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反対でなく融合する

前回の投稿で、原状回復工事費用の負担について
オーナーのために世間と戦おう、みたいなことを書きました。

少なからず反応があって、
中には反対側の主張もありました。

「部屋を早く決めるためには、借主不利な条件はやめた方がいい」
「結局、退室の時に揉めると工事が遅れて、募集がストップしてしまう」

ぼくも、この意見には大賛成です。
まったく、反論の余地もないのです。

少し、今回のテーマと外れるのですが、
僕が教えてもらったマインドセットで
とても大事にしているものを紹介しますね。

それは「反対するな」です。

他人(ひと)の主張を聞いたときに
瞬時に「あ、僕は、この意見に反対だな」と反応することがありますよね。

本当に、違う意見を持っているのかもしれないけど、
この反応には無意識のうちに、
「自分のアイディンティティを示したい」という欲求があるのだと思います。

反対意見を持つことによって、自我が満たされるというか。

でも、「反対だ」と言った瞬間に
脳は、その主張をすべて、ブロックしてしまうのです。

その主張の中にも、良い部分はたくさんあるのに、
それを根こそぎブロックして
学びの機会を失ってしまいます。

だから、反対するのではなく
「融合しなさい」と教えられました。

今回の原状回復費用負担についても、考えてみれば、
「オーナーの収益を守る」という目的は同じなんですよね。

収益を守るために、
「収入を増やすか」「支出を減らすか」
そのどちらにスポットを当てるか、の違いだけです。

だから融合して、
「部屋を早く決めることを最優先にする」
「その中で、少しでも、借主に負担してもらえる方法を工夫する」
という答えを、ひとつ出してみれば良いと思います。

あとはテストと検証の繰り返しです。

そんなことで、本題ですが、
具体的に、借主に負担してもらう方法です。

一番分かりやすい例は、「敷金償却条項」を採用することです。

関西では「敷引き」と言った方が分かりやすいでしょう。

敷金返還訴訟というのが、
特に関西で多く発生したことがありました。

その裁判は、貸主側が負ける判例もでたことで、
関西で長く続いた「敷引き制度」は陰を潜めてしまい、
関東と同じく「礼金敷金制度」が一般化されました。

僕はずっと、この「敷引き制度」は評価していて
さすが「関西の人は合理的だな」と思っていたので
その流れが、とても残念でした。

しかしその後、
最高裁で「敷引き特約」が有効と認められる判決が出ています。

「通常損耗」や「経年劣化」という、
本来は借主に負担義務のない費用であっても、
特約に、目的や金額を明確に示せば、
借主に負担させることが可能なことは、
もはや議論の余地がありません。
何と言っても最高裁の判決ですから。

だけど、
「敷引き制度」から「礼金敷金制度」への流れは止まらなかったのです。
(厳密には、関東と関西の“礼金敷金”に対する考えは微妙に違うのですが)

ただし、ここで重要なのは、
「通常損耗等の修理費に充てる」という目的と、
その金額が明確に示されていることです。

そして、その金額が「妥当な範囲内」であることです。

その契約内容の説明が、
消費者にも理解できるような方法でされていることです。

少なくとも、
重要事項説明書の交付や賃貸借契約書の条項説明が、
契約締結日と同日であるのは、
「消費者に理解できる方法」とはいえませんよね。

このような契約方法を採用していたら、
何を契約書に書いても、
消費者契約法違反の裁判で負けてしまう可能性が大です。

重要事項説明書の交付と契約締結を同日にしていたら、
オーナーの利益を守るとは「口ばかり」となってしまいます。
(また反対意見がでるかもしれませんが・・・)

これらは、賃貸管理の中に「仕組み化」すれば簡単なことですよね。

敷金償却でなくとも、
特約で、借主に負担してほしい通常損耗の修理費を、
項目と金額を明確にして書いても良いでしょう。

たとえば、
ルームクリーニング費用○○円、
エアコンのクリーニング費用○○円、
キッチンとトイレの消毒費用○○円を列挙して、
「この通常損耗や経年変化の修繕費用は借主の負担とします」
と書くことは有効ですよね。

ただし、あとになって借主は
「そんなこと聞いてなかった。知らなかった」というのが常套手段なので、
丁寧な説明をした上に、
その条項欄に署名いただいて、
そのやり取りを「録音」しておくことです。

「ご理解いただけましたか?」「はい」という言葉のやり取りです。

これがあれば「訴えよう」という気が起きないのではないでしょうか。

誰かに相談しても、録音の存在を知ったら、
「訴えても無駄かも」というアドバイスを、
するのではないかと思います。

なぜ録音するのか、訝(いぶか)る借主もあるかもしれませんが、
貸主・借主の「双方のために」という理由を説明すれば、
納得すると思います。

何度もいいますが、部屋を早く埋めることが最優先です。

退去時に、借主と揉めるのも、できるだけ防ぎましょう。

でも一方で、退室のたびの重い費用負担を、
あなたの工夫で、少しでも軽くしてあげてはどうでしょうか。

それが「オーナーに支持される賃貸管理」だと思います。

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