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賃貸管理会社の登録制度、オーナーに関係ある?ない?

国土交通省は3月3日、今秋にも施行される見込みの「賃貸管理業者の登録制度」の内容を明らかにしました。
この制度は、オーナーの賃貸経営にどのように関係してくるでしょう。

世の中の様々な業種には、それぞれに規制する法律がある場合が多いですね。
賃貸物件に入居者を斡旋する会社は「宅地建物取引業法」の規制を受けます。この法律に違反すると、最悪は免許の取り消しを受けて、廃業するしかなくなります。
貸金業者にも「貸金業規制法」がありますし、建設業者も同じですね。(賃貸のオーナー業には「家主規制法」なんてありません。あったら迷惑な話です)

ところが「賃貸管理」という仕事にも規制法が存在しないのです。
前出の「宅地建物取引業法」には、賃貸管理について何の記述もありません。
この法律が制定された昭和27年の時点で「賃貸管理」がオーナーにとって、これほど重要になるとは予想されていなかったのでしょう。
しかし現在は、全国で1112万戸と言われる民間借家(個人所有)のオーナーの65%が、「契約も管理も全て業者に委託」しているといわれるほど、「賃貸管理」が普及しています。いわば、「なくてはならない」存在となっています。
ちなみに統計では、募集や契約は業者に委託するが、それ以外は業者に頼らず、オーナーが全て自己管理している比率は全体の20%、としています。(住宅新報3月8日号による)意外と少ないですね。

それほど重要になっている「賃貸管理」を規制する法律がない、ということが問題視されて、それを取り締まる布告として、今回の「登録制度」となったのでしょう。
ですから、この登録制度の後には、「賃貸管理業法」の制定も噂されているのです。
さて、この「登録制度」や将来の「規制法」は、オーナーに何をもたらすのでしょう。

まず登録は業者の「任意」です。登録しなくても罰則もありません。
未登録でも「賃貸管理業務」は今までと変わりなく行えます。
そういう意味では、「登録が伸び悩むのではないか」という懸念はあるようです。
でも、制度が施行されれば「登録業者」と「未登録業者」に色分けされますし、店舗内に掲げる登録証や登録業者マークも用意されるでしょう。
この業界に永く身を置く者して、私たちの業界には、「この手の登録には進んで応じる」人たちが多いと予想しています。
登録すれば、「ルールを違反した業者は登録抹消」という罰則規定が適用されることになります。 どのようなルールが想定されているか、というと・・・。

まず、「管理契約内容に関する重要事項説明や書面の交付」とあります。
これはオーナーに対して業者が、管理内容について所定の書面で説明することが義務化されるものと思われます。
賃貸管理は契約行為ですから、「ここまではやる」「ここから先はできない」という線引きは大切ですね。
管理内容がお互いに明確になる、というのは「良い事」だと思います。
「貸主に対する定期的な管理事務の報告」というのもあります。
現在でも「家賃の集金報告書」がありますが、それ以外の報告書を義務付けるのでしょうか。
管理会社にとっては「ドキドキ」ですね。

「財産の分別管理」という項目もあります。オーナーから預かる賃料や敷金等の管理を、「しっかり分別して管理せよ」ということでしょう。
管理会社が倒産すると、数カ月分の賃料がオーナーの手に渡らない、というトラブルも過去にありました。

ここまでの内容を見ると、この「登録制度」はオーナーにとって利点が多いのではないでしょうか。
借主にも関係するルールとして、「敷金精算の算定額の交付」というものがあります。
原状回復費用の負担のトラブルは今でも増え続けているようです。
それを防止するために管理業者が「算定の基準や金額」を示して、貸主と借主が合意して契約するように義務づけたものと思われます。
トラブル防止に効果があるかもしれません。

そして管理会社は毎年、「業務状況や財産の分別管理状況の報告」を(おそらく県庁等の住宅指導課に)提出しなければならなくなります。
この報告書は、オーナーも借主も閲覧できるので、借主が「物件選択」の判断材料として活用することを期待している、そうです。

さて、管理業者の「登録」から「規制」の流れの中で、オーナーにとっての一番の利点は、「オーナーの立場の賃貸管理会社」というものが確立されていくことではないかと思います。
今は、「オーナーのための管理業務」と「自社が儲けるための管理業務」が入り混じっています。

今回の「登録制度」によって「曲がりなりにも」ルールが生まれます。
最初は「甘いルール」から入るかもしれませんが(厳しいルールだと登録しないので)、徐々にルールは厳格化される習性があります。「規制法」に進化するなら「なおさら」です。
その中で「いい加減」な管理会社は淘汰されていくとともに、「オーナーの立場の賃貸管理会社」というものが確立されていくはずです。
そのような制度を作り上げることを国土交通省には期待したいものです。

 

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