賃貸募集には「閑散期」と言われる時期があります。
特に定義はないのですが、
2月から4月には新社会人や学生が新しい住処を探す「春の繁忙期」があり、
9月10月には法人の転勤が活発になる「秋の繁忙期」があるので、
その狭間の12月1月と7月8月を「閑散期」と呼んでいます。
まさに「いま」がその時期なのですが、
賃貸管理には、この閑散期ならではの重要な仕事があります。
今回は、熱い時期にこそ必要な私たちの仕事についてレポートいたします。
夏こそ重要な「空室巡回」
私たちの仕事のひとつに「空室の巡回」があります。
その目的は、お客様がいつ訪れてもいいように
貸室を良い状態に保つことと、お部屋の劣化を防ぐことです。
お預かりしている物件がいつも満室なら、
巡回する手間と時間は不要ですし、
管理料も多くいただけるのですが、
退去をまったくゼロにすることは難しく、
どうしても空室期間が生まれてしまいます。
そこで定期的な見回りが必要になります。
6月半ばから8月にかけて室内は高温多湿になりますが、
これが空室にとっては大敵です。
人が暮らしていれば、空調が適切に行われ、
自然に空気は入れ替わり、配管に水も流れるのですが、
空室期間はそれらが滞ることになります。
高温多湿の時期は、カビが発生したり、
配管から虫が入り込んだり、溜まった水から悪臭がするなど、
寒い時期よりも不具合が起きやすくなるのです。
そこでこの時期の空室巡回では、
窓を開けて空気を入れ替え、
水回り設備の蛇口を開けて水を巡回させ、
虫の死骸などを清掃する作業の頻度が多くなります。
エアコンも、たまには作動させた方が性能が維持されるはずです。
南向きのお部屋は人気がありますが、
空室の間に太陽を直射のままにしておくと、
床や壁などの劣化が進んでしまいます。
フローリングは日焼けすることで劣化スピードが速まり、
変色や色褪せ、剥がれや毛羽立ちなどの症状が出てしまうのです。
それを少しでも防げるのはカーテンです。
お客様をご案内したとき、
カーテンがあるとイメージが良いので、
なるべく設置を提案させていただいていますが、
夏の太陽光線を防ぐ効果も大きいです。
庭木の水不足と雑草の浸食を防ぐ
管理物件の中には、
共用部分の日常清掃を実施させていただいている物件があります。
この定期的な清掃の目的は、
ひとつは入居者さんの満足度をあげることで永く暮らしていただくこと。
2つめはご案内したお客様の印象をよくすることで入居申込みにつなげること。
3つめは物件の劣化を遅らせて価値を維持することにあるのですが、
この時期に特に気にかけているのが庭木への水やりと雑草駆除です。
庭木は、猛暑が続けば水切れや葉枯れということも考えられますし、
ここ数年の夏の暑さは尋常ではないので、
水をたっぷりと与える必要があります。
また、庭木に交じって繁殖する雑草を手取りする必要もあります。
舗装されていない駐車場などは、
早いうちに雑草を刈り取って除草剤を使用することで、
草取り・草刈りの回数を減らすことができます。
真夏の内見で心掛けていること
暑い時期の閑散期といっても、
部屋探しのお客様がゼロというわけではありません。
募集活動も積極的にやっていますので、
当然にお問合せがあり内見も行われます。
その時のための「空室巡回」であり
「共用部分の日常清掃」なのですが、
それ以外にも「暑い時期ならでは」の工夫があります。
まず内見の時間帯を誘導できるときは、
午前の早い時間か夕方を勧めます。
夏の日中の閉め切った室内は、
気温が40度を超えているので、
ゆっくりと部屋を吟味することはできません。
どうしても日中を指定されたときは、
可能であれば、その前に現地に行ってエアコンをつけておくこともあります(通電が必要)。
さらに、通常時の内見では、
室内で説明したりお申込みを促すのですが、
この時期は、お客様との会話は涼しい車か事務所で行うようにします。
個人的なことですが、
私は塩飴をポケットに忍ばせていて、
必要なときはお客様に差し上げるようにしています
。(発汗させないことが重要なのですが)
お客様が動き出す9月10月は目の前です。
そのときに、見つけていただき、
問い合わせていただくために、
賃貸条件の整備と、インターネットへの掲載など、
秋の繁忙期に向けて態勢を整えています。