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恐るべし、マインドコントロール

今日のテーマは「説得の技術」です。

プロパティマネジメントから、少し離れるテーマですね。

でも、
リーシングにおいては、部屋を探しに来たお客様を「説得したい」でしょう。
空室対策を提案するときは、分からず屋のオーナーを「説得したい」ですよね。
クレームを言ってくる入居者も「説得したい」と思います。

だから、プロパティマネジメントの現場でも「人を説得する技術」は重宝するのです。

最近、実際にあった話・・・

ある賃貸管理会社から、成り行きでホームページの事で感想を求められました。
最近オープンした「オーナー向けサイト」についてです。
担当者には自信作らしいのですが、社長が「イマイチ」という評価のようです。

サイトの目的は、オーナーに「自社の賃貸管理の利点」を訴えることなのでしょう。

サイトは、ケースごとに、いくつかのカテゴリーに分けられていました。
たとえば、「急な転勤で自宅を貸す場合」とか
「高い空室率に悩んでいるオーナー様へ」とか
「自分で管理するのに疲れたら・・・」とか
色々なオーナーのケースを設定して、
「当社では、こんな風にやりますよ」みたいな説明を繰り広げています。

そのサイトを見た僕の感想は、
「ケースごとの内容(コンテンツ)が物足りない」
「いい事ばかりを並べすぎている」 というもので、
「これでは説得力がないな」と思いました。
発想はいいと思いましたけど・・・

「どうしたら良いと思うか」と社長に相談されたので、
「高い空室率に悩んでいる・・・」というケースを取り上げて、
思いついたことを提案してみました。

その提案の内容は、今回のテーマではありません。

結果的に、いまのページの5倍くらいのボリュームになりそうです。
賃貸管理の担当者が、
オーナーから相談を受けて、
あれこれと苦労しながら、
空室を解消していった、という「ストーリー仕立て」です。

社長は「ふーん」と感心したような仕草でしたが、
サイトを作った担当者は僕の提案に「噛みつき」ました。
「ホームページを作る際のセオリーに反している」と言うのです。

僕の提案通りに作るとページが縦長になり、
相当にスクロールさせないと最後まで読めないのです。
「こんな長い文章は誰も読んでくれませんよ」と彼は言いました。
「ユーザーに、なるべくスクロールさせないのがセオリーなのです」とも。

僕には僕の考えがあります。
気の短い僕は、
「そんなセオリーに縛られちゃダメだよ」なんて言う衝動に駆られましたが、
どういうワケか、その日は彼を上手く説得しよう、と思いました。
彼の言葉を制して、僕の理屈を繰り広げても、彼は納得しそうにありませんし。

ここからが、今回のテーマの「説得」の話です。
(やっと本題です)

僕は、僕の考えを説明するのをやめて
彼に質問を始めました。
以下、彼との一問一答です。

「佐藤さん(仮名)は、どんな方に、このページを見てもらいたいと考えたのですか」

「え・・・・・?」

質問の意味が分からない様子なので、質問を変えました。

「このページは、賃貸物件のオーナーさんに見てもらいたいのですよね」

「そうです」

「そのオーナーさんは、賃貸管理のことで困っている方ですか?満足している人ですか?」

「・・・・もちろん、困っている人です。」

「どんなことに困っているオーナーさんですか?」

「それは・・・・空室に困っているオーナーさんですよね。」

「そうですよね。
満室で満足しているオーナーさんが見たら、
この長ったらしいページを最後まで見ないかもしれませんよね。
あるいは、そもそも賃貸のオーナーでなかったら、
ページを開けたとたんに離れていきますよね」

「そうですけど・・・・」

気になっていたことがあったので、話題を変えました。

「佐藤さん、トップページを見て気付いたのですが、
会社の“Facebookページ”を作っているのですね」

「ええ」

「“いいね”をたくさんもらえましたか?」

「いえ、なかなか思うようにいかなくて、まだ50人くらいです」

「“Facebookページ”にファンを集めるのはどうですか?」

「難しいですね。ファンを集めるのもそうですが、
その人たちを、どうやって自社サイトに誘導するのかがよく分からないです」

「僕も“Facebookページ”のことは、あまり詳しくないのですが・・・
この前、“Facebookページで集客する方法”というレポートを手に入れました。
50ページ近くもあるので、まだ読んでいませんが、
なかなか人気のある講師のレポートみたいです。」

「へえ、そうですか・・・・」

「興味あります?」

「ええ」

「50ページもありますよ。
僕は、それほど興味がないので、なかなか読み進めないですけど」

「ええ、でも読んでみたいです」

「やっぱり、興味がある人は、50ページでも100ページでも、読んでみたいですよね」

「そうですね」

「これが、1ページか2ページのレポートだったら、期待できます?」

「できないですね・・・」

「PDFのレポートなので、あとでメールで送っておきますよ」

「有難うございます。お願いいたします」

「ところで佐藤さん、さっきのオーナー向けのページのことですけど・・・・
結局、このページはどんな方に見てもらいたいのですか?」

「空室を埋めることに興味のあるオーナーさんです」

「いま満室で、空室を埋めることに興味のないオーナーさんはどうですか?」

「まあ、見てもらうに越したことはないですけど、
このページのターゲットではないですね」

「そうですよね。興味のない方には読んでもらえなくてもいいのですよね。
その、空室を埋めることに興味のあるオーナーさんは、
ページが長くて文章が多いと、読むのを諦めるのでしょうか?」

「・・・・・いや、そんなことはないですね・・・。
興味があれば、文章が長くても読んでくれますね(笑)」

「でも、出だしがダラダラして、面白くなかったら・・・・?」

「途中で読むのをやめるでしょうね」

「そうですよね。大事なのは何でしょう?」

「文章の長さではなく、内容ですかね・・・」

「僕も同感です。ただし、内容を面白く、そして濃くしようとすると・・・」

「どうしても長くなるんですね(笑)」

「その通りです(笑)」

作ったような「やりとり」ですけど、本当の話ですよ。
脚色は加えてありますけど・・・・
それもかなり・・・・

僕は気が短いタイプの方なので、通常は、
「それは違うよ」とか
「僕の考えでは・・・」とか
すぐにやってしまいます。
でも、こちらがそう言うと、相手は敢然と立ち向かってきますよね。
そんな失敗の繰り返しの人生です。

でも、相手を説得しようと思うと
こんな風に質問攻めで誘導することもあります。

上手くいくときも、いかないときも、ありますけど・・・

さて、この会話に「説得の技術」があるとすれば、どこでしょう。

いくつかありますけど・・・・考えてみてください。

まず、僕の台詞の最後は、必ず「質問」で終わっています。
だから、終始、会話をリードしています。

次に、会話のゴールを設定しています。
「興味のある人なら、長い文章でも読んでくれる」という考え方のゴールです。
そして、「興味のある方にとっては、少ない情報の方が物足りない」という考えです。
(ただし、ダラダラの展開では読んでくれませんよ)

最後に、「答えは相手に言わせてる」ということです。

これ・・・説得の極意だと思います。
(僕は死ぬまで極意に達せないですけど)

だから、人を説得するときは、この「質問の技法」はとても重要ですね。
リーシングのクロージングで試してみてください。
「お客さん、ここに決めましょうよ」ではなくて、お客さんの方から
「〇〇さんが言うように、この部屋が、自分の希望に一番近いですね」
と言わせるように、会話をリードするのです。

黒柳徹子さんも、
明石家さんまさんも、
ゲストに対する質問と「受け」が上手ですよね。
だから、番組に、適度の緊迫感があって面白いのだと思います。
ゲストに思うように喋らせているようですが、完全に会話を支配しています。

彼らも、ちゃんと「ゴール」を設定して質問していますね。

いま、最も「説得と誘導」の巧みな人・・・
週刊誌で話題になっている「霊能者」さんは、
この極意をマスターしているのではないでしょうか・・・・?
彼女も、相手との会話を完全に支配していると思います。

恐るべし、マインドコントロールです。

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