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賃貸経営のリフォームに対する考え方を教えてください。

Q.所有しているアパートが10年を超えました。そろそろリフォームに手をかける時期に入ったと思っていますが、賃貸経営のリフォームに対する考え方を教えてください。

A.退室時に次の募集のために行うリフォームには3種類あると思います。ひとつめは「原状回復のためのリフォーム」です。前の入居者が暮らしたことによって劣化した部分を「元に戻す」工事ですね。具体的には畳や襖の表替えや壁クロスの貼り換えとルームクリーニングなどです。入居者が故意や過失で壊したところの修繕もあるでしょう。取り替えたところは新しくなりますが、基本的な設備や建具等は「そのまま」なので、徐々に古さが目立ってきます。
築10年を迎えたとのことですから、そろそろ目立ち始めたのではないでしょうか。各扉のノブや蛇口、窓枠や敷居、木製やプラスチック製で出来た部分の傷や色の変化などです。
これらは「原状回復のためのリフォーム」では修正されない部分ですから、早ければ築5年を過ぎたくらいから目立ち始めるでしょう。
それを払拭するのが二番目の「新しさを取り戻すリフォーム」です。

Q.具体的にはどんな項目ですか?

A.具体的には前述した扉のノブや蛇口を磨いたり取り替えたり、窓枠や敷居などの木製部分をペンキやオイルステンで上塗りしたり、変色や欠けたプラスチック部分を取り替えたり、等の項目です。
フローリングの補修、クッションフロアなら貼り換え、カーテンレールやサッシの網戸の取り替え等、「原状回復リフォーム」では通常は手を入れない箇所です。「まだ使える」という理由で放置しておくと、内見したお客様からは「古臭さ」を感じ取られてしまいます。少なくとも10年を過ぎたら、退室のたびに予算をとって実施することをお勧めします。
予算の目安は「原状回復リフォーム+家賃の1ヶ月分」程度ではないでしょうか。

Q.三つ目のリフォームとは?

A.みっつめは「物件力を上げるためのリフォーム」です。「差別化のリフォーム」と言ってもいいでしょう。築10年の物件が10年前の状態に戻っても競争力としては十分ではありませんね。そこで、同じタイプのライバル物件との違いを打ち出すために行います。

Q.費用がかかりそうですね。

A.大事なのは費用対効果です。
「家賃を値下げ」した場合より収益が下がってしまうのでは意味がありません。まずは少ない予算で、どれだけのことが出来るか工夫をすべきでしょう。テーマは「差別化」「オンリーワン」です。
・高性能な照明器具や可動式ライトに取り替える
・高級クロス(1000番クロス等)を採用する
・高級な畳(カラーや琉球等)を採用する
・キッチンの扉を塩ビ製化粧シートでリメイクする
・ユニットバスの一面を塩ビ製化粧シートと大判ミラーでリメイクする
・壁面収納を設置する など。
少ない予算で差別化する方法は、工夫次第で色々とあります。費用をかけるばかりではありません。

Q.間取変更したり水回り設備を入れ替えるようなリフォームは?

A.明確な用語の定義はないのですが、間取変更を伴うような工事は「リニューアル」と称してリフォームと区別しています。ユニットバスやキッチンセットの入れ替えも、こちらに分類していいと思います。リニューアル工事の目的も「物件力アップ」「差別化」ですが、かける費用と回収期間が大きく異なりますね。
現在は築10年ですのでリニューアル工事はまだ先の話になりますが、「やるかやらないか」の判断は、「何年まで建物を利用するか」という大家さんの思惑によります。築25年位で建て替えなら「差別化リフォーム」のみで対応も可能でしょう(外壁塗装は必要になりますが)。キッチン、トイレ、洗面等の水回り設備も部分的な手直しでも対応可能でしょう。
しかし築40年位まで建物を利用するなら、間取変更を伴うリニューアル工事をしても、回収期間は十分りあります。ユニットバスを含めた設備も築20年の時点で取替えた方が効率がいいです。そのために貯蓄をしておくか、ローンの繰り延べ返済等の計画を立てておきましょう。
このようにリニューアル工事は、中期的な視野で考えておくべきなのですが、築10年なら十分に間に合いますね。いずれにしても、今大切なのは「差別化のためのリフォーム」を退去のたびに、コツコツと実施しておくことでしょう。

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