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空室対策の一手「価値を高める具体的な方法」

今回は「家賃と価値のバランスを合わせる」ための、具体的な方法について考えたいと思います。

秤(はかり)に例えると分かりやすいでしょう。
左側に、「立地」「建物」「部屋」「設備」「条件」「サービス」という錘(おもり)があり、右側に、「家賃」という錘(おもり)が乗っています。

仮に5年の居住期間を経て退去する場合、5年前の入居時は均衡(バランス)が合っていましたが、退去して次の募集条件を決める頃は、建物・貸室の老朽化によって、秤が右側に傾いているのです。
このまま募集すると、空室期間が長引いてしまいます。

秤のバランスを戻すためには、左側の錘の「どれか」を重くするか、右側の「家賃」を軽くするか、どちらかの方法しかありません。
まず「家賃の値下げ」から考えてみます。

家賃と貸室の価値を合わすための手段として、「家賃の値下げ」は一番 簡易な方法ですね。
しかし、安易に家賃の値下げだけけで対応し続けるときのデメリットも存在します。

値下げ時のデメリット

家賃の値下げだけで対処していると収益が減りますので、やがてキャッシュフローがマイナスになる危険があります。
現金の「持ち出し」が必要になる事態です。

収入が減ると、経費が使えなくなりますので、建物設備の老朽化に拍車がかかり、さらに賃料の低下を招いてしまいます。
「老朽化へのスパイラル」に陥ると、最後の取り壊しまでの数年間が、最悪の経営となってしまいます。

「借主の質」の低下も心配です。
同じ間取タイプでも、低額の家賃しか負担できない借主が集まることになります。
家賃滞納やトラブルが増えることが懸念されます。

建物を取り壊す時の「立退き料負担」が重くなるケースも考えられます。
「低額家賃しか負担できない借主」だけが残ると、立退き交渉が難航しやすいのです。
貸主が、転居費用を負担したり、家賃の補助をしなければならなくなるでしょう。

賃貸物件は新築時の賃料を、取壊し時まで維持できませんので、長い賃貸経営の間で家賃の値下げは避けられません。
でも、安易な値下げには、数々のデメリットがあることも知っておかなければなりません。
そうでなければ「老朽化物件への坂道を転がり落ちる」危険性が待っているのです。

価値の錘(おもり)を重くするには

つぎは、左側の錘(おもり)を重くする方法を考えてみましょう。

これには、運営コストをかけなければなりません。
どのように効率よく「お金を使うか」がカギとなります。

まず、「借主の退去を防ぐ」ためにお金を使う方法です。
共用部分をいつも綺麗に保って、設備が壊れる前に取り替えたり、新しい設備を追加してあげたりすることによって、出来るだけ長く住んでもらえるようにするのです。
退去が減れば、そもそも空室対策に悩む必要がありません。

つぎに、「賃貸条件を緩和する」ためにお金を使う方法です。
「ペット可」にするなら、ペットのための設備が必要かもしれません。
これからますます、ペット可の物件も増えるでしょうから、「ペットと暮らしやすい」という差別化が必要になります。
「高齢者OK」とするなら、バリアフリーなどへの対応や、孤立死を防ぐための手段が必要です。
たしかにリスクもありますが、これから増える一方のマーケットですので、無視するワケにもいきません。

そして、「部屋をグレードアップする」ためにお金を使う方法です。
壁にアクセントクロスを採用したり、照明に洒落(しゃれ)たものを選ぶとか、家具や家電をセットして「そのまま」貸すなどのアイデアがよく聞かれるようになりました。
費用負担は多額になりますが、築20年を過ぎれば借主のニーズに合わなくなっているので、「間取の変更」という手段も考えられます。
建物の一生の「折り返し点」なら、費用対効果の合う計画も立てられるのではないでしょうか。

最後に、「建物の外観を維持する」ためにお金を使う方法です。
外壁塗装や防水処理は、建物を長く維持するためには不可欠な工事で、これを怠ると寿命が短くなることもあります。
これは大規模修繕工事の範疇(はんちゅう)になりますが、家賃とのバランスを合わすために「積極的に行う」ことも、空室対策のひとつです。

以上のように、バランスを合わせるための手段は様々ですね。
どれが一番最適なのかは、オーナー様の目的や考えによるでしょう。
取壊しの時期が分かっているなら、それまでは「値下げ」で凌(しの)ぐのも正しい判断だと思います。
その場合は、立退き料が発生しないように定期借家権を活用すべきでしょう。

これからも長く建物を維持するなら、残された時間に応じて、運営コストを効率よく「使う」ことです。
頭の良い「お金の使い方」を心がけるように、管理オーナーさんを導きましょう。

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