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ひとりで賃貸管理はできない

賃貸管理の現場で、こんな光景を目撃しました。

管理会社のスタッフがリフォーム業者さんに訴えています。

「もっと安くならないですか」
「すぐに仕上げてもらえませんか」
「エー、まだ終わっていないんですか。困っちゃうなー」
「しっかりお願いしますよ、ホントに」

スタッフは20歳前半で、リフォーム会社の担当は40歳半ばです。
そして、このスタッフは入社して1年に満たないキャリアだったりします。

彼は目上の男性に向かって、なぜ、こんな態度や口調で接するのでしょうか。
「何を勘違いしてるのか」、と思いますよね。

僕は「うちのカミさん」のことを外で褒めることはないのですが、
数少ない(?)美点のひとつに、他人を「よく褒める」というクセがあります。

飲食店で食事をしていると、料理を食べるたびに「おいしー」。
配膳の方にも、レジの方にも、料理人が見えるときは料理人にも、
「美味しかったですー」と必ず声をかけます。
もちろん、ホントに美味しいと思っているからです。

褒められた相手は、営業スマイルで返す人もいるけど
心から嬉しい笑顔で返してくれる人もいます。

たまに行く寿司屋さん(高いので年に2~3回くらいしか行けませんが)で、
「この前いただいた〇〇さん特製の「カラスミ」は本当に美味しかったです」
などと言うと
「ありがとうございます。今、仕込中で明日から出すのがあるけど、食べてみます?」
と、大きく切って出してくれます。
「おいしー」と歓声をあげていると隣の客が
「我々にもください」
「スイマセン、まだ仕込中なんで、明日からお出ししようと思ってます」
なんて、やんわりと断られて「お預け」をくっています。
特別待遇されるような常連客ではないのですが、
カミさんの賛辞と笑顔に対して、そのように報いてくれるのです。

昨年の冬の、軽井沢のエクシブでの夕食のとき
配膳してくれる女性スタッフに、いつものように「おいしー」を連発していました。
彼女は僕たちの他に4テーブルくらい担当しています。
食事のコースも最後になった頃、他の4テーブルを合わせたよりも、僕らのテーブルにいる時間の方が長いくらい話し込んでいきます。
彼女は青森出身で、高卒でエクシブを運営しているリゾートトラストに入社したのだとか。
京都に配属されたら嬉しいけど、
東日本で採用された高卒のスタッフは西日本には配属されない「決まり」があるだとか。
カミさんとの間で話が盛り上がっています。
最後は「東京に来たときはウチに泊まって」としきりに勧めていました。

これで、料理の盛り加減が増えたり、一品多くなるワケではありません。
(ワインを注ぐ量くらいは増えるかも)
でも、せっかくの旅の食事が豊かになりますよね。
彼女も、無意識でも、僕らへの接客に熱が入ったはずです。

人は、他人に対して、均一のサービスを提供していません。
意識していなくても・・・、
あるいは、あえて意識しながら、
気分の良い相手に「プラスアルファ」のサービスを提供するものです。

僕も5~6年前に、
2年間だけ、不動産会社さんのサイト制作を100社以上は手掛けたことがありましたが、
ここだけの話(って、2000人以上がメルマガを読んでますけど)、
プラスマイナス「ゼロ」の品質で納品した不動産会社さんと、
プラス50%以上のエネルギーを注いで作らせてもらった不動産会社さんがあります。
もちろん料金は同じです。
打ち合わせの時から気持ちよく仕事をさせてもらえると
頼まれなくても「プラスアルファ」の仕事をするものです。

いくら言ってもあなたの提案に耳を貸さず、家賃の見直しにも応じないで、
ただ「決めろ、決めろ」というオーナーさんと、
たまに「ごくろーさま」と言ってドーナツを差し入れてくれたり、
あなたの提案を真剣に聞いてくれて、納得すれば実行してくれるオーナーさんがいたら、
あなたは、どっちの管理を一所懸命にやりますか?
道義的には、同じ管理料をいただいている以上は、同じエネルギーを注ぐべきだと言うでしょう。
でも、多くの人は「そうしない」と思います。

冒頭に紹介したリフォーム会社の担当者は
あの「勘違いしているスタッフ」からの仕事に対して、
「手抜き作業」はしないかもしれませんが「通常以上の出来栄え」で応えることはないでしょう。

この若いスタッフは、どんな勘違いをしているのでしょうか。

まず、仕事を発注する側が「偉い」と思っているのでしょう。
あなたは知っていると思いますが、発注する側と受注する側は「対等」です。
どちらが上でも下でもありません。
たしかにリフォーム会社は、
自ら営業しなくても仕事が手に入り、個別に集金しなくてもお金が入ってくる利点があります。
その対価として、一般のお客様より料金を安くして請け負っているはずです。
急な仕事にも対応してくれるでしょう。
発注側が払う費用に見合った対価を返しているのです。

そうは言っても、仕事を発注する側の方が一般的に優位なのは事実です。
だから、それを受けて2番目の勘違いが起きます。
それは、「自分が仕事を与えている」と思っているのです。
仕事を発注しているのは会社だし、百歩譲っても経営者です。
たまたま、そのときに、その会社で働いているスタッフじゃありません。
だけど、そのポジションに着くと、勘違いする子がいるんですよね。

3番目の勘違いは、文句を言えば「いい仕事」をすると思っているのでしょう。
あるいは、文句を言っても褒めても、仕事の質は変わらないと思っているのでしょう。
おおいに関係しますよね。
特に職人さんなら「気持ちよく」受けてもらった方が「いい仕事」で返してくれます。

このスタッフは、「甘やかす」ことと「評価する」ことも勘違いしているかもしれません。
相手が誰であれ「甘やかす」のはよくありません。
仕事に遅れる、ミスが多い、手抜きをする、人を見て料金を変える・・・・
このような業者さんとは付き合ってはいけませんね。
オーナーと入居者に迷惑がかかりますから。
厳重に注意を繰り返し、改善されないなら付き合いをやめるべきです。
でも、相手を褒めて正当に評価するのは「気持ちよく」仕事をしてもらうためです。
「甘やかし」ではありません。

賃貸管理という仕事は、あなたの会社だけでは成り立ちません。
多くの業者さんの協力が必要です。
料金が適正で、
納期が守られ、
仕事の質が高い。
このような業者さんを見つけて「気持ちよく」仕事をしてもらうことが、
あなたの賃貸管理の質を高めます。
あるいは、あなたの会社と付き合うことによって、
協力意識の高い業者さんに成長することが望ましいのではないでしょうか。

僕は「いい管理をしましょう」と提唱していますが、
そのために、このような業者さんと「いい関係」を保つことは必須なのですね。

もし、いま「良い協力関係が築けていないな」と思えるなら、「それ」を目指すべきです。
もし、これから賃貸管理を拡大していく予定なら、
「いい仲間」としての業者さんを得ることに、最大限に注力してください。

冒頭の「勘違いスタッフ」は、もちろん架空の人物です。
あなたの現場にはいませんよね?

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