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保証会社活用時代の入居審査と滞納督促の現状

今回は
入居審査と滞納督促の現状」について
賃貸管理の現場から報告いたします。

賃貸管理の先輩からは、
昔の賃貸業務では「入居審査と滞納督促」が
重要な仕事だった、という話をよく聞きます。

現在は保証会社に大部分を委託していますが、
すべてを丸投げしてよい、ということではありません。

保証会社に家賃集金を任せていても、
その他の部分で入居者さんと向き合うのは
オーナーと管理会社ですし、
保証会社と契約していない借主さんも少なからずいますので、
この業務と無縁ではいられないのです。

 
何年か前に、
半年も空いていた築20年超の木造アパートに、
40代男性単身者から入居申込みがあり、
接客中の本人の言動や勤務条件などから
「入居不可」としたのですが、その後に保証会社から
審査OKの連絡があったので入居を認めた、
という案件がありました。

当時は保証会社の審査結果を最優先していたのです。

入居してすぐに家賃滞納が始まりましたが、
保証会社から代替支払いされていて、
私たちが滞納を知ったのは3カ月後でした。

保証会社によると、
まず電話と文書による督促を継続し、
法的手段はまだ先になる、とのことでした。

しかし、この入居者は滞納以外にも、
入居ルールを無視した夜中の騒音、
指定以外のゴミ捨て、玄関前の通路に物を置く、
などのトラブルを起こすようになり、

管理スタッフが出向いても、
居留守や、ときに恫喝のような態度をとって手を焼かせました。

両隣の借主も不安を訴えています。

最後は保証会社と協力して明け渡し訴訟を提訴し、
強制手続きによる明け渡しとなりました。

入居してから一年余りの時間を要してしまいました。

その経緯から入居審査への取り組みを改善して、
自分たちの基準と保証会社の審査結果の双方を
重視することにしました。

当社の審査はOK、保証会社がNOの場合は、
基準を満たす個人の連帯保証人を立ててもらえれば
入居を許可するケースもあります。

複数の保証会社がNOとする場合は、
借主にそれなりの原因があるはずですから、
万一のときは連帯保証人が頼みの綱となります。

連帯保証人の予定者には電話をして、
直接に意思を確認するようにしています。

反対に、当社がNOで保証会社がOKのケースでは、
それが空室期間の長い物件の場合は
「やっと決まる」という想いから、断るのが勿体なく感じます。

しかし、前述のような入居者を入れてしまうと
大家さんが受けるダメージは大きいです。

申込者の支払い能力に対する不安は
保証会社がカバーしますので、
私たちは「他の入居者に迷惑をかけないか」のみに
焦点をあてて答えを出すようにしています。

「疑わしければ断る」のは簡単ですが、
決まりにくい物件の稼働率を高めるのも
賃貸管理の役目ですので、
そのバランスが難しいところです。

保証会社の活用が前提であっても、
管理会社の入居審査が不要ということにはなりません。

 
つぎは滞納督促です。

これも先輩たちから「初期督促が何より重要」と教えられました。

初期督促とは、
文書、電話、メール、最近ではアプリなどを使って、
本人に滞納を告げて支払いを促す行為です。

その期間は15日から最大で30日と決めています。

一度の通知で入金される「うっかり滞納」ならよいのですが、
初期督促を何度か行っても返事と入金がないときは、
何らかの原因があると判断して、
次の段階の「訪問と連帯保証人への通知」を開始します。

この判断に2~3カ月も費やしてしまうと、
オーナーの損失が増えてしまうことになりかねません。

初期督促とは、「うっかり滞納」と「確信的滞納」を
早めに見極める行為といえるので、
発生から15日、遅くとも30日の間で繰り返し行う必要があるのです。

残念ながら確信的滞納者を
入居させてしまったことが判明したあとは、
訪問を繰り返し、
連帯保証人には借主に支払うように促してもらいます。

それでも入金の約束や入金がないときは、
連帯保証人への請求に切り替えます。

保証会社の入らない契約は
「連帯保証人が頼みの綱」と書きましたが、
そのために借主との関係や、
勤務状況と持ち家などの資産状況を吟味していますので、
支払いに応じるはずなのですが、
まれに「無い袖は振れない」と反応されることもあります。

その場合は、内容証明郵便なども送付しながら、
借主と連帯保証人に交渉を続けます。

当社でも、
ごくまれに訴訟に発展してしまうことがありますが、
それを判断する3カ月の間に、
初期督促と任意による支払い交渉を根気よく続けて、
その記録を残し、
万一 訴訟になってしまったときに役立つ証拠とします。

訴訟は法律の専門家にお任せしますので、
私たちの任務は、初期督促で「うっかり滞納」を入金させ、
「確信的滞納」を炙り出し、
連帯保証人に役目を果たしてもらい、
何とか訴訟に頼らずに滞納を解決することと認識しています。

思えば、
昔は管理物件のすべての家賃入金に携わっていたのですから、
保証会社の登場で楽になったものだと思います。

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