今回は、
管理を増やすための効果的な方法として、
オーナーセミナーを取り上げます。
全3回の予定です。
管理したいと願っている物件のオーナーを集めて、
「セミナーをやりましょう」と言うと、
多くの管理会社のスタッフさんは
「それは難しい」と反応します。
セミナー開催に慣れていない人にしてみれば、
えらく面倒で難しいことに思えるでしょう。
なぜ、大家さん向けのセミナーが、
管理を増やすのに効果的なのでしょうか。
それが理解できなければ、
このビデオは、単なる、
ひとつの情報としか、伝わらないでしょう。
まだ取り引きのない大家さんから、
管理契約をいただくためには、
大家さんと面談して、
あなたの賃貸管理の説明をする必要があります。
一番 手っ取り早いのは、軒並み、大家さんを訪問して、
賃貸管理の話を聞いてもらうことです。
しかし、あなたを知らない、
あなたの賃貸管理に興味のない大家さんに、
いきなり会いに行っても、
なかなか話をする機会はつかめません。
もし、幸運にも、
話しを聞いてくれる優しい大家さんに巡り会えても、
管理を依頼してくれることはありません。
なぜか、と言うと、
大家さんは、真剣に話を聞いてくれた訳ではないからです。
あなたが、管理を委託されたい大家さんに、
賃貸管理の話をする時は、
大家さんが、真剣に話を聞いてくれるという
状態を作る必要があるのです。
賃貸管理の話をするのが目的ではなく、
その話のあとに、
「管理を任せる」と言ってもらうことが目的です。
管理の話を真剣に聞いてくれなければ、
大切な資産を任せると決断してくれるはずはないのです。
では、管理の話を、真剣に聞いてくれる時間を、
どのように作ればよいでしょうか。
まず、管理大家さんや媒介大家さんから攻めるのがよい、
と言っているのは、
この大家さんとは、
真剣に話を聞いてくれる土壌が出来ているからです。
大家さんを紹介していただける可能性があるなら、
すべての紹介者に何度もお願いをすべき、と言うのも、
紹介された大家さんは必ず真剣に話を聞いてくれるからです。
まだ取り引きのない大家さんには、
真剣に話を聞いてくれる時間を作るために、
ダイレクトメールで、
賃貸経営に役立つ情報を送り続けています。
何回か訪問して、賃貸に関する、
いろいろな話ができるようになったとき、
「私たちの賃貸管理の説明をさせていただいてよろしいですか?」と許可をもらい、
準備した資料を使いながらプレゼンをする、
というのは、ひとつの方法です。
そして今回 お勧めする、
大家さん向けの、賃貸経営に役立つセミナーを開催して、
大家さんに こちらの土俵に乗っていただいてから、
その後に個別相談、という時間を持つことも、
真剣に話を聞いてもらえる時間を作る、効果的な方法なのです。
これが、オーナーセミナーを開催する理由です。
では、実際に、セミナーを開催することを検討するとして、
成功するオーナーセミナーについて、考えてみましょう。
まず最初に明確にしておきたいのは、
オーナーセミナーの目的です。
セミナーの目的は、
大家さんに管理の話を真剣に聞いてもらえる時間を作ること、
と申し上げましたが、
それは、オーナーセミナーの全体の目的です。
年に12回とか、2ヶ月に1度とか、
何回も行うオーナーセミナーには、
その都度の目的を、明確にしておく必要があります。
セミナーのすべての目的が、
個別相談に持ち込んで、
賃貸管理の説明をさせていただくことばかりだと、
参加する大家さんも疲れてしまいます。
そんな売り込みの強いイベントでは、
何度も参加してくれる大家さんは、いなくなってしまいます。
たとえば、以下のような目的です。
A. 信頼性を高めて「貸し」をつくる
大家さんが求めている知識や情報を無料で与えることで、
言い方は悪いかもしれませんが、
大家さんに「貸し」を作るのが目的です。
B. 知識やマインドを本気で伝えたい
時には大家さんに、
どうしても伝えておきたい知識や考え方があると思います。
空室対策の成功事例とか、
経営者としてのマインドなども、伝えたい情報です。
C. 管理受託につなげる
目的の大本命です。
あなたの賃貸管理が大家さんに価値を与えることを、
理解していただくのが目的です。
D. 媒介依頼につなげる
時には、賃貸管理ではなく、
媒介をいただくことを目的とすることもあるでしょう。
このように、
たとえば、年12回のセミナーを予定するとしたら、
AとBとCとDを目的としたセミナーが、
バランスよく配置されている、というのが理想です。
たとえば、大家さん向けのセミナーというと、
すぐに相続税などの税金セミナーを思い浮かべますが、
この目的は、AかBということになりますから、
こればかり選んでいても、管理の受託にはつながりません。
セミナーの目的が、
「信頼関係を築き、大家さんから感謝される」
という一点に絞るなら、
税金セミナーだけやっていてもよいですが、
管理の話を聞いてくれるキッカケが目的なら、
税金セミナーは、何回かに一回の割合が適当です。
そして、ぜひ、お願いしたいのは、
「会社の方針だから・・・」という理由で、
セミナーに取り組まないでほしいのです。
セミナーすることを目的にしないでください。
この話をすると、
「セミナーすることを目的になんて、しないですよ」
という返事が返ってきますが、
気をつけないと、セミナーを続けているうちに、
知らぬ間に、
セミナー開催自体が目的になっていることがあります。
そういう場合は、
「セミナーをやってるが管理受託には結びつきません」
という結果になりやすいです。
オーナーセミナーは、
大家さんと、賃貸管理について、
真剣に向き合う時間を作るためにやるものですから、
もしセミナーのあとに、
その時間を作ることが出来ない、というなら、
どうしたら、その時間が作れるようなセミナー運営ができるか、
と考えればよいです。
あるいは、
大家さんに真剣に管理の話を聞いていただいても、
結果につながらない、というのなら、
管理メニューを見直したり、
管理のプレゼン方法を、もっと効果的にするには、
と考えればよいのです。
もし「セミナーやっても管理は増えなかった」という結果なら、
きっとセミナーの目的を、はき違えているのです。
次に申し上げておきたいのは、
オーナーセミナーは、パッケージで考える、
ということです。
ぜひ、成功した、
つまり管理の受託に結びついたセミナーパッケージを、
たくさん残して欲しいと思います。
セミナーというと、
その当日のことだけを重要視してしまいがちです。
もちろん、セミナー当日の運営は大事ですが、
成功するセミナーの条件は、当日だけではありません。
成功するセミナーは5つの要素で構成されています。
1.テーマとターゲットを選ぶ
その都度のセミナーの目的に合わせて、
参加していただく大家さんと、
その方に適したセミナーテーマを選びます。
2.セミナー告知する
せっかく企画したイベントに、
参加いただけなければ意味がありません。
どのように告知して、
そのメッセージを読んでいただけるか、
これが重要です。
3.セミナーに誘う
そして参加いただくことです。
4.セミナーを開催する
ここで初めて、当日を迎えることができます。
今回のセミナーの目的が達成できるように、
段取りを組んで、運営をします。
5.セミナー後の報告をする
セミナーが終わった後の行動も大切です。
参加いただいた大家さんは、そのあとで訪問して、
感想や、今後の要望などを聞くことで、
さらに目的達成度が深まります。
お誘いしたけど、参加いただけなかった大家さんには、
セミナーの報告をするべきです。
簡単なレポートや、当日に使用した資料をお持ちすることで、
次回の参加が勧めやすくなります。
テーマとターゲットを選ぶ、
セミナー告知する、
セミナーに誘う、
セミナーを開催する、
セミナー後の報告をする、
この5つの要素を集合させることで、
目的を達成することができます。
もし、上手くいかなかったときは、
どこかを改善して、またチャレンジして、
目的達成度の高い、
成功セミナーのパッケージを完成させてください。
そしてこの成功したパッケージは、年に何回か、
スケジュールに組み込めばよいのです。
管理獲得につながったセミナーパッケージなら、
一度だけで仕舞い込むのは勿体ないです。
最後に、
セミナーテーマを決めるためのポイントを、
いくつか、まとめておきます。
テーマを決めるポイントの1番目は、
最初にも申し上げましたが、
目的を明確にすることです。
大家さんからの信頼性を高めたいのか、
大家さんの「学び」になってもらいたいのか、
あなたや会社の権威を高めたいのか、
あなたの賃貸管理と媒介の価値を高めたいのか、
その都度のセミナーの目的は1つではありませんから、
「今回のセミナーの目的」を明確にすることが、
テーマを決める大前提になります。
また、逆からアプローチする方法もあります。
あるセミナーテーマが浮かんだときに、
スコアをつけてみるのです。
たとえば、
今回のテーマは、
大家さんからの信頼性を高めるか、 で1点。
大家さんの「学び」になるか、 で1点。
あなたや会社の権威を高めるか、 で1点。
あなたの賃貸管理と媒介の価値を高めるか、 で2点。
このようなスコアで、
テーマを検討してみては いかがでしょうか。
ポイントの2番目は、
徹底してリサーチすることです。
つまり、当の大家さん本人に聞く、ということです。
管理大家さんと話をするとき、
見込み大家さんを訪問したとき、
「もし、賃貸経営のセミナーに出るとしたら、
どんなテーマが聞きたいですか」
という質問をするクセをつけておくとよいです。
3番目のポイントは、
過去の賃貸管理での出来事から、
大家さんが興味を持つテーマを探す、という方法です。
たとえば、
過去にオーナーから受けたクレーム BEST3を書き出してみます。
反対に、
過去にオーナーに喜ばれたこと BEST3を書き出してみます。
あるいは、
業者しか知らない業界の仕組みや裏話 BEST3、
というテーマも興味深いでしょう。
社内全員で、このような項目を挙げてみると、
大家さんが聞きたいテーマが見つかります。
ぜひ、
オーナーセミナーの目的を正しく理解して、
ぜひ成功するセミナーパッケージを作り上げてください。
オーナーセミナー戦略とテーマの選び方 への1件のコメント