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保証会社は「どこも同じ」ではない

心斎橋のホテルにて。
久々の原稿になります。
言い訳が許されるなら、今月は超過密スケジュールなのです。
平日は完璧に、研修とコンサルで埋まっているし、
土日は、オーナー向け情報誌の執筆で半分は空けとかなければならないし、
親戚との付き合いもあるし……

ところで、昨夜の新幹線の中でこんなCDセミナーを聞いたばかりでした。
「ノー・エクスキューズで生きなさい」

つまり、「言い訳しないこと」
というよりも、「すべて自分で決めたことだから、自分の心は自分で決めなさい」
という内容でした。
CD聞きながら「そうだよなぁ…」と納得してたのに、
朝起きたら、いきなり「言い訳の嵐」です。
修行が足らないですね・・・・・・
今日のレポートは短いですが、テーマは「連帯保証会社」です。

複数の保証会社と提携している賃貸管理会社さんが増えていますね。

理由のひとつは、
「保証会社の倒産リスクを回避する」ということでしょうか。

ひとつの保証会社とだけ付き合っていると、
その会社が倒産したら全部やられてしまうから・・・・・・

でも、付き合う相手を増やす方が、
「倒産に直面する」可能性は増えているのではないかな?
極端に言えば、100社の保証会社と付き合っていたら、
かなりの確率で「倒産に直面」できますよね。

それでも、ひとつの被害は小さくて済む、ということなのでしょうか。

小さくても被害は被害だと思いますけど。
その被害は、オーナーさんか管理会社が被ることになります。
あなたの現場のオペレーションも混乱しますね。

ところで、もし提携している保証会社が倒産したら、
あなたは「どの程度の」責任をとる腹づもりですか?

「オーナーさん、倒産するとは予想できなかったので、仕方ないですね」
と言いますか。

「オーナーさん、私が選んだ保証会社ですから、私が責任をとります」
と言いますか。

「ノー・エクスキューズで生きなさい」です。
さて、倒産リスク回避のために複数の保証会社と付き合う話ですが・・・・

僕なら、徹底的に調べて「これは大丈夫」という会社とだけ付き合うと思います。
結果的に、1社とは限らず、2社くらいになるかもしれませんが、
でも、次のような付き合い方は「しない」と思います。
複数の保証会社と付き合う、もうひとつの理由は、
「審査が落ちたときの受け皿として、審査基準のゆるい保証会社を抑えておく」
というのがあると思います。

その代表格は、日○セー○ティー でしょうか。

当たり前のように言われる「この理由」に、僕は違和感を感じます。

違和感の1番目は、
「自社の審査基準を持っていないのでは」ということ。

保証会社の審査さえを通れば良い、ということでしょうか?

僕は、自社でも同時に審査をするべき、だと思います。

自社で審査に受かって、保証会社でも受かった。
これは、問題なく「入居オッケイ」です。

自社で審査に落ちて、保証会社でも落ちた。
これは、断った方がいいですよね。

自社で審査に落ちたのに、保証会社では受かった場合と、
自社で審査に受かったのに、保証会社で落ちた場合は、
どちらも検証してみると面白いです。

どちらが事故率が高くなるか興味が湧きませんか?

入居者さんの審査基準を持たない賃貸管理会社って、
審査ノウハウのない賃貸管理会社って、信用できませんね。
違和感の2番目は、
「家賃さえ入ればいいのか」ということ。

たとえ、保証会社が家賃を払ってくれたとしても、
家賃滞納者は様々なカタチで、
他の善良な入居者に迷惑をかけている、という事実があります。

・ルールを守らない
・生活が不規則、荒れている
・他の督促者も出入りする
・挨拶もしない
・他人に文句をいう
・汚す
・子供が友達と連(つる)む

「彼ら」は、家賃だけ几帳面に遅れている訳ではありません。

こういう入居者が入ると、善良な入居者は「静かに」去っていきます。
管理会社は督促の必要がなくなるので、実態に気付きにくいです。
結果的に、入居率が下がります。

これを、「ヒューマングレードが下がる」といいます。
賃貸管理会社にとって憂慮すべき事態です。
違和感の3番目は、
「リスクを承知で「OK」を出している保証会社は、倒産のリスクが高いのでは?」
ということ。

ある管理会社では、
最初にA社に審査させ、落ちたものだけB社に回しているといいます。
10人のうち、A社の審査に受かるのは7人。
落ちた3人をB社に回すと2人は審査に受かる。
結局、審査の通過率は90%以上。

当然ですが、A社とB社では、事故率が格段に違います。

「それでも、B社は保証してくれるのだし、家賃は入ってくるし、危ない借主も断らないで済むから入居率も維持できるし・・・・」

それで大丈夫でしょうか。

あなたがB社だったら、どうやって生き残れますか?
・保証料を高くする
・督促を強引に行う
・さらにリスクを承知で新規を取りまくる

典型的な「自転車操業」に陥っているのではないでしょうか。

それこそ、倒産への道を突き進んでいるように思うのは「考えすぎ」ですかね。

 

あなたの賃貸管理の目的は、「オーナーの収益を増やすこと」です。

そのためには、
入居率を高く維持して、
家賃の未回収による損失を防ぐ必要があります。

この二つは、ある面で矛盾しています。
空室を埋めるためには、審査基準を落としてでも入居させたい。
滞納を防ぐためには、審査基準を厳しくして、不良入居者を排除したい

この矛盾を解決するのが、
「審査基準がゆるい保証会社」なのでしょう。

しかし、そんな便利な存在は「あり得ない」のではないでしょうか。
音も立てずに危機が迫っているような気がします。
少なくとも「ヒューマングレード」は下がっていきますよね。

 

もうひとつ、
保証会社に頼りすぎる弊害は、賃貸管理会社が現場に行かなくなること、です。
問題のある入居者と対面する機会が少なくなります。

オーナー向け情報誌の記事にも書きましたが、
「孤独死」を防ぐこともできません。
家賃が保証会社から入っていると、
オーナーも管理会社も、「問題なし」と考えてしまうので、
家賃滞納者の現場に行く必然性がなくなるのです。
家賃滞納者は「他にも」問題を抱えている事が多いのに。
便利なものには、必ず、裏側に「なにがしか」の問題を抱えています。
その問題を「承知の上で」、便利さを享受しなければなりません。
本日の結論は、
「連帯保証会社は、どこも同じではありません」
真剣に選ぶべきです。
大手だから、という理由だけではダメです。
審査がゆるい、という理由ではキケンです。
慎重すぎて「審査の通過率」が低すぎては使えない。
だからと言って、
落ちた入居者だけ専門に「拾わせる」保証会社なんてダメです。
連帯保証会社は、真剣に選ぶべきです。

会社の力。
審査ノウハウ。
督促の方法。
経営者の考え方。

結果的に、複数の保証会社になることは「あり」だと思います。
もうひとつ、
「連帯保証会社に頼りすぎるのはよくありません」
家賃の督促作業は「彼ら」に任せますが、
滞納者に対しては、別の角度から注視していく必要があります。
滞納者を守る必要があるかもしれないし、
滞納者と同じ屋根の下で暮らす「善良な入居者さん」を守る必要があります。
保証会社は「ただ家賃を回収するのみ」ですから。

あなたの管理物件の「ヒューマングレード」を下げないでください。

 

 

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