1. ホーム
  2. トップ , 管理を増やす賃貸管理とは >
  3. 投資分析の知識が必要なの? その1

投資分析の知識が必要なの? その1

今回は投資分析の基礎知識です。

この知識がどんな時に必要か? というと・・・・

2000万円のリニューアル提案をするときに、
この投資が最善の選択かどうかを知りたくなりますね。

オーナーだけでなく、提案している我々も確信が持ちたいです。

「もしかしたら、家賃を下げて
 入居を促進した方がいいのかもしれない」

「こんなにお金をかけず、
 もっと簡単なリフォームでも有りかも」

という「迷い」が生じます。

提案している我々が迷うなら、オーナーさんは更に迷うでしょう。

そのときに「投資指標」という数値を用いることによって
どの方法がもっとも効果が高いか(つまり最善か)が分かります。

それによって、
オーナーも判断がしやすいし、我々も確信が持てますね。

また、2000万円もの投資を考えない日常においても、
賃貸経営によってオーナーが得ている
「儲け=営業純利益」が把握できれば、
適切なアドバイスをすることが出来ます。

「儲け」が増えるか、維持できるか、で判断できるからです。

これが把握できていないと、
単純に「部屋を埋める」ことしか行動の指針が持てません。

部屋を埋めるなら「家賃を下げればいい」
という考えに陥ってしまいます。

そもそも、プロパティマネジメントの目的は、

オーナーの不動産の収益を「最も多く」すること 

ですから、
「儲け」が把握できていなかったら話が始まらないワケです。

もっと本格的な投資分析が必要な場面もあります。

オーナーに新築の提案をしたり、
中古のアパートの購入を提案したり、
あるいは所有している物件の売却を勧めるケースも
あるかもしれません。

そのときは投資分析は不可欠です。
それがなければ、
闇夜に懐中電灯を持たずに行き先を決めるようなものですから。

ところで、
賃貸管理を普通にやっていると、
オーナーに中古アパートの購入や
所有物件の売却を勧めるなんて、頭にも浮かびませんよね。

投資分析をすると、そのような発想が生まれてきます。
これは結果的に(あくまでも結果的ですが)、
私たちの不動産業者としての商売にもつながります。

いろいろなケースがありますが、
そのためには投資指標を使って投資分析する必要があるのです。

それでは「投資指標」について説明しましょう。

たとえば、リニューアル計画のAとBがあったとします。

Aを実施すると年間の家賃収入が200万円増えると予想できます。
Bでは100万円です。

それだけを見ればA案の方が「いい計画」ということになりますね。

でも、A案の投資金額は2000万円が必要で
B案は1100万円だったらどうですか?

一瞬で、どっちの案が投資効率がいいか判断できますか?

A案は、 200万円÷2000万円=10%
B案は、 100万円÷1100万円=約9.1%

これは「利回り」と言いますが、
結果的にはA案の方が投資効率がいいことが分かりますね。

こんなふうに「料率」という数値で、
どっちの企画の投資効率がいいか、
安全性が高いかを客観的に見ることができるワケです。

この「利回り」にも、いくつもの利回りがあるので注意してください。
よく見るのが「表面利回り」と「実質利回り」です。
そして私たちは「実質利回り」で語るべきです。

さきほどのA案で、
2000万円を投資すれば、
部屋が100%稼働した場合で年間の家賃収入が200万円入ってくるから、
200万円÷2000万円=10% と計算したとすれば、
これは「表面利回り」です。

この200万円が、
稼働率100%の数値から、

空室想定分や滞納家賃の未回収分や
ランニングコストを差し引いたもの、

つまり純粋な営業純利益を想定した数値なら、
これは「実質利回り」です。

不動産業者から回ってくる「オーナーチェンジ」の中古収益物件は
ほとんど「表面利回り」で表示されています。

「価格は1億5千万円で満室時の年間家賃収入1500万円で利回り10%」
などというものです。

「満室稼働中」などと謳っています。

ほんの瞬間を切り取ると、
この条件で本当に稼働しているのかもしれません。
(でないと、虚偽広告になってしまいます)

でも、このまま続くことはありません。

空室や値下がりや滞納や家賃サービス(フリーレント)が発生します。

それに運営費(ランニングコスト)もかかります。

これらは、一般的な賃貸マンションなら収入の25%程度と見込まれます。

1500万円×75%=1125万円
1125万円÷1億5千万円=7.5% となり

「実質利回り」は7.5%ということが分かります。

この物件が築古の木造アパートで、
5年の間に空室などのロスとコストがもっと発生して、
その数字を40%と見込んだら
1500万円×60%=900万円
900万円÷1億5千万円=6%
「実質利回り」は6%となります。

10%の利回りを期待してローンを組んで購入してたら
「とんだ当て外れ」になるかもしれません。

素人のオーナーならいざ知らず、
賃貸管理している者が見抜けなかったらダメですよね。

この「実質利回り」は、
家賃収入からロス(空室、値下げ、未回収等)
とコスト(運営費)を差し引いた、
「営業純利益」と呼ばれる数値から算出されていますよね。

この営業純利益のことをNOI(エヌオーアイ)と呼ぶので、
実質利回りは「NOI利回り」と表示されることもあります。

これが、この物件の本当の実力です。
私たちは可能ならば、オーナーのNOIを把握したいのです。

プロパティマネジメントが目的とする、

『オーナーの不動産の収益を最も多くすること』

の「収益」とは、NOIのことなのですから。

さて、この営業純利益をオーナーは手にすることが出来るでしょうか。

多くのオーナーはローンを組んで、
物件を建てたり購入していますから、
返済をしなければなりませんね。

この元利返済額を営業純利益から差し引くと、
オーナーの「手取りの収入額」が分かります。
これがキャッシュフローです。

このキャッシュフローの使い道はオーナーの事情によって異なります。

一部が生活費に充てられることもあるでしょうし、

将来のリニューアル投資のために準備される分もあるでしょう。

貯蓄されてローンの一括返済に回される場合もありますし、

他の所有物件で不足しているキャッシュフローを補うかもしれません。

いずれにしても賃貸経営をする以上、キャッシュフローは欠かせません。

そこで、プロパティマネジメントとしては、
オーナーの借入返済の額も気になるワケです・・・・・。

投資分析の基礎知識は、もう少しあります。

頭が痛くなってきたと思いますので、
続きは次回にしましょう。

管理と仲介手数料が増える!無料メルマガ 賃貸管理戸数を増やし、仲介売り上げを増やすために役立つメールマガジンを無料で公開しています。 →さらに詳しく知りたい方はこちらをクリック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です