「申し込み」へのラストスパーが始まったら、
「話しては質問」 「話しては質問」で会話を主導します。
シナリオで例を示しましょう。
営業:〇〇さま。お疲れ様でした。
3件ほど見ていただきましたが、〇〇さんが、もし住むとしたら、
何番目の物件がいいと思いますか?
お客:最後の物件ですね。
営業:そうですよねぇ。やっぱり最後の物件が陽当たりもいいですし、建物も綺麗でしたから。
オートロック付きマンションという「第一希望」も満たしていますし。
これなら、奥様も娘さんもご安心できまると思いますが、どうですか?
お客:そうですね。セキュリティ面の充実が一番の条件でしたから、安心です。
営業:本当に気に入っていただいた良かったです。
駅からは10分で、ご希望条件にはギリギリですが、まあ許容範囲ですよね?
お客:そうですね。もっと近いに越したことはないですが。
営業:間取の方はいかがですか。
LDKが10.5畳ありましたので、現在のお住まいより広くなりますね。
大きな液晶テレビが置けますね?
お客:ええ。広くなるので置けますね。
営業:ご希望が叶ってよかったです。
ところで、お引っ越し時期は、最初にお聞きした通りに来月末で変わりありませんか?
お客:そうですね。1ヶ月半くらい先ですけど。
営業:1ヶ月半だと、あっという間に来てしまいますね。
お引っ越しの準備は進んでいるのですか?
お客:それが全然です(笑)。決まってから始めれば間に合うと思っています。
営業:そうですね。ギリギリになって部屋を決定することはないでしょうし。
決めてからでも間に合いますね。
よくある話なのですが、お部屋を決めるときに、特に相談されるお相手とか、いらっしゃいますか?
お客:特に相談するということはありません。兄貴には報告はしますけど。
営業:そうですか。お兄さんがいらっしゃいましたね。
ところで、ご予算の方が5000円ほどオーバーしています。
1件目の物件は予算内に収まっていますが、5分ほど遠いし、築年数も5年古いです。
〇〇さんのご希望に叶うには、最後の物件くらいの家賃に、どうしてもなりますね。
家賃が5000円違うと、物件もこれだけ差がつきます。これが5000円分の価値ですね。
5000円のオーバーは大丈夫ですか?
お客:確かに、最初の物件ではちょっと遠いし、古いですね・・・・
でも、5000円のオーバーも大きいですよね。
家賃の交渉とかは・・・・・できるのですか?
営業:基本的にこちらのオーナーさんは、ギリギリのところで家賃設定をしていただいているので・・・・・・。
でも、〇〇さんのためなら、たとえ1000円でも交渉は、一所懸命にやらせていただきます。
それでは、・・・・・
このまま延々と続いてしまいますが・・・。
もちろん、これは机の上で書いたシナリオです。
ここで理解していただきたかったのは、
「話しては質問、話してては質問」という会話のパターンです。
営業が会話の主導権を完全に支配しています。
質問しながら、入居時期まで「そんなに余裕があるわけではない」ことや
「相談しないと決められない」といった抵抗の排除をしています。
最終的には、「決めるか決めないか」の質問に向かっていきます。
出来るだけ、「二者択一」の質問の方が、お客様の決断が軽く済みます。
「3階と5階と、どちらかといいますと、どちらの方がいいな、と思いますか?」
「これから洋間のクロスを貼り換えますが、今なら色が選べます。
青か茶色か、どちらかといいますと、どちらの方がいいな、と思いますか?」
営業には、「諦めない気持ち」と「当然と考える気持ち」が必要です。
特に「当然と考える気持ち」は、営業として持っていたい「心構え」です。
敷居の高い不動産屋に入ってきたのだから、
部屋の中を見たいのは「当然」。
気に入った物件に巡り会えたのだから、
申し込むのは「当然」です。
さて、思いがけなく営業の話が続いてしまいました。
来週からは別のテーマに切り替えますね。
でも・・・・
来週から4月の終わりまでは、毎週、研修をしなければならないので、
更新ができない日が多いかもしれません。