬉しいものです。
僕は研修が終わった時に、「100%お世辞」と分かっていても、
「先生の話はスゴク良かったです」と言われると嬉しいのです。
お世辞と分かっていても、「いくつ」になっても、褒められると嬉しいです。
「ほんの少しは本音が混じってるかも…」と期待するのが人間ですね。

赤ちゃんを抱いているお母さんには「可愛いですね。何ヶ月ですか?」と声をかけます。
それは礼儀というものです。
それが「何か月」であっても、「わぁー、可愛いときですねぇ」と
声をイチオクターブくらい上げて反応するのです。

人はユーモアも好きです。
「笑いは心の垣根を取り払う」と言いますから。

ひとは自分が求めていることで、知識が豊富な人を無条件で信頼します。

権威も重要です。
私たちが初めて会ったお医者さんの勧める薬を平気で飲んだり、
注射針をさされるのを容認するのは、「権威」を感じているからです。

さて、お客様に「心のガード」を下げていただいたら、
みっつめは「お客様の情報収集」です。v
なぜ情報収集する必要があるのでしょうか。
それは、お客様に紹介する物件を見つけるため、ですね。

このように書くと、
ただお客様の希望を「詳細に聞きだす」ことが目的のように思うかもしれません。
「詳細を聞き出す」ことはもちろん重要ですが、
目的は、「あなたが勧めたい、現実的な希望条件」に誘導すること、なのです。
ただ質問するのではありません。
質問しながら、結論を誘導するのです。

賃貸物件の希望条件の三要素は、
「予算」と「間取り」と「場所」でしたね。
この3つを確認しただけでは、「詳細に聞きだした」したことにはなりません。

なぜ、住み替えようとしているのか。
新しい住まいでどのような暮らしをしたいと思っているのか、を知りたいのです。

新人には、つぎのようなコツを教えています。
(ベテランのあなたには「今さら」という話でしょう)

希望条件は聞きっぱなしにしないで、「現在は?」「なぜ?」と質問を広げていきます。

たとえば、
間取りの希望を聞いたときに「2LDK」と答えが返ってきたとします。
質問をこれで終わりにせず、続けて「現在の間取り」を聞きます。
もし「2DK」と答えたら、さらに、
「各部屋の広さは?」「面積は?」と聞いていきます。
このお客様は「リビングルームを広くしたい」という要望が想像できますね。
(当たり前ですが・・・)
この要望が「強烈」なものなのか「並み」程度なのか、質問によって確認する必要があるのです。

そのために、質問を更に展開していきます。
「では、広いリビングルームがご希望なのですね」
「現在のDKでは、狭くて不便ですか」
「何か具体的に、置きたい家具などがありますか」
このように「なぜ?」と「希望の強さ」の答えを見つけていくのです。

「予算」「場所」「希望する設備」「希望する周辺施設」など、
同じように「現在」と「なぜ」を尋ねていきます。

これも新人向きの説明ですが、
お客様が望んでいることは、すべて聞き出して、テーブルの上に並べてもらすます。
ただし、「並べっぱなし」ではいけません。

「どうしても必要なもの」 と
「あったらいいな」 というものと
「今回は諦めるもの」 と振り分けます。
「諦めさせる」のが大事です。
そしてもうひとつ、条件に対して優先順位をつけるように誘導します。

重要なのは「誘導」です。
この問答によって、これから探して紹介する物件の輪郭を明らかにしていきますが、
その結論を「現実的な希望条件」へ誘導することが重要なのです。

そのときのテクニックとして「定義づけ」というものがあります。
定義とは何でしょうか?
2LDKの例で続けてみましょう。

さきほどのお客様から、
「どうしても2LDK」と条件を特定されると、物件が紹介しにくくなりますね。
3DKや、少し広めの2DKや、場合によっては1LDKでも紹介したいですね。
そこにお客様を誘導したいのです。

その場合は、
・2LDKは人気がある間取りであること。
・100ある物件のうち、せいぜい「5」くらいしか供給されていないこと。
・なかなか退去しないので「品薄状態」であること。
・入居希望日までに「たまたま空く」物件にしか巡り会えないこと。
以上のような主旨を話しておきます。

3DKや、少し広めの2DKや、場合によっては1LDKでも良い、と思ってもらうことと、
もうひとつ、
実際に紹介した2LDKに、「有難味」をより強く感じてもらえる効果があります。

冷たい水に手を入れてから常温水に浸すと「温かく」感じますね。
もし冷たく感じるように誘導したいなら、先に温かい水に手を浸けさせればいいですよね。

これを「定義づけ」といいます。

単に希望を聞くのではなく、お客様を、あなたの行きたいところに連れていってあげてください。
「誘導」という意味がお分かりいただけたでしょうか。

「アプローチ」の最後に、お客様の希望条件を声に出して確認します。

「それでは〇〇様のご希望を確認させていただきますが・・・・」
「ご予算は〇万円までの範囲で、良い物件があれば少しのオーバーはオッケイ・・・」
「間取りは〇〇が第一希望ですが、〇〇や〇〇でも大丈夫・・・・」
「希望設備は〇〇と〇〇。もし〇〇と〇〇が付いていたら更に良い・・・・」

誘導して得た結論を、お客様に承認いただくのです。

この誘導は、強引に引っ張ろうとすると上手くいきません。

「最初のあいさつ」で、「良い第一印象」を強烈に与えて、
「信頼関係づくり」で、「心地よい」なかで「あなたの専門性」を理解していただく。
このような土台があるので「誘導」できるのです。

医者と患者の関係と同じです。

これが出来ていると「プレゼンテーション」はスムーズに進みます。
「クロージング」でも抵抗されません。

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