1. ホーム
  2. オーナー向けのメッセージ , トップ >
  3. 賃貸経営の節税とは②

賃貸経営の節税とは②

(9月17日の記事のつづき)

【座談会に参加しているオーナーのデータ】

A氏 法人化して会社に一括借上げ
F氏 法人化して建物を会社名義に
D氏 個人事業、青色申告で妻に専従者給与を支払っている
Y氏 個人事業、サラリーマンで白色申告
W氏 個人事業、家賃収入6000万円(年)のテナントビルを所有。法人化を検討している

 

司会 前回は、法人化すると必要経費の範囲が広くなる、というお話が最後でした。続きをお願いします。

W 私は青色申告にして妻と娘に専従者給与を年間600万支給しているのですが、それでも自分の課税所得は2500万を超えます。税理士にも「そろそろ法人化を」と勧められていますが、法人化にはどんな方法があるのでしょう。

A ひとつめは、建物の所有者はWさんで会社に管理を委託するという方法です。Wさんは会社に管理料を支払いますのでその分は収益を減らすことができます。でも認められる管理料には限度がありますので大きな節税は見込めないようです。

W 認められる管理料とはどれくらいですか?

A 家賃の10%程度までと言われています。

W 10%・・・。600万円くらいになりますね。

D 現在(いま)はどこかに管理を依頼しているのですか?

W 保守点検やメンテナンス関係は業者に一括で依頼していますが、家賃の集金やテナントへの連絡などは自分でやっています。

F それなら管理を会社に依頼して600万円の必要経費を増やすことは出来そうですね。もちろん実務が伴わないといけませんから管理委託契約書を交わして、実際に会社が管理業務を行うことが前提ですけど。

A ふたつめは僕のように会社に一括借り上げさせる方法です。僕の物件は昨年の実績で3800万くらいの家賃収入でしたが、それを会社に3000万円で借上げしています。

W 会社に利益が出て税金を払う必要があるのではないですか?

A 二男の嫁と末娘に会社から給与を払って実際に手伝わせています。小さな車ですがそれも仕事で使うので会社の損金(経費)になります。会社の方は利益はあまり出ないようにしています。

D Aさんに3000万円の収入があるワケですよね。

A そうなんですよね。会社に貸し出す家賃を2500万円くらいに下げたいのですが税理士から止められました。満室賃料の20%前後が相場だそうです。Fさんのように建物を会社名義にすればいいと思うのですが、たとえ自分の不動産を自分の会社に売却する場合でも税金と諸費用がかかりますから、なかなか踏み切れないです。あとは青色申告にして家内と長男の嫁に専従者給与を支給することで僕の所得を減らしています。

F でも、金利負担や減価償却や修繕経費はAさんの必要経費になりますから、会社に一括借り上げさせることによってトータルの税額は圧縮できていますよね。

A ええ、それは確かですね。
そして3つめは会社が建物所有者となる方法ですね。これはFさんが実施してらっしゃいます。

F 僕は5年前に24戸のマンションを新築したときに法人を設立して、建物名義は会社にしました。もちろん借入れも会社です。そのときは「土地の無償返還に関する届出書」という書類を僕と会社と連名で税務署に提出しました。この手続きがとても重要だそうです。

W 差支えなければ具体的な数値をお聞かせ願えますか?

F 前期の数字ですと家賃収入が2400万円でした。減価償却費、借入金利子、固定資産税、管理費その他の一般経費が1000万円程度でした。残りの1400万円は僕と家内の給与で支払っているので会社の利益はほとんどゼロになっています。

D お二人とも給与所得控除を受けているのですよね。

F もちろんです。

W 上手な節税ですよね。法人化の王道ですね。

D どうでしょうかね。税理士の言うとおりにやっているだけです(笑)。

Y 法人化のいいところばかりが出てますが、デメリットもあるのではないですか?

A 「税務調査が入りやすい」と聞きました。でも「家賃収入で年間1億円の規模が目安」とも聞いたので安心しています。

F 個人と比べるときちんと帳簿をつける必要がありますね。法人の方が厳しいので、複式簿記でしっかり記帳する必要があります。

Y Fさんは税理士さんにお任せでしょう?

F 市販の会計ソフトを使って毎月の簿記は自分でやっています。税理士さんは決算だけです。経費を削減したいので(笑)

A 法人の維持費として、法人住民税の均等割が最低7万円がかかります。役員を変更するときには登記料がかかりますね。デメリットで思いつくのはこれくらいでしょうか。

司会 法人だから認められる必要経費はありますか?

F 生命保険がありますね。生命保険を法人契約にして、経営者の僕が被保険者で、法人を保険金の受取人とし保険料も法人が支払う、という契約を結べます。個人だと合計10万円程度の所得控除が上限ですが、法人の場合は保険料の全額または2分の1が法人の損金(経費)になるみたいですよ。

A 僕と家内ともに「小規模共済」に加入して7万円ずつ積み立てています。毎月の掛金が全額所得控除になるので節税効果が大きいと思います。個人事業では一人だけの加入ですが法人だと役員全員が入れるのです。細かいですけど・・・(笑)

W 法人化のタイミングというのはどうでしょうか。

F 事業規模は小さくて少額の利益でも節税効果に期待できるのは僕がやっている「法人所有方式」のようです。節税効果がもっとも高いと説明されて僕も踏み切りました。Wさんは個人所得が2500万円を超えているようですから税率を考えても「法人化のタイミング」なのではないでしょうか。ただし、Aさんが言ったように建物を個人から会社に売却するときに印紙税、不動産取得税、登録免許税と登録費用がかかりますので、その計算はしっかりしておいた方がいいですね。

W わかりました。有難うございました。

Y 僕は小さなアパート一棟しか持っていないので、早く3~4棟で40~50室の「法人化適齢規模」になりたいです。そうすればサラリーマンも卒業できるかな。

全員 頑張ってください。

司会 みなさん、有難うございました。

管理と仲介手数料が増える!無料メルマガ 賃貸管理戸数を増やし、仲介売り上げを増やすために役立つメールマガジンを無料で公開しています。 →さらに詳しく知りたい方はこちらをクリック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です